ツアー・オブ・ユタ第5〜第7ステージをダイジェストレポート。超級山岳フィニッシュで辛くも首位を守りきったロブ・ブリットン(カナダ、ラリーサイクリング)が総合優勝を達成し、最終ステージの上りスプリントではマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が圧勝した。
ツアー・オブ・カリフォルニアに次ぐアメリカ最大級のステージレース、ツアー・オブ・ユタ(UCI2.HC)。レース中盤、レイトンからバウントフルまでの185.4kmで行われた第5ステージでは、総合上位につけるロビン・カーペンター(アメリカ、ホロウェスコ・シタデルレーシングチーム)が落車し負傷したものの、特に問題なくレースに復帰する。ゴール前11km地点に設定された山岳ポイントで抜け出したジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF)は吸収され、30名程度まで縮小した集団のスプリントでトラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)が勝利する。
第5ステージ 集団スプリントでトラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)が勝利 (c)CorVos
翌第6ステージは総合を争う上では最後の山場。スタートすぐに標高2454mの1級山岳を越え、最後は超級山岳スノーバードリゾートへの登りが待ち受ける。距離98kmにも関わらず獲得標高2300mオーバーという過酷な登坂コースが選手たちをふるいにかけた。
逃げを飲み込んだメイン集団では、登りの序盤からバルディアーニCSFが隊列を組んでペースアップを図り、10名以下に絞り込まれた段階でチッコーネがアタック。ネルソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンスバーマン)が追走するも届かず、そのまま逃げ切ったチッコーネから44秒遅れで総合リーダーのロブ・ブリットン(カナダ、ラリーサイクリング)もフィニッシュし、辛くも首位を守りきった。
第6ステージ 超級山岳スノーバードでペースを上げるバルディアーニ・CSF (c)CorVos
超級山岳スノーバードで抜け出すジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF) (c)CorVos
超級山岳フィニッシュで優勝したジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF) (c)CorVos
またこの日、小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)はゴールまでたどり着いたものの、熱中症によってタイムオーバーに。「2つ目の登りに入って登りが始まると熱中症の様な症状で全く力が入らず、ついて行けなくなった。そこからゴールを目指すもタイムアウト。最終日手前に残念な結果となってしまった」と語っている。
最終日はソルトレイクシティ周回コースを117.8km走るもので、フィニッシュラインは1kmの登りを越えた先に設定された。序盤からの逃げを飲み込むと、マヌエル・センニ(イタリア、BMCレーシング)のアタックにカハルーラル・セグロスRGAの2名が追従。全開走行で逃げたものの残り2.3km地点で捕まり、フィニッシュ手前の上り勾配へと突入した。
最終第7ステージ フィニッシュ手前で抜け出したマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が勝利 (c)CorVos
すると登坂区間でアンヘル・ベニト(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)がアタックし、マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が追従。2名が抜け出す形となり、残り200mで仕掛けたカノラが後続を2秒引き離す圧倒的な力を見せつけて勝利を収めた。
「最終周回はとても速いペースでのレースだったが、ベルラートがいい位置をキープしてくれ、残り300mで後ろを見ると後続との差が開いているのがわかったので、一気にスパートをかけた。第5ステージのスプリントで2位だった悔しさを晴らしてくれる勝利になった。このまま良い勢いで次戦となるコロラドクラシックに挑みたいと思う」とカノラ。
総合表彰台 ロブ・ブリットン(カナダ、ラリーサイクリング)が中央に立つ (c)CorVos
また、ブリットンは登坂フィニッシュを6位でフィニッシュして、危なげなく総合優勝を達成。「今回の勝利は自分にとってものすごく大きな意味を持つ。このために沢山の物事を犠牲にしてきたけれど、それに報いることができた」と語るブリットンは、2010年にビッセル・プロサイクリングでプロデビューした遅咲きの34歳。コンチネンタルチーム所属ながらHCステージレースでキャリア最大の勝利を手に入れた。
ツアー・オブ・カリフォルニアに次ぐアメリカ最大級のステージレース、ツアー・オブ・ユタ(UCI2.HC)。レース中盤、レイトンからバウントフルまでの185.4kmで行われた第5ステージでは、総合上位につけるロビン・カーペンター(アメリカ、ホロウェスコ・シタデルレーシングチーム)が落車し負傷したものの、特に問題なくレースに復帰する。ゴール前11km地点に設定された山岳ポイントで抜け出したジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF)は吸収され、30名程度まで縮小した集団のスプリントでトラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)が勝利する。

