ルクセンブルグでのCX世界選初日、第2レースは女子U23。日本から出場の坂口聖香(パナソニックレディース)はアンダー最後の年にトップ10入を目標としたが、落車でのトラブルからの復帰に手こずり28位に終わった。



序盤はトップ10に位置して走った坂口聖香(パナソニックレディース)だったが序盤はトップ10に位置して走った坂口聖香(パナソニックレディース)だったが photo:Nobuhiko.Tanabe
滑りやすい路面の下りにクラッシュが多発した滑りやすい路面の下りにクラッシュが多発した photo:CorVos男子ジュニアから2時間を空けてスタートした女子U23。気温はいくぶん緩むが凍ったままの硬く滑りやすい路面はそのまま。攻めながらもいかにクラッシュしないかが求められるレースだ。

手堅い走りとテクニックが光ったアンヌマリー・ヴォルスト(オランダ)手堅い走りとテクニックが光ったアンヌマリー・ヴォルスト(オランダ) photo:CorVos後方スタートの坂口聖香(パナソニックレディース) は好スタートを切り、20位ほどで第1コーナーをクリア。オフロードのサーキットに入りさらに10位に順位を上げる。アンヌマリー・ヴォルスト(オランダ) がトップに立ち、エレン・ノーブル(アメリカ) 、ニコラ・ノスコヴァ(チェコ)らが続く4人ほどのパックが先頭を走る。

下りでスリップして落車、バリアにホイールを絡ませてしまった坂口聖香(パナソニックレディース)下りでスリップして落車、バリアにホイールを絡ませてしまった坂口聖香(パナソニックレディース) image:ストリーミング放送より好位置につけていた坂口だが、ドロップオフの下りでクラッシュし、路肩のバリアに突っ込みフロントホイールを絡ませてしまう。後方から下ってくる選手が坂口を避けきれず相次いで転倒、坂口はなかなかホイールが抜けず時間は過ぎていく。

クラッシュが相次ぎ、リタイアする選手が続くなか、先頭争いはディフェンディングチャンピオンのエヴィー・リチャーズ(イギリス)が巻き返しトップに。しかしアンヌマリー・ヴォルストが抵抗。ふたりは競り合いながらパックを抜け出した。少し遅れてアメリカのノーブルが続く。

ノーブルが追い上げて前を行くふたりに追いつき、残り2周へ。先行するヴォルストの一騎打ちの相手は今度はノーブルだ。ふたりはテールトゥーノーズのままバトルを続ける。ヴォルストが抜くと、ノーブルが抜き返す。しかし最終周回にノーブルがコーナーでオーバーランするミスをしてしまう。離れたヴォルストとの差を詰めようとするノーブルだが、身体は限界に達してしまう。

開いた差を保ちながら、しかしチャンスとばかりスピードを上げるヴォルスト。マウンテンバイクのXC選手をルーツにもつヴォルストが攻めつつもミスのない走りに徹し、ノーブルの追い上げを許さず差をキープしたまま独走で歓喜のフィニッシュへと飛び込んだ。2位にノーブル、3位リチャーズも喜びを表しつつのフィニッシュ。坂口聖香は6分15秒遅れの28位と、目標としていたトップ10入りに遠く及ばない結果となってしまった。

独走でフィニッシュに飛び込むアンヌマリー・ヴォルスト(オランダ)独走でフィニッシュに飛び込むアンヌマリー・ヴォルスト(オランダ) photo:CorVos

アンヌマリー・ヴォルスト(オランダ)が2位エレン・ノーブル(アメリカ)と歓喜の表情を見せるアンヌマリー・ヴォルスト(オランダ)が2位エレン・ノーブル(アメリカ)と歓喜の表情を見せる photo:CorVosシクロクロス世界選手権2017女子U23結果
1位 アンヌマリー・ヴォルスト(オランダ) 43'47"
2位 エレン・ノーブル(アメリカ) +10"
3位 エヴィー・リチャーズ(イギリス) +26"
4位 ラウラ・フェルドンショット(ベルギー) +1'08"
5位 マノン・バッカー(オランダ) +1'41"
6位 ニコラ・ノスコヴァ(チェコ) +1'44"
7位 シェリン・アルヴァラード(オランダ) +2'17"
8位 エマ・ホワイト(アメリカ) +2'37"
9位 マレーヌ・デグン(デンマーク) +2'45"
10位 インヘ・ファンデルヘウデン(オランダ) +2'57"
28位 坂口聖香(パナソニックレディース) +6'15"

text:Makoto.AYANO
photo:Nobuhiko Tanabe,CorVos, Kei Tsuji/TDWsport