ゴールまで70kmを残した1級山岳でアレハンドロ・バルベルデの超ロングスパートが炸裂。強風の中を単独で逃げ続け、地元ムルシアで今期1勝目を飾った。



70kmに渡る独走を成功させたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)70kmに渡る独走を成功させたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos


6のUCIワールドチームが参加したブエルタ・ムルシア6のUCIワールドチームが参加したブエルタ・ムルシア photo:CorVos路面の凹みをホップしてクリアするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)路面の凹みをホップしてクリアするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Murucia Team2位争いのスプリントはホナタン・レストレポ(スペイン、カチューシャ)が先着した2位争いのスプリントはホナタン・レストレポ(スペイン、カチューシャ)が先着した photo:CorVos2位ホナタン・レストレポ(スペイン、カチューシャ)、優勝アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、3位パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)2位ホナタン・レストレポ(スペイン、カチューシャ)、優勝アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、3位パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos先週土曜日に開催されたブエルタ・ア・ムルシア(UCI1.1)は、その名の通りスペイン南東部に位置するムルシア州を舞台とした今年で37回目を迎えたワンデーレース。コース中盤には標高1200mの1級山岳コラード・ベルメホが用意されており、今年はゴールまで70kmを残したこの登りでレースが動くことになる。

今大会にはモビスターやカチューシャ・アルペシンら6つのUCIワールドチームを始め、ボルタ・ア・ヴァレンシアナからの連戦となったチーム右京(畑中、平塚、徳田、グアルディオラ、プラデス、プジョル、フェルナンデス)が顔を揃えた。

強風が吹き荒れる厳しい条件下で逃げたのは、サム・ビューリー(ニュージーランド、オリカ・スコット)ら3名。しかしアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)をエースに据えるモビスターが早々に動き出し、ベルメホ峠の麓で3名をキャッチ。ここからバルベルデが動いた。

ゴールまで70kmを残したアタックにはサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)やホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)が反応したが、勢いよく峠を駆け上がるバルベルデの姿は徐々に遠くなっていく。「追いついたメンバーとゴールまで逃げスプリントを仕留めるつもりだったが、誰も来なかったので一人で行くことにした」と言うバルベルデは見る間にリードを稼ぎ、霧がかったダウンヒルをこなしていく。

この日地元ムルシア出身のバルベルデの走りは冴えていた。強烈な向かい風の中でもペースを緩めることなく、意思統一を欠く集団に2分差を付けてムルシア市街地へと凱旋。4月に37歳を迎えるバルベルデが強烈な印象を与える今期1勝目を収めた。

「ゴールまで距離を残してアタックしたことが逆に勝因になったよ。この勝利はいつも応援してくれる地元ムルシアのファンにプレゼントしたい」と語るバルベルデの次戦は、水曜日に開催されるルタ・デルソル(UCI2.HC)。少々の休息を挟み、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)らグランツアー有力勢が集うステージレースに備えるという。

また、チーム右京勢は4分41秒遅れの第2集団でフィニッシュグアルディオラ(31位)とフェルナンデス(42位)が最高位となった。



ブエルタ・ア・ムルシア2017結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)         4h03’08”
2位 ホナタン・レストレポ(スペイン、カチューシャ)           +2’10”
3位 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
4位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
6位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
7位 クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、オリカ・スコット)
8位 タイス・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ)
10位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

text:So.Isobe
photo:CorVos