翌第6ステージは総合を争う上では最後の山場。スタートすぐに標高2454mの1級山岳を越え、最後は超級山岳スノーバードリゾートへの登りが待ち受ける。距離98kmにも関わらず獲得標高2300mオーバーという過酷な登坂コースが選手たちをふるいにかけた。
逃げを飲み込んだメイン集団では、登りの序盤からバルディアーニCSFが隊列を組んでペースアップを図り、10名以下に絞り込まれた段階でチッコーネがアタック。ネルソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンスバーマン)が追走するも届かず、そのまま逃げ切ったチッコーネから44秒遅れで総合リーダーのロブ・ブリットン(カナダ、ラリーサイクリング)もフィニッシュし、辛くも首位を守りきった。



またこの日、小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)はゴールまでたどり着いたものの、熱中症によってタイムオーバーに。「2つ目の登りに入って登りが始まると熱中症の様な症状で全く力が入らず、ついて行けなくなった。そこからゴールを目指すもタイムアウト。最終日手前に残念な結果となってしまった」と語っている。
最終日はソルトレイクシティ周回コースを117.8km走るもので、フィニッシュラインは1kmの登りを越えた先に設定された。序盤からの逃げを飲み込むと、マヌエル・センニ(イタリア、BMCレーシング)のアタックにカハルーラル・セグロスRGAの2名が追従。全開走行で逃げたものの残り2.3km地点で捕まり、フィニッシュ手前の上り勾配へと突入した。

すると登坂区間でアンヘル・ベニト(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)がアタックし、マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が追従。2名が抜け出す形となり、残り200mで仕掛けたカノラが後続を2秒引き離す圧倒的な力を見せつけて勝利を収めた。
「最終周回はとても速いペースでのレースだったが、ベルラートがいい位置をキープしてくれ、残り300mで後ろを見ると後続との差が開いているのがわかったので、一気にスパートをかけた。第5ステージのスプリントで2位だった悔しさを晴らしてくれる勝利になった。このまま良い勢いで次戦となるコロラドクラシックに挑みたいと思う」とカノラ。

また、ブリットンは登坂フィニッシュを6位でフィニッシュして、危なげなく総合優勝を達成。「今回の勝利は自分にとってものすごく大きな意味を持つ。このために沢山の物事を犠牲にしてきたけれど、それに報いることができた」と語るブリットンは、2010年にビッセル・プロサイクリングでプロデビューした遅咲きの34歳。コンチネンタルチーム所属ながらHCステージレースでキャリア最大の勝利を手に入れた。
第5ステージ 8月4日 レイトン〜バウントフル(185.4km)
1位 | トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) | 4h05'26" |
2位 | マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | |
3位 | ローガン・オーウェン(アメリカ、アクセオン・ハーゲンスバーマン) | |
4位 | ロビン・カーペンター(アメリカ、ホロウェスコ・シタデルレーシングチーム) | |
5位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) |
第6ステージ 8月5日 ヘバーバレースノーバードリゾート(97.8km)
1位 | ジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF) | 2h45'38" |
2位 | シモーネ・スティルビーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) | +35" |
3位 | ネルソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンスバーマン) | +41" |
4位 | ガヴィン・マニオン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) | +44" |
5位 | ロブ・ブリットン(カナダ、ラリーサイクリング) |
第7ステージ 8月6日 ソルトレイクシティー(117.8km)
1位 | マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 2h40'18" |
2位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) | +02" |
3位 | ガヴィン・マニオン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) | |
4位 | パトリック・ミューラー(スイス、BMCレーシング) | |
5位 | シモーネ・アンドレッタ(イタリア、バルディアーニCSF) |
個人総合成績
1位 | ロブ・ブリットン(カナダ、ラリーサイクリング) | 22h48'03" |
2位 | ガヴィン・マニオン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) | +22" |
3位 | セルゲイ・トヴェトコフ(ルーマニア、ジェリーベリーp/bマキシス) | +32" |
4位 | ネルソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンスバーマン) | +35" |
5位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) | +2'00" |
6位 | ジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF) | +2'16" |
7位 | ジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア) | +2'41" |
8位 | クリス・バトラー(カハルーラル・セグロスRGA) | +2'47" |
9位 | セップ・クス(アメリカ、ラリーサイクリング) | +2'55" |
10位 | ジェームス・ピッコリ(カナダ、エレベート・KHSプロサイクリング) | +3'00" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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