イゾアールのタイム差を持ってスタートするラ・コルス・バイ・ル・ツール・ド・フランス第2ステージで、アンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット)が優勝。與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)は15位でレースを終え、2日間を通して好感触を掴んだ。



後続との差を広げて優勝したアンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット)後続との差を広げて優勝したアンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport
7月22日に開催されたラ・コルス・バイ・ル・ツール・ド・フランス第2ステージは、男子の第20ステージ個人タイムトライアルと同じコースを使った時差スタートのパーシュートレース。

超級山岳イゾアールで開催された第1ステージでトップ20位に入った選手のみが招待され、1位のアンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット)から順に第1ステージのタイム差をもってスタートし、一番最初にフィニッシュに飛び込んだ選手が優勝する非UCIレースで、そのレース内容はハンマーシリーズ最終戦「ハンマーチェイス」とも類似する。

「UCIレースではなかったので、普通のロードレースとは違う雰囲気でした。すごく特別な体験でしたね」と言うのは、イゾアールで世界屈指のクライマーに食い下がり11位になった與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)。

ヴァンヴルーテンを追いかけるエリザベス・ダイグナン(イギリス、ブールス・ドルマンス・プロサイクリング)とエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)ヴァンヴルーテンを追いかけるエリザベス・ダイグナン(イギリス、ブールス・ドルマンス・プロサイクリング)とエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsportアシュレー・ムールマン(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ・プロサイクリング)やカタルジーナ・ニウイアドマ(ポーランド、WM3エネルジー)アシュレー・ムールマン(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ・プロサイクリング)やカタルジーナ・ニウイアドマ(ポーランド、WM3エネルジー) photo:Kei Tsuji / TDWsport


第1出走のヴァンヴルーテンがTTモードでプッシュする一方、43秒遅れでスタートした前世界王者エリザベス・ダイグナン(イギリス、ブールス・ドルマンス・プロサイクリング)は違った戦法を取る。あえてペースを落としてエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)とメーガン・グアルニエ(アメリカ、ブールス・ドルマンス・プロサイクリング)の合流を待ち、数の利を活かしてヴァンブルーテンを追い上げてようと試みた。

しかしこの日、好調ヴァンヴルーテンのスピードは冴えていた。急勾配のノートルダム・ド・ラ・ガルド教会(標高116m)へと至る登坂でもペースを落とさず、逆に差を1分52秒にまで広げる走りで圧勝。マルセイユのヴェロドロームに引かれたフィニッシュラインで高く拳を突き上げた。2位はダイグナン、3位はロンゴボルギーニ。登りで遅れたグアルニエは4位で、トップ4は第1ステージと変わらなかった。

與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
頂上に向けてダンシングする與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)頂上に向けてダンシングする與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
與那嶺は前後の選手と合流してローテーションを回しながら走り、最終的に15位でフィニッシュ。レース後以下のように語って語っており、非常に好感触を得た様子。今後は少々の休息を挟んでシーズン後半戦に入るという。

「いつもはマスドスタートですが、最初からタイム差スタート。そういったレース形式だったので、途中いつもは戦えないようなトップ選手とローテーションを回しながら走っていたのですが、彼女たちはやっぱり強いと再認識させられました。男子レースの前座とは言え、イゾアールとの2日間を同じコース、同じ雰囲気、同じファンがいる中で走ることができたのは、本当に特別な体験でしたね。今日のレースはイマイチでしたが、イゾアールでは本当によく走れた。やっと自分の思っていた通りの走りができました。結果が次のモチベーションに繋がるので、今後は少し休んでシーズン後半戦に繋げていきたいですね」。

結果
1位 アンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット)
2位 エリザベス・ダイグナン(イギリス、ブールス・ドルマンス・プロサイクリング)
3位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)
4位 メーガン・グアルニエ(アメリカ、ブールス・ドルマンス・プロサイクリング)
5位 アマンダ・スプラット(オーストラリア、オリカ・スコット)
6位 シャーラ・ギロー(フランス、エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)
7位 ローレン・ステフェンス(アメリカ、チームティブコ・SVB)
8位 アシュレー・ムールマン(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ・プロサイクリング)
9位 カタルジーナ・ニウイアドマ(ポーランド、WM3エネルジー)
15位 與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)
text:So.Isobe
photo:Kei Tsuji / TDWsport