イタリアのガゼッタ紙が伝えたところによると、来季ランプレに移籍するアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)のスプリント要員として、ダニーロ・ホンド(ドイツ)がチームに合流する。来年はクラシックレースやグランツールのスプリント勝負でブルー&ピンクトレインが活躍しそうだ。

ランプレと契約を結んだダニーロ・ホンド(ドイツ)ランプレと契約を結んだダニーロ・ホンド(ドイツ) www.teamlampre.comかつてのスプリント王“アレ・ジェット”ことペタッキの背中を追って、次々とスピードマン&スプリンターがランプレ移籍を決めている。

ペタッキと同じくLPRブレークスからランプレに移籍するのは、今シーズン発射台として活躍していたロレンツォ・ベルヌッチ(イタリア)ら3名。シーズン中旬からスタジエール(研修生)として走っているアドリアーノ・マローリ(イタリア)は、2008年ロード世界選手権U23タイムトライアルで優勝したスピードマンだ。

2005年のミラノ〜サンレモで優勝したアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)と2位のダニーロ・ホンド(ドイツ)2005年のミラノ〜サンレモで優勝したアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)と2位のダニーロ・ホンド(ドイツ) photo:Cor Vosそして今回、新たにダニーロ・ホンドのチーム加入が明らかにされた。ホンドはペタッキと誕生日が一日違いのベテランスプリンター。トラック競技をベースに持つ選手で、プロ入り前の1994年にはトラック世界選手権団体追い抜きで金メダルを獲得している。

ドイツテレコム時代の2001年にはジロ・デ・イタリアでステージ2勝を飾り、2002年ドイツチャンピオンに輝いた。ゲロルシュタイナー時代の2005年にはミラノ〜サンレモでペタッキに次いで2位。しかし同年ブエルタ・ア・ムルシア期間中のドーピング検査で陽性反応が検出され、出場停止処分を受けた。処分後はティンコフやディキジョヴァンニに所属していた。

ジロ・デ・イタリアでステージ2勝を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)ジロ・デ・イタリアでステージ2勝を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア) photo:Kei Tsujiランプレのジェネラルマネージャーを務めるジュゼッペ・サロンニ氏はチーム公式サイトの中で「ペタッキの提案で、スプリントの質を向上させるためにホンドを獲得した。スプリントではペタッキにとって欠かせない存在になるだろう」とコメントし、ホンドの加入を歓迎している。

今年までエーススプリンターを務めていたアンジェロ・フルラン(イタリア)とミルコ・ロレンツェット(イタリア)はチームに残留。ペタッキとホンドの加入により、屈強なスプリント体勢が築き上げられる。2010年はペタッキ専用ブルー&ピンクトレインが何度も発車するだろう。

これまでランプレはグランツールで総合成績を狙える万能チームとして活動してきたが、2010年は総合力のあるマルツィオ・ブルセギン(イタリア)やパオロ・ティラロンゴ(イタリア)、エンリーコ・ガスパロット(イタリア)が相次いでチームを離脱。元世界王者のアレッサンドロ・バッラン(イタリア)や若手のマウロ・サンタンブロジオ(イタリア)はBMCレーシングチームへの移籍を決めている。

エースのダミアーノ・クネゴ(イタリア)はガゼッタ紙の中で「今年のブエルタで、再びグランツール総合優勝の可能性を感じた」と語っているが、ブルセギンやティラロンゴの離脱によって総合成績を狙うのは困難な状況だ。クネゴは起伏のあるワンディクラシックやグランツールの山岳ステージでエースを担うことになるだろう。

チーム体制としては、今年までサブスポンサーを務めたNGC社が去り、新たにファルネーゼ・ヴィーニ社をサブスポンサーに迎えた。同社はアブルッツォ州に本社を置くワイン、オイル、グラッパの製造会社。正式なチーム名はランプレ・ヴィーニファルネーゼ(Lampre-Vini Farnese)になる予定だ。

ランプレに加入する選手たち
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)LPRブレークス
ロレンツォ・ベルヌッチ(イタリア)LPRブレークス
ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア)LPRブレークス
アレッサンドロ・スペツィアレッティ(イタリア)LPRブレークス
ダニーロ・ホンド(ドイツ)PSKウィールプール
アドリアーノ・マローリ(イタリア)ランプレ研修生

ランプレを去る選手たち
アレッサンドロ・バッラン(イタリア)BMCレーシングチーム
マウロ・サンタンブロジオ(イタリア)BMCレーシングチーム
マルコ・バンディエラ(イタリア)カチューシャ
マルツィオ・ブルセギン(イタリア)ケースデパーニュ
パオロ・ティラロンゴ(イタリア)アスタナ
エンリーコ・ガスパロット(イタリア)アスタナ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos