11月8日(日)、ツール・ド・ジャパン第5戦西湖ステージ兼JCRC第11戦が開催された。コースとなったのは、もちろん富士五湖の一つ西湖の周回。ほぼ平坦なコースながらコーナーが多く、コーナリングテクニックがものをいうコースだ。11月初旬ということで、あたりは一面紅葉。1200名を越える参加者がその美しい景色の中、朝から夕方まで一日レースを楽しんだ。

ホビーレーサーにとっての“落ち葉のクラシック”

関東地方のレースシーズンを締めくくるレースとして、20年以上も前から開催され続けている西湖ロードが、今年も盛大に開催された。今年のエントリー数は1200名を越え、朝7時45分のチームタイムトライアルのスタートから16時30分のSクラスの表彰式まで、参加者達は丸一日ロード三昧を楽しんだ。

西湖の湖岸を走るAクラスの集団西湖の湖岸を走るAクラスの集団 photo: Takashi Nakazawa
この大会、正式には「中野浩一V10メモリアル ツール・ド・ジャパン2009第5戦西湖ステージ(兼ブリヂストンサイクル杯)32回日刊スポーツサイクルグランプリ 兼JCRCシリーズ第11戦」という長い名前がついている。

紅葉の中を走るSクラスの集団紅葉の中を走るSクラスの集団 photo: Takashi Nakazawaもともとブリヂストンサイクル杯だったこの大会が日刊スポーツ新聞社主催の「ツール・ド・ジャパン」の最終ステージとなり、JCRC(日本サイクルレーシングスポーツ協会)が主管を行っているという訳である。

今年の西湖ロードは紅葉の見頃とちょうど一致した。一生懸命走っていた選手の中には気づかなかった人も多かったようだが、コースのまわりは美しく紅葉したモミジやカエデ、ブナに彩られていた。途中、試走時間も設けられていたので、勝手知ったるベテラン参加者達は、その紅葉を見物するためにのんびりとコースを走ったりしていた。

豪華参加者に会場がどよめく

スーパーバイザーの中野浩一さんと元モーニング娘の吉澤ひとみさんスーパーバイザーの中野浩一さんと元モーニング娘の吉澤ひとみさん photo: Takashi Nakazawa今年の西湖ロードには、多彩なゲストが集結した。まずは大会スーパーバイザーの中野浩一さんであるが、前夜祭では軽妙なしゃべりで笑いを取っていた。また、レース中には実況中継の解説も務めてくれた。

前夜祭には鳩山由紀夫首相のそっくりさん芸人として知られる鳩山来留夫さんも駆けつけてくれて、会場を笑いの渦に包んでくれた。

また、自転車好きとして知られるシャ乱Qのまことさんが選手としてE1クラスとC1クラスに参加し、平均時速40km/hを上回る快速で完走を果たしていた。

さらに、俳優の塩谷瞬さんがC1クラスに、元モーニング娘の吉澤ひとみさんがWクラスに選手として参加し、健脚ぶりを披露してくれた。中でも塩谷さんは高校時代に自転車部に所属していたということもあり、トップ選手に負けない走りを見せてくれた。

前夜祭であいさつするシャ乱Qのまことさん前夜祭であいさつするシャ乱Qのまことさん photo: Takashi Nakazawa前夜祭であいさつする俳優の塩谷瞬さん前夜祭であいさつする俳優の塩谷瞬さん photo: Takashi Nakazawa前夜祭であいさつする鳩山由紀夫首相のそっくりさん芸人・鳩山来留夫さん前夜祭であいさつする鳩山由紀夫首相のそっくりさん芸人・鳩山来留夫さん photo: Takashi Nakazawa


各クラスで豪快なスプリント合戦

Sクラスのゴール。トップの福田真平(ブリヂストンアンカー)はオープン参加であったため、大塚潤(Team YOU CAN)が優勝Sクラスのゴール。トップの福田真平(ブリヂストンアンカー)はオープン参加であったため、大塚潤(Team YOU CAN)が優勝 photo: Takashi Nakazawa平坦なコースということもあり、各クラスとも集団がばらけることはなく、ゴールスプリントで勝負が決まることが多かった。

Sクラスではジャパンカップ・オープン男子を制したばかりの大塚潤(Tean YOU CAN)が、E2クラスでははるばる福井から駆けつけた寺崎浩平(バルバクラブ)が、Oクラスではシニア最強スプリンターとして知られる藤木富夫(チーム勝輪)が、そしてGクラスではホビーレース最多勝を誇る大塚和平(パインヒルズ '90)が、それぞれ豪快なスプリントを決めて優勝した。

Aクラスのゴール。往年の名選手・橋詰一也(内房レーシング)が久しぶりの優勝!Aクラスのゴール。往年の名選手・橋詰一也(内房レーシング)が久しぶりの優勝! photo: Takashi Nakazawa中でも注目を集めていたのはAクラスだ。80年代後半には日本最強チーム・ボスコに所属し、ツール・ド・北海道などを制したトップレーサーの橋詰一也さんが豪快なゴールスプリントを決めて、引退以来久しぶりに優勝を果たしたのである。

「いやー、もう普通のオジサンですから」と謙遜する橋詰さんであったが、今年に入ってからトレーニングで10kg以上の減量に成功したと言うから、かなり本気でレースを楽しんでいるようだ。ちなみに、13歳の息子さん・橋詰丈くんは塩原ヒルクライムのEクラスで優勝し、今回もD2クラスで22位という立派な成績を残している。

各クラスのレースの模様はフォトギャラリーで!



ツール・ド・ジャパン第5戦西湖ステージ兼JCRC第11戦結果
【Sクラス】C1クラスのゴールC1クラスのゴール photo: Takashi Nakazawa
大塚潤(Tean YOU CAN)

【Aクラス】
橋詰一也(内房レーシングクラブ)

【Bクラス】
高木義基(ホットロード)

【C1クラス】
田中健汰(ヤマダレーシング)

D1クラスのスタートD1クラスのスタート photo: Takashi Nakazawa【C2クラス】
服部直明(G. S. MILANO)

【C3クラス】
新村清志(Team YOU CAN)

【D1クラス】
Ludwig Kanzler(POSITIVO ESPRESSO)

【D2クラス】
伊東勝(Team Splash)

E1クラスの集団E1クラスの集団 photo: Takashi Nakazawa【E1クラス】
江越岳也(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)

【E2クラス】
寺崎浩平(バルバクラブ)

【F1クラス】
宮本肇

【F2クラス】
数野仁(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)

ブリヂストンブースで新作RMZの解説をしてくれた渋谷淳一さんブリヂストンブースで新作RMZの解説をしてくれた渋谷淳一さん photo: Takashi Nakazawa【X1クラス】
小幡嘉一

【X2クラス】
木村航太(SPADE ACE)

【Oクラス】
藤木富夫(チーム勝輪)

【Gクラス】
大塚和平(パインヒルズ '90)

【Wクラス】
高松美代子(チームマリアローザ)

【小学校高学年クラス】
伊藤圭佑(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)

【小学校中学年クラス】
江越海玖也(チームベイパー)

【小学校低学年クラス】
奥原景太(まんもす!)

【チームタイムトライアル20km】
CORSA YAMANASHI-S(岩波信二・堀内文貴・照井歩・雨宮正樹)

【チームタイムトライアル10km】
パインヒルズ '90(大塚和平・仲沢隆・新沼光・鳥海智大)

【MTBクラス】
勝山泰志(カニさんフレンド)


詳しいリザルトはJCRCのウェブサイトへ。

photo&text: Takashi Nakazawa