スペインのコンポーネントメーカー、ローターが展開する楕円チェーンリング「Q-RINGS」。ペダリングの効率化を図るこのアイテムに、シマノのMTBコンポーネントであるXTRのクランクに対応したモデルが新登場している。



ローター Q-RINGS QX1 96PCD 1X11 for SHIMANO XTRローター Q-RINGS QX1 96PCD 1X11 for SHIMANO XTR (c)ROTOR
今や数多くのブランドからリリースされている楕円チェーンリングの中でも、最も愛用者の多い製品の一つと言えるローターの「Q-RINGS」。ロードレースにおいては、今シーズンUCIワールドチームのディメンションデータをサポートし、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)始めトッププロ選手の足元を支えている。

Q-RINGSを始めとする楕円チェーンリングの特長は、最も力の掛かりやすいペダリング位置にチェーンリングの仮想最大歯数を位置させることで、真円チェーンリングに比べより効率的なペダリングが可能になるというもの。特に、Q-RINGSは10%の楕円率を採用し、クランクアームの位置が「4時」で仮想歯数が最大とすることで、ペダリング時に作用する筋肉群のうち大殿筋、大腿四頭筋、腓腹筋といった発達した部位を効率良く使用できるように考えられている。この点はローター独自の考え方であり、他社の非円形チェーンリングとの大きな差異と言えるだろう。

ローター Q-RINGS QX2 96/64PCD 2X11 for SHIMANO XTRローター Q-RINGS QX2 96/64PCD 2X11 for SHIMANO XTR (c)ROTOR
また、Q-RINGSには仮想歯数が最大になる位置を可変させることができるOPTIMUM CHAINRING POSITION(OCP)という機能が備えられている。バイクのポジションやユーザーのペダリングに合わせて、仮想最大歯数が来るポイントを3時から5時の位置で変更することができ、より高い効果が発揮できるように考えられている。ペダリング効率が上がることで、ローターの調査ではQ-RINGS装着時には、真円チェーンリング時と比較して6.2%の出力向上が認められたという。

そんなQ-RINGSに今回、シマノのMTBコンポーネントXTR互換のモデルが新登場。XTRクランクの短いアームに対応した96PCDに適応する製品だ。フロントシングル用のナローワイドな歯先を採用した「QX1 96PCD」と、フロントダブル用の「QX2 96/64PCD」の2種類が揃う。対応するクランクはXTRの9000シリーズ。いずれも他のQ-RINGS同様、強度と軽量性に優れる7075-T6アルミニウム合金を使用。精巧なCNC切削加工を施すことで必要十分な強度を持たせつつ軽量化を果たしている。

フロントシングル用のQX1 96PCDは歯先にナローワイド形状を採用フロントシングル用のQX1 96PCDは歯先にナローワイド形状を採用 (c)ROTORインナーギアも楕円とされ、固定位置を3通りに変更できるOCP機能が備えられるインナーギアも楕円とされ、固定位置を3通りに変更できるOCP機能が備えられる (c)ROTOR


MTBシーンにおいてはフランスの強豪チーム、BH-SRサンツアーKMCをサポートしているため、所属する全日本チャンピオンの山本幸平も今シーズンからQ-RINGSを使用中だ。

「QX1 96PCD」は32T、34T、36Tの3種類をラインアップし、価格は15,000円(税抜)。「QX2 96/64PCD」はアウター36T、38T、39Tの3種が用意され価格は15,000円(税抜)、 インナーは22T、25T、26Tの3種展開で価格は10,500円(税抜)だ。取り扱いはダイアテック。

山本幸平が駆るBHのチームバイクにもQ-RINGSが装着される山本幸平が駆るBHのチームバイクにもQ-RINGSが装着される (c)Team BH SR SUNTOUR KMC


ローター Q-RINGS QX1 96PCD 1X11 for SHIMANO XTR
フロントタイプ:シングル
PCD:96
歯数:32T、34T、36T
価格:15,000円(税抜)

ローター Q-RINGS QX2 96/64PCD 2X11 for SHIMANO XTR
フロントタイプ:ダブル
PCD:96/64
歯数:アウター36T、38T、39T
   インナー22T、25T、26T
価格:アウター15,000円(税抜)
   インナー10,500円(税抜)

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