4日間で争われたツアー・オブ・スロベニア(UCI2.1)で、クイーンステージを制したラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)が総合優勝。来るツール・ド・フランスに弾みを付けた。
今年で24回目の開催を迎えたツアー・オブ・スロベニアは、近年勢力を拡大しているスロベニア最大のステージレース。UCIカテゴライズは1クラスながら、ディメンションデータ、UAEチームエミレーツ、オリカ・スコット、ボーラ・ハンスグローエ、そしてバーレーン・メリダという5のUCIワールドチームの他、イタリアの隣国という立地もありNIPPOヴィーニファンティーニ(日本人選手として内間康平が参加)やウィリエール・トリエスティーナなどイタリア籍のチームが顔を揃えた。
第1ステージ サム・ベネット(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:www.tourofslovenia.si
第2ステージ 集団内で走る内間康平(左奥、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:www.tourofslovenia.si
第2ステージ スリッピーな市街地サーキットでは落車が相次いだ photo:www.tourofslovenia.si
第2ステージ 雨中のスプリントでルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット)が勝利 photo:www.tourofslovenia.si
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)復帰でも話題となった本レースには、山頂フィニッシュが用意された第3ステージ以外はゴール勝負の公算が高いため、スプリンターたちが多く揃った。
予想通り初日、2日目と集団スプリントに持ち込まれ、初日はソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)とルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット)を抑え込んだサム・ベネット(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)が、雨に濡れた超スリッピーな市街地スプリントとなった第2ステージは、落車の間隙を突いたメスゲッツが前日の借りを晴らす嬉しい自国勝利を達成する。
中盤から2級、3級とカテゴリー山岳を超え、最後は1級山岳ログラ(登坂距離13.7km、平均勾配7.5%)へと至る第3ステージでは、最後の登坂序盤から急速な絞り込みが発生。頂上まで7.5kmを残してポーランド王者ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)とジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット)、そしてジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)による三つ巴の争いが展開された。
第3ステージ 美しい渓谷沿いの峠道を進む集団 photo:www.tourofslovenia.si
第3ステージ 1級山岳で先頭を行くラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)ら photo:www.tourofslovenia.si
第3ステージ 頂上ゴールのスプリント勝負を制したラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:www.tourofslovenia.si
マイカが畳み掛けるように仕掛けるものの、ヘイグは食らいついて離れず、ヴィスコンティは遅れつつもマイペース走法で戻ってくる。4位グループを寄せ付けないハイペースを刻みながら、最終的にゴール勝負へと持ち込まれ、マイカがロングスパートを目論んだヴィスコンティを交わして勝利。初日の集団スプリントでも一桁台に入るなど、好調ぶりを発揮していたマイカは総合首位に躍進して最終日を迎えることとなった。
またこのステージでは、NIPPOヴィーニファンティーニのイヴァン・サンタロミータとダミアーノ・クネゴ(共にイタリア)がそれぞれ9位と11位に入る好走を見せ、チームは総合成績首位に立つことになる。
最終日は予想通りスプリント争いとなり、ゴール手前ではボーラ・ハンスグローエとディメンションデータが、集団が縦に伸びて中切れするほどの超高速牽引を披露する。復帰後初勝利を狙うカヴェンディッシュ有利かと思われたが、第1ステージでも勝利したベネットがそれを上回った。
第4ステージ リーダージャージでスタートラインに現れたラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:www.tourofslovenia.si
第4ステージ サム・ベネット(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)がステージ2勝目 photo:www.tourofslovenia.si
ツアー・オブ・スロベニア2017総合表彰台 photo:www.tourofslovenia.si
マイカも集団前方で危なげなくフィニッシュしたため、ボーラ・ハンスグローエはこの日ステージ優勝と総合優勝を同時達成。リーダージャージを守ったマイカにとっては今シーズン初の総合獲得であり、「ツール・ド・フランスに向けて準備が整ったと思う」と大一番に向けて弾みを付けた。マイカはツアー・オブ・カリフォルニアを総合2位で終えた後、シエラネバダで3週間に渡る高地トレーニングを重ねていたという。
またNIPPOヴィーニファンティーニはチーム総合成績首位を守りきった。内間は第3ステージで砂に車輪を滑らせて落車したものの、幸い大事には至らなかったという。
今年で24回目の開催を迎えたツアー・オブ・スロベニアは、近年勢力を拡大しているスロベニア最大のステージレース。UCIカテゴライズは1クラスながら、ディメンションデータ、UAEチームエミレーツ、オリカ・スコット、ボーラ・ハンスグローエ、そしてバーレーン・メリダという5のUCIワールドチームの他、イタリアの隣国という立地もありNIPPOヴィーニファンティーニ(日本人選手として内間康平が参加)やウィリエール・トリエスティーナなどイタリア籍のチームが顔を揃えた。




マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)復帰でも話題となった本レースには、山頂フィニッシュが用意された第3ステージ以外はゴール勝負の公算が高いため、スプリンターたちが多く揃った。
予想通り初日、2日目と集団スプリントに持ち込まれ、初日はソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)とルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット)を抑え込んだサム・ベネット(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)が、雨に濡れた超スリッピーな市街地スプリントとなった第2ステージは、落車の間隙を突いたメスゲッツが前日の借りを晴らす嬉しい自国勝利を達成する。
中盤から2級、3級とカテゴリー山岳を超え、最後は1級山岳ログラ(登坂距離13.7km、平均勾配7.5%)へと至る第3ステージでは、最後の登坂序盤から急速な絞り込みが発生。頂上まで7.5kmを残してポーランド王者ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)とジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット)、そしてジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)による三つ巴の争いが展開された。



マイカが畳み掛けるように仕掛けるものの、ヘイグは食らいついて離れず、ヴィスコンティは遅れつつもマイペース走法で戻ってくる。4位グループを寄せ付けないハイペースを刻みながら、最終的にゴール勝負へと持ち込まれ、マイカがロングスパートを目論んだヴィスコンティを交わして勝利。初日の集団スプリントでも一桁台に入るなど、好調ぶりを発揮していたマイカは総合首位に躍進して最終日を迎えることとなった。
またこのステージでは、NIPPOヴィーニファンティーニのイヴァン・サンタロミータとダミアーノ・クネゴ(共にイタリア)がそれぞれ9位と11位に入る好走を見せ、チームは総合成績首位に立つことになる。
最終日は予想通りスプリント争いとなり、ゴール手前ではボーラ・ハンスグローエとディメンションデータが、集団が縦に伸びて中切れするほどの超高速牽引を披露する。復帰後初勝利を狙うカヴェンディッシュ有利かと思われたが、第1ステージでも勝利したベネットがそれを上回った。



マイカも集団前方で危なげなくフィニッシュしたため、ボーラ・ハンスグローエはこの日ステージ優勝と総合優勝を同時達成。リーダージャージを守ったマイカにとっては今シーズン初の総合獲得であり、「ツール・ド・フランスに向けて準備が整ったと思う」と大一番に向けて弾みを付けた。マイカはツアー・オブ・カリフォルニアを総合2位で終えた後、シエラネバダで3週間に渡る高地トレーニングを重ねていたという。
またNIPPOヴィーニファンティーニはチーム総合成績首位を守りきった。内間は第3ステージで砂に車輪を滑らせて落車したものの、幸い大事には至らなかったという。
H3
ツアー・オブ・スロベニア2017結果
第1ステージ 6月15日 コペル〜コチェーヴィエ(159.4km)
1位 | サム・ベネット(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 3h49'46" |
2位 | ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
3位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット) | |
4位 | ロベルト・フェラーリ(UAEチームエミレーツ) | |
5位 | マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) |
第2ステージ 6月16日 リュブリャナ〜リュブリャナ(169.9km)
1位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット) | 3h50'51" |
2位 | ロベルト・フェラーリ(UAEチームエミレーツ) | |
3位 | マーク・レンショー(オーストラリア、ディメンションデータ) | |
4位 | アロイス・カンコヴスキー(スロベニア、エルコフ・アーサー) | |
5位 | イーリ・ポルニキー(スロベニア、エルコフ・アーサー) |
第3ステージ 6月17日 ツェリェ〜ログラ(167.7km)
1位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 4h34'08" |
2位 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ) | +03" |
3位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) | +11" |
4位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +25" |
5位 | タデイ・ポガカー(スロベニア、ログ・リュブリャナ) | +36" |
第4ステージ 6月18日 ロガーシュカ・スラティナ〜ノヴォ・メスト(160km)
1位 | サム・ベネット(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 3h41'48" |
2位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) | |
3位 | ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
4位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | |
5位 | ロベルト・フェラーリ(UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 15h56'23" |
2位 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ) | +07" |
3位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) | +17" |
4位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +35" |
5位 | タデイ・ポガカー(スロベニア、ログ・リュブリャナ) | +46" |
text:So.Isobe
photo:www.tourofslovenia.si
photo:www.tourofslovenia.si
Amazon.co.jp