最終日を迎えたツール・ド・ルクセンブルク。総合首位につけるグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が最終ステージで力を見せつける2度目のステージ優勝を果たし、同時に総合優勝を掴んだ。



ルクセンブルグの美しい街並みを行くルクセンブルグの美しい街並みを行く photo:corvos
最終日を迎えたツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)。首都からほど近いメルシュの街をスタートし、ドイツ国境沿いで折り返して南下。反時計回りを描きながら、ルクセンブルク市街地の周回コースを3周する170.8kmが舞台となる。4日間のレースの幕を引くのはルクセンブルグ市街の急坂”パベルベルグ”。平均勾配9.8%の登坂がフィニッシュの前に立ちはだかる。

この日、スタートと同時にアントニー・ワーニエ(ベルギー・WBヴェランクラシック・アクア・プロジェクト)、クリストファー・ハッツ(ドイツ・ケルンハウス)、カスパー・アスグリーン(デンマーク、ヴェロコンセプト)そして、ガエタン・ポンス(ルクセンブルグ、レオパード・プロサイクリング)ら4名の選手が逃げることに成功。20km地点で、7分ほどのタイム差を獲得する。

古城の前を行く逃げ集団古城の前を行く逃げ集団 photo:corvos
カウンターアタックを決めた5名に入った小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)カウンターアタックを決めた5名に入った小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:corvos
しかし、レースが後半に向かうにつれ、総合リーダーを擁するBMCレーシングによってメイン集団は一気にペースアップ。残り50km地点でタイム差は1分を下回るほど激しい勢いで、その差を詰めていく。逃げを吸収するタイミングで発生したカウンターアタックによって生まれた5名の先頭集団に小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)が入る。

しかし、猛追するメイン集団の勢いは衰えずルクセンブルグ市内の周回コースで一人、また一人と吸収される。最終周回に入っても2人が逃げ続けるものの、ラスト150mで集団に吸収。逃げを吸収した勢いをそのままにラストの登坂をトップスピードで駆け上がったグレッグ・ヴァンアーヴェルマートがそのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。第2ステージに続く2勝目と総合優勝を果たし、グレッグ・ヴァンアーヴェルマートとBMCレーシングは唯一のワールドチームとして横綱相撲を見せつけた。

ステージ2勝目のグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)ステージ2勝目のグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:corvos
総合優勝を果たしたグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)総合優勝を果たしたグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:corvos
「半分調整のつもりで参加したレースだったので、プロローグで2位に入ることが出来て驚いたんだ。コースとしても自分にピッタリなステージが続いたから、かなり勝利に手が届きやすかったね。とにかく勝利することが出来てよかったよ。チームの皆の努力に報いることが出来て安心した」とヴァンアーベルマート。「ワールドツアーのレースじゃなくても、勝利は嬉しいもの。でも、今はツールのステージ優勝が最大の目標だから、これに満足はしていられないね」と来たるツール・ド・フランスへの意気込みを覗かせた。
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ツール・ド・ルクセンブルク2017第4ステージ結果
ステージ順位
1位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) 4h46’08”
2位 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、WBヴェランクラシック・アクア・プロジェクト)
3位 サンドロ・メウリーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
4位 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス・ソルシオンクレディ) +03”
5位 アレッサンドロ・ビソルティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) +04”
6位 アンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)
7位 ヒューブ・デュイン(オランダ、ヴェランダスヴレムス・クレラン)
8位 ジェローム・バウニーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
9位 ラスムス・グィルドハマー(デンマーク、ヴェロコンセプト)
10位 ジュリアン・ルーブ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール)
個人総合成績
1位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) 18h27’50”
2位 サンドロ・メウリーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト) +29”
3位 アンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) +36”
4位 ベンジャミン・トマ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール) +40”
5位 ヒューブ・デュイン(オランダ、ヴェランダスヴレムス・クレラン)
6位 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス・ソルシオンクレディ) +43”
7位 ジュリアン・ルーブ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール) +44”
8位 ジェローム・バウニーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト) +47”
9位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) +48”
10位 ラスムス・グィルドハマー(デンマーク、ヴェロコンセプト) +50”
ポイント賞
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
山岳賞
ブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)
ヤングライダー賞
サンドロ・メウリーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
チーム総合成績
コフィディス・ソルシオンクレディ
text:Naoki.YASUOKA
photo:CorVos