昨日開幕したティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)において、ディスクブレーキを搭載したTTバイクが実戦投入された。ディスクブレーキがまた新しい分野へとその幅を広げたことになる。



キャノンデール・ドラパックが使ったSUPER SLICEキャノンデール・ドラパックが使ったSUPER SLICE (c)slipstreamsports.com


ディスクブレーキ搭載バイクでティレーノ〜アドリアティコ第1ステージを走るキャノンデール・ドラパックディスクブレーキ搭載バイクでティレーノ〜アドリアティコ第1ステージを走るキャノンデール・ドラパック photo:CorVosディスクブレーキ搭載TTバイクを実戦投入し、話題をさらったのはキャノンデール・ドラパック。キャノンデールや、ホイールサプライヤーであるマヴィックは詳細を明らかにしていないものの、「SUPER SLICE」との表記があるこのバイクは、キャノンデールのTTバイク「SLICE」の進化版であり、ヘッドチューブ付近に差異はあるものの、昨年10月のアイアンマンコナで目撃されたものと同一モデルと思われる。

写真から判断する限りフラットマウント+前後スルーアクスルであり、フレーム形状も既存のモデルとは大きく異なっている。ホイールは前輪が「COMET」の表記があるディープリム、後輪が「COMET ROAD」のディスクブレーキバージョンで、いずれも初お目見えしたもの。ブレーキはTRPの機械式(ローター径は前後160mm)が用いられた。

UCIレースでのディスクブレーキ試用は2015年8月に開始。2016年にはトライアルの範囲を拡大し、全チームが全レースで使用することが容認されたが、4月のパリ〜ルーベでディスクブレーキのローターと接触したことを理由に主張する負傷が発生したため使用中止に。2017年からは再び全面解禁され、1月のブエルタ・ア・サンフアンでは初めてUCIレースでの勝利を挙げた。続くアブダビツアーではブレーキローターによる負傷が主張され再び議論が加熱しているが、各チームは実戦テストを継続中だ。

中でもキャノンデール・ドラパックは、先のストラーデ・ビアンケで全参加チーム中唯一ディスクブレーキ搭載バイクを使用するなど、最も積極的に新機材を投入しているチームの一つ。今後はパリ〜ルーベなどのクラシックレースはもちろん、グランツールでもディスクブレーキモデルを駆るものと思われる。

text:So.Isobe

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