ブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)第6ステージは、気温40℃を越えるあまりの暑さにレース途中でコース短縮が決定。逃げ集団の中から飛び出した3人が逃げ切りの形となり、スプリントを制したマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)がステージ優勝を飾った。



灼熱の太陽に照らされたブルーのリーダージャージを着るバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)灼熱の太陽に照らされたブルーのリーダージャージを着るバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos


大会カラーであるブルーのアーチがかかるスタート地点大会カラーであるブルーのアーチがかかるスタート地点 photo:CorVos長丁場のレースにバナナも2本と多めの補給食を装備長丁場のレースにバナナも2本と多めの補給食を装備 photo:CorVosあまりの暑さに沿道の観客も上裸にあまりの暑さに沿道の観客も上裸に photo:CorVosリーダージャージ擁するトレック・セガフレードが集団前を固めるリーダージャージ擁するトレック・セガフレードが集団前を固める photo:CorVos3名による逃げ切りを決めチーム4勝目を飾ったマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)3名による逃げ切りを決めチーム4勝目を飾ったマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ) photo:CorVosブエルタ・ア・サンフアン第6ステージはサンフアンのやや南に位置するポシートを発着とし、反時計回りに大きく1周を描く本大会最長の185.7kmとなるはずだった。しかし午後3時過ぎからのスタートにも関わらず、気温は40℃を超えるこの日の天気を大会側は危険と判断し、レース中にコースの短縮を決定。最終的には17.6km短くなった168.1kmで争われることとなった。

長丁場となるレースに加え灼熱の気候により、集団は早々からペースを落とした休憩モードに。そんな中レース開始20分ほどで、連日同様地元南米の選手を多く含む10名の逃げ集団が出来上がる。だが、この日はマキシミリアーノ・リケーゼ始め、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、バーレーン・メリダ)やオリビエロ・トロイア(イタリア、UAEアブダビ)といったワールドツアーチームも逃げに参加。平坦基調なコースもあってスピードは上がり、プロトンに対し最大4分40秒のタイムギャップを稼ぎ出した。またこの逃げ集団には窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)も加わっていた。

始めは高速巡航を維持できていた逃げ集団も、10人という少人数で長時間脚が削られ、途中から上手くローテーションが回らなくなったという。しびれを切らしたリケーゼが残り60km地点でアタック。逃げ集団は分断され、そのアタックに反応できた2名とともに逃げ切りを決めた。ゴール手前3km地点ではその中から最も若い21歳のニコラス・チバーニ(アルゼンチン、ユニユーロ・トレヴィジアーニ)がアタックを仕掛けるも、ベテランの33歳はこれを冷静にチェック。最後はスプリントが伸びたリケーゼが、チームに本大会4勝目となる勝利をもたらした。

「チームメンバーからの信頼が大変嬉しく、自分を信じて走ってくれた彼らに感謝したい。フィニッシュ地点には父と母も観戦に駆けつけてくれたので、この勝利を一緒に分かち合うことができて嬉しいよ。とても素晴らしい一日になったね」とリケーゼはコメント。2012年にはチームNIPPOに所属し日本のレースにも参戦していたアルゼンチンライダーが2005年、2007年に続く本大会3勝目となるステージ優勝を飾った。

また、日本の窪木は4名の追走集団でリケーゼら3名を果敢に追ったが届かず、残り3km地点で集団に吸収。集団から約30秒ほど遅れた116位でゴールしている。「今日は監督から逃げろという指示があった。リケーゼ選手は強く、今日は勝つべくしてレースを支配して勝利したのだと感じた。もしあのアタックに反応して3、4人で逃げていたらと考えると悔しい。小集団スプリントしたかった。表彰台に立ちたかった。」と悔しさを滲ませるコメントをしている。

リーダージャージを着るバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)は「今日のコース短縮の判断は正しく、大会側には感謝したい。明日も高い気温と強風で難しいコースになるが、自身の総合優勝に向けて何らトラブルはないよ」とコメント。



ブエルタ・ア・サンフアン2017第6ステージ結果
1位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)    3h48’47”
2位 オリビエロ・トロイア(イタリア、UAEアブダビ)
3位 ニコラス・チバーニ(アルゼンチン、ユニユーロ・トレヴィジアーニ)
4位 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
5位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
6位 ルイス・リベラ(アルゼンチン、ムニチパリダッド・デ・ポチート)
7位 マッティア・ヴィエル(イタリア、ユニユーロ・トレヴィジアーニ)
8位 ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、バーレーン・メリダ)
9位 ニコラス・マリーニ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
10位 ルーク・ケオー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
116位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)                   +1’14”

個人総合成績
1位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)              18h02’09”
2位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン・インデル)               +14”
3位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ)            +16”
4位 リカルド・エスケーラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ヴァージン・デ・ファティーマ)+20”
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEアブダビ)                     +26”
6位 ラウレアノ・ロサス(アルゼンチン、アルゼンチンナショナルチーム)         +27”
7位 ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、バーレーン・メリダ)          +52”
8位 ヴィンツェンツィオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)          +1’17”
9位 アーレイ・バーナル(コロンビア、アンドローニジョカトリ)            +1’29”
10位 ピーター・セリー(ベルギー、クイックステップフロアーズ)            +1’31”

山岳賞
1位 ジャーマン・ロペス(アルゼンチン、アグルパシオン・ヴァージン・デ・ファティーマ)

スプリント賞
1位 ニコラス・ナラーノ(アルゼンチン、アグルパシオン・ヴァージン・デ・ファティーマ)

ヤングライダー賞
1位 アーレイ・バーナル(ポルトガル、アンドローニジョカトリ)

チーム総合成績
1位 バーレーン・メリダ

text:Yuto.Murata
photo:CorVos

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