イタリアのガゼッタ紙が伝えたところによると、2012年ジロ・デ・イタリアのスタート地点として、アメリカ合衆国ワシントンDCが名乗りを挙げた。実現すればグランツール(ジロ、ツール、ブエルタ)初の北米上陸。それだけでなく、グランツール初となるヨーロッパ外のスタートだ。

ワシントンDCで開催されているキャピタル・クリテリウムワシントンDCで開催されているキャピタル・クリテリウム photo:www.capitalcriterium.com2012年、アメリカ合衆国の首都ワシントンDCで、ジロ・デ・イタリアが開幕する可能性が浮上した。ガゼッタ紙によると、最初の2ステージをホストするプロジェクトが進行中だ。

ワシントンのスポーツ・コンベンション委員会代表を務めるグレゴリー・オデル氏は「ジロがワシントンに与える経済的な影響は甚大。経済的な側面だけでなく、国際化を目指すジロにとっても有益なはずだ」と、前代未聞の試みに期待をこめる。

ジロのレースディレクターを務めるアンジェロ・ゾメニャン氏は「我々はこれまでも北米でのスタートを検討していたが、今回はワシントンから現実的な話が飛び込んできた」と、ワシントンスタートを前向きに受け止めている様子。

レースディレクターのアンジェロ・ゾメニャン氏レースディレクターのアンジェロ・ゾメニャン氏 photo:Kei.TsujiワシントンDCでは2008年から市中心部で「キャピタル・クリテリウム」が開催されており、そのレースディレクターを務めるマーク・ソマーズ氏は「ジロのプロローグは、グランツール史上最高クラスのスペクタクルなものになるだろう」とコメント。ソマーズ氏はコース案をジロ主催者のRCSスポルトに提出する予定だ。

実現すれば、グランツールで初めて北米大陸に上陸することになる。過去にはツール・ド・フランスがグアダルーペ島(メキシコ)やモントリオール(カナダ)でのグランデパールを計画していたが、未だに実現していない。グランツールがヨーロッパ以外でスタートを迎えるのは史上初の試みだ。

しかし実現にはいくつもの壁を越えなければならない。アメリカ東海岸からイタリアまでのフライト時間は8〜9時間。両国間には6時間の時差あり、長時間の移動と時差ボケの影響が懸念されている。

果たして実現なるか?「プロジェクトは進行中だ」とガゼッタ紙は締めくくっている。ジロの北米スタートは、グランツールの国際化に一石を投じることになるだろう。

text:Kei Tsuji
photo:www.capitalcriterium.com