ルイガノが展開するピュアスポーツバイクブランドGARNEAU(ガノー)。2017年モデルより新たにラインアップに加わった、ブランド初の本格的エアロロード「GENNIX A1」のインプレッションをお届けしよう。



ガノー GENNIX A1ガノー GENNIX A1 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
2016年より、片山右京氏が率いるTEAM UKYOにフレーム供給を行うガノー。チームは今シーズンガノーのバイクを駆ってJプロツアー総合優勝という輝かしい成績を残した。圧倒的なチーム力を見せつけたTEAM UKYOカラーにペイントされたバイクは、多くの国内ロードレースファンに鮮烈な印象を与え、そして、同時にガノーバイクの高性能ぶりを十二分に示すことになった。

そんなガノーにとって初のエアロロードが、2016年モデルとしてレビューした「GENNIX A1」だ。プロのレースシーンで求められる空力効果を実現するため、同ブランドの本拠地であるカナダ・ケベック市にある工科大学と連携。各チューブの最適な断面図を導くシミュレーションプログラムを基に、コンピューター内で仮想のフレームを設計。それをCFD(数値流体力学)テストにかけ、各部位のエアロダイナミクスを詳細に検証するというプロセスを繰り返すことで生まれたエアロマシンだ。

エアフローに最適化されたトップチューブ形状。ライダーの脚でかき回され乱れた気流はスムーズに後方へ流れるエアフローに最適化されたトップチューブ形状。ライダーの脚でかき回され乱れた気流はスムーズに後方へ流れる フレーム自体にチェーンキャッチャーが装備されるフレーム自体にチェーンキャッチャーが装備される 空力とハンドリングの良さを両立させるテーパードヘッド空力とハンドリングの良さを両立させるテーパードヘッド


GENNIX A1の設計は空気抵抗全体の75%を占めるという、ライダーの空気抵抗を低減することから始まった。BBの位置を通常よりも5mmほど下げ、自転車とライダーの前方投影面の重なりを大きくすることで、空気抵抗全体に占めるライダーの空気抵抗を低減している。

また、自転車の空気抵抗を低減するにあたって大きな役割を担うのが、フロント周りの設計だ。GENNIX A1に搭載されるフロントフォークは、ブレードとホイールとの間隔を大きく取っている。これによって、正面のみならず、斜めから吹き付ける風に対しても空気抵抗を軽減する効果をもたせた。

トップチューブ上部にはモデル名が記される。シートポストクランプは内装され見た目もスマートだトップチューブ上部にはモデル名が記される。シートポストクランプは内装され見た目もスマートだ シフトワイヤーはトップチューブ上部からフレーム内へ通されるルーティングをとるシフトワイヤーはトップチューブ上部からフレーム内へ通されるルーティングをとる

ダイレクトマウントが採用されたリアブレーキ。シートステーに隠れるように配され空力を高めるダイレクトマウントが採用されたリアブレーキ。シートステーに隠れるように配され空力を高める 空力を高めるカムテール形状が用いられたダウンチューブ空力を高めるカムテール形状が用いられたダウンチューブ


フォークとホイールの間を通る気流がぶつかるダウンチューブやシートチューブは、翼断面形状の後方を切り取ったカムテール形状とし、空力効果と剛性バランスを両立。トップチューブの形状も空力的に最適化されており、ライダーの脚でかき回され、乱れた気流も、スムーズに後方へと受け流すよう配慮されている。

ヘッドチューブとダウンチューブ接続部のエッジが立った造形は、フロントからの気流をボトル周辺から逸らすためのもの。フレーム単体だけではなく、ライダーやボトル、ホイールなど実際の使用環境に基づいた空気抵抗の低減が図られているのだ。それらをトータルで踏まえた際に、同ブランドのオールラウンドモデル、R1シリーズと比べ4%もの効率向上という数値を達成している。

チューブの交点を下げたコンパクトなリア三角チューブの交点を下げたコンパクトなリア三角 前方からの気流をボトル周辺から逸らすため設計された、前後に伸びるデザインのヘッド部前方からの気流をボトル周辺から逸らすため設計された、前後に伸びるデザインのヘッド部


前後共にブレーキは、エアロダイナミクスに優れるダイレクトマウント式を採用。リアブレーキは、前方から見るとシートステーに隠れるように配置することで空気抵抗を低減している。開発段階ではリアブレーキをBB下に設置する案も検討されたが、ガノーの調べでは、シートステーに設置した場合と比較して、わずか0.2%しか空気抵抗が減らなかったため、採用を見送ったとのこと。整備性や耐久性など、ブレーキがシートステーに有ることで得られるメリットを優先している。

これらの設計の他にも、シートチューブをタイヤに沿うように造形したり、シートステーを縦方向に薄く潰したりと、空気抵抗を低減するための設計が数多く組み込まれたGENNIX A1。BBシェルは大口径のBB386規格、ヘッドは下側1-3/8のテーパードとするなど、ロードバイクの基本的な走行性能に関する部分も抜かりない。

エアロ形状の専用シートポストが付属するエアロ形状の専用シートポストが付属する リアホイールに沿ってカットオフされたシートチューブリアホイールに沿ってカットオフされたシートチューブ シンプルなストレート形状のフロントフォーク。多方向からの風抜けが考慮され空気抵抗を軽減するシンプルなストレート形状のフロントフォーク。多方向からの風抜けが考慮され空気抵抗を軽減する


フレーム素材にはガノーが誇る最高峰カーボン「RTCC2」を採用。強度と剛性のバランスに優れたIM(インターミディエイト)カーボンと、さらに剛性に優れたHM(ハイモジュラス)カーボンを組み合わせたものだ。これにより軽さ、耐久性、ペダリング効率の性能バランスに優れたマシンに仕上がっている。

カラーリングにもこだわりを見せており、PC画面上でオリジナルカラーをデザインし、世界に一つだけのオリジナルバイクを手に入れられるという独自のカスタムペインティングサービス「DREAM FACTORY」にGENNIX A1も対応している。塗装はカナダの本社にある専用のペイントブースにて行われるという。

販売はフレームキットのみで、価格は298,000円(税抜)。多くのロードバイクメーカーがしのぎを削るエアロロードバイク戦線に割って入る、2017年注目の1台をテストライダーはどう評価するのだろうか。早速インプレッションに移ろう。



ー インプレッション

「エアロロードらしさを前面に押し出したフィーリング」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ)

その見た目通りエアロロードとしての個性を強く感じるバイクでした。とにかく真っ直ぐ進もうとする直進安定性と、スピードに乗ってからの高い巡航性が際立つ一台ですね。立ちの強いハンドリングにクセはあるものの、慣れていけばすんなり乗りこなせるようになると思います。

エアロフレーム特有の縦方向の硬さもそこまで無く、今回テストしたXSサイズはちょうど良い剛性感でした。路面からの振動もコツコツと感じる程度で、快適性も悪くないという印象です。BB周りの剛性もしっかりしていて、踏み込んだときのパワー伝達性は良かったですね。レースバイクだけあって多少の硬さは感じるものの、その目的を考えれば見合った硬さなのかなと思います。

「エアロロードらしさを前面に押し出したフィーリング」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ)「エアロロードらしさを前面に押し出したフィーリング」山本朋貴(ストラーダバイシクルズ)
乗り方としては、クルクル軽いギアを回すよりはドーンと重めのギアを踏んでいくのが合っていると感じました。漕ぎ出しの反応性には多少もたつきがあるものの、スピードに乗っていく際の加速や伸びは気持ちