UCI(国際自転車競技連盟)は6月22日、2018年度のUCIワールドツアーカレンダーを発表した。2017年度から大きな変化はなく、年間37戦を開催予定。また、グランツールの出場選手数を1チームにつき9名から8名に減らすことも発表した。


2018年はプロトンの大きさが11%ダウンする2018年はプロトンの大きさが11%ダウンする
スイスのジュネーブで開かれたPCC(プロサイクリング協議会)の会合を経て、UCIが2018年度のUCIワールドツアーカレンダーを発表した。「根本的に変化なし」というカレンダーには合計37レースが組み込まれており、2017年に財政難により中止に追い込まれたツアー・オブ・カタールは入っていない。その一方で中東UAE(アラブ首長国連邦)を舞台にしたアブダビツアーは5日間に延長されている。

4月に開催を予定しながら10月に延期されたプレジデンシャル・ツアー・オブ・ターキーは2018年も10月に開催予定。ビンクバンクツアー(現エネコツアー)やユーロアイズ・サイクラシックス・ハンブルグ(現サイクラシックス・ハンブルグ)など、タイトルスポンサーの変更や追加によって名称を変更したレースも。10月のツアー・オブ・広西には中国の大手家電メーカーのグリーエレクトリック社が新たにタイトルスポンサーについている。また、6月14日から7月15日までロシアで開催されるFIFAワールドカップとの重複をできるだけ避けるため、ツール・ド・フランスの開催時期が例年よりも1週間遅らされている。

2018年シーズンに向けて、PCCは選手の安全を優先するためにレース出場選手数の制限を新たに設けた。これまでグランツールでは1チーム最大9名の参加が認められてきたが、2018年からは最大8名に。これによりプロトンのサイズが最大198名から176名に縮小(約11%ダウン)し、レース内の安全性が高まるとしている。なお、1レース最大176名という上限は他のUCIワールドツアーレースやUCIコンチネンタルサーキットにも適用される。

また、安全性の向上を目指すUCIは2017年のツール・ド・スイスで試行されたタイム差計算のプロトコルを7月1日開幕のツール・ド・フランスでも引き続きテストすることを決めている。新たなプロトコルは、集団スプリントの可能性が高い平坦ステージにおいて、フィニッシュ地点の選手間につく最小タイム差を現行の1秒から3秒まで拡大するもの。つまり中切れによって集団内に1〜2秒のギャップが生まれても成績には反映されない。無理に差を詰めてフィニッシュする必要がなくなるため、集団内のストレスとリスクを低減できるとしている。

text:So.Isobe
UCIワールドツアーカレンダー2018