フランス南部で開催された第41回ルート・ドゥ・スッド(UCI2.1)で、シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)が総合優勝。積極的に逃げに乗り、中間スプリントのボーナスタイムを確保したことが勝利に繋がった。
6月15日から4日間にわたってフランス南西部のミディ・ピレネー地方で開催されたルート・ドゥ・スッド。同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネやツール・ド・スイスではなく、このフレンチレースをツール・ド・フランス前の最終調整レースと捉える選手も多い。
昨年は3日目に短距離ロードレースと個人タイムトライアルの2レースをこなしていたが、今年は4日ともマスドロードレース形式に。個人TTが無くなったことで、総合争い上では難関山岳が続く第1ステージ、そして第3ステージの重要度が高まることとなった。
第1ステージ 単独逃げを成功させたジュリアン・ルベ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール) (c)www.routedusud.fr
第1ステージ ジュリアン・ルベ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール)が総合首位に躍進 (c)www.routedusud.fr
第2ステージ 単独で逃げたスコットソン・マイルス(オーストラリア、BMCレーシング) (c)www.routedusud.fr
第2ステージ エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が勝利 (c)www.routedusud.fr
ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)やトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)らフランス勢が出揃った本大会は、初日から活発に動いた。コル・ドゥ・エスパノーズなど標高1000m級の山岳を3つ越えていく中で10名強の逃げグループが形成され、その中から単独逃げを敢行したジュリアン・ルベ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール)が自身も驚くサプライズ勝利。22秒遅れの2位集団では、序盤から逃げていたシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)が頭を獲り、メイン集団は初日からいきなり6分遅れるという幕開けとなる。
翌第2ステージと最終第4ステージは集団スプリントに持ち込まれ、それぞれ勝利はエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)とトーマス・スクーリー(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック)の手に渡っている。
総合争いが決したのは、中盤に標高2115mの1級山岳ツールマレーと2級山岳ガボリーズ、そして最後は標高1830mのガヴァルニ峠に登り詰める過酷な第3ステージ。序盤から総合2位のディリエやピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)、ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)らを含む11名が逃げた。
第3ステージ 逃げるジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)とピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) (c)www.routedusud.fr
第3ステージ 独走勝利を収めたピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) (c)www.routedusud.fr
第3ステージ ステージ5位に食い込んだシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) (c)www.routedusud.fr
1級山岳ツールマレーでは逃げグループが割れ、登坂力に勝るロランとモスコン、ニコラ・エデ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)が抜け出したものの、およそ30名程度まで絞り込まれた集団が、次なるガボリーズの下りで2人を視界に捉えると、そこからディリエのみがジャンプに成功。3名となった先頭グループはリーダージャージのルベを置き去りにしてガヴァルニ峠を登っていった。
すると残り4kmでロランがアタックし、ジロ・デ・イタリアでの好調さそのままに、モスコンを寄せ付けに独走勝利。その後方では総合優勝に青信号の灯ったディリエがプッシュを続けるも、総合で12秒遅れのリカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)がディリエを追い抜き、ボーナスタイム4秒を確保するステージ3位でフィニッシュ。ディリエは13秒遅れの5位に入ったものの、この日の中間スプリントでボーナスタイムを6秒稼いでいたことが味方し、カラパスに対して僅か1秒差の総合首位浮上に成功。最終日が集団スプリントに持ち込まれたため、ディリエは危なげなくリードを守りきって総合優勝を収めた。
第4ステージ 集団内で走るシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) (c)www.routedusud.fr
第4ステージ トーマス・スクーリー(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック)が最終ステージで勝利 (c)www.routedusud.fr
ルート・ドゥ・スッド総合表彰台 (c)www.routedusud.fr
ポイント賞と山岳賞も手に入れたシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) (c)www.routedusud.fr
今年のジロ・デ・イタリア第6ステージでも逃げ切りスプリント勝利を飾っているディリエは、2015年のアークティックレース・オブ・ノルウェーのステージ優勝を含めてプロ通算3勝目。総合が動いた第1、第3ステージで序盤から逃げに乗った積極策と、クライマー相手に中間スプリントでボーナスタイムを確保する作戦が功を奏した。ディリエは「このレースで自分が総合優勝できるとは思っていなかったので、素晴らしい気持ちだ。波に乗れているので、一番の目標にしている世界選手権まで調子をキープしていきたい」と語っている。
6月15日から4日間にわたってフランス南西部のミディ・ピレネー地方で開催されたルート・ドゥ・スッド。同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネやツール・ド・スイスではなく、このフレンチレースをツール・ド・フランス前の最終調整レースと捉える選手も多い。
昨年は3日目に短距離ロードレースと個人タイムトライアルの2レースをこなしていたが、今年は4日ともマスドロードレース形式に。個人TTが無くなったことで、総合争い上では難関山岳が続く第1ステージ、そして第3ステージの重要度が高まることとなった。




ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)やトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)らフランス勢が出揃った本大会は、初日から活発に動いた。コル・ドゥ・エスパノーズなど標高1000m級の山岳を3つ越えていく中で10名強の逃げグループが形成され、その中から単独逃げを敢行したジュリアン・ルベ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール)が自身も驚くサプライズ勝利。22秒遅れの2位集団では、序盤から逃げていたシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)が頭を獲り、メイン集団は初日からいきなり6分遅れるという幕開けとなる。
翌第2ステージと最終第4ステージは集団スプリントに持ち込まれ、それぞれ勝利はエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)とトーマス・スクーリー(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック)の手に渡っている。
総合争いが決したのは、中盤に標高2115mの1級山岳ツールマレーと2級山岳ガボリーズ、そして最後は標高1830mのガヴァルニ峠に登り詰める過酷な第3ステージ。序盤から総合2位のディリエやピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)、ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)らを含む11名が逃げた。



1級山岳ツールマレーでは逃げグループが割れ、登坂力に勝るロランとモスコン、ニコラ・エデ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)が抜け出したものの、およそ30名程度まで絞り込まれた集団が、次なるガボリーズの下りで2人を視界に捉えると、そこからディリエのみがジャンプに成功。3名となった先頭グループはリーダージャージのルベを置き去りにしてガヴァルニ峠を登っていった。
すると残り4kmでロランがアタックし、ジロ・デ・イタリアでの好調さそのままに、モスコンを寄せ付けに独走勝利。その後方では総合優勝に青信号の灯ったディリエがプッシュを続けるも、総合で12秒遅れのリカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)がディリエを追い抜き、ボーナスタイム4秒を確保するステージ3位でフィニッシュ。ディリエは13秒遅れの5位に入ったものの、この日の中間スプリントでボーナスタイムを6秒稼いでいたことが味方し、カラパスに対して僅か1秒差の総合首位浮上に成功。最終日が集団スプリントに持ち込まれたため、ディリエは危なげなくリードを守りきって総合優勝を収めた。




今年のジロ・デ・イタリア第6ステージでも逃げ切りスプリント勝利を飾っているディリエは、2015年のアークティックレース・オブ・ノルウェーのステージ優勝を含めてプロ通算3勝目。総合が動いた第1、第3ステージで序盤から逃げに乗った積極策と、クライマー相手に中間スプリントでボーナスタイムを確保する作戦が功を奏した。ディリエは「このレースで自分が総合優勝できるとは思っていなかったので、素晴らしい気持ちだ。波に乗れているので、一番の目標にしている世界選手権まで調子をキープしていきたい」と語っている。
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ルート・ドゥ・スッド2017結果
第1ステージ 6月15日 ヴィルヴェラック〜サン・ポン・ド・トミエール(176.6km)
1位 | ジュリアン・ルベ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール) | 4h31'53" |
2位 | シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) | +22' |
3位 | マウロ・フィネット(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM) | |
4位 | アントニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) | |
5位 | ルイスアンヘル・マテ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) |
第2ステージ 6月16日 エスパース・ロワジエ・ソール・エ・アゴ〜サラモン(173.8km)
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) | 4h15'08" |
2位 | カルロス・バルベロ(スペイン、モビスター) | |
3位 | ロレンゾ・マンザン(フランス、FDJ) | |
4位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | |
5位 | ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) |
第3ステージ 6月17日 サン=ゴーダンス〜ガヴァルニ(167km)
1位 | ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) | 4h56'06" |
2位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) | +42" |
3位 | リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター) | |
4位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) | |
5位 | シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) | +55" |
第4ステージ 6月18日 サン=ミッシェル〜ノガロ(154.8km)
1位 | トーマス・スクーリー(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック) | 3h27'03" |
2位 | マティアス・ルトゥニエ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) | |
3位 | ジェローム・ミナール(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール) | |
4位 | ニキータ・スタイロフ(カザフスタン、アスタナ) | |
5位 | ケヴィン・ルダノワ(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト) |
個人総合成績
1位 | シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) | 17h11'09" |
2位 | リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター) | +07" |
3位 | ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ) | +1'44" |
4位 | ブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト) | +2'47" |
5位 | ダビ・アロヨ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) | +4'07" |
text:So.Isobe
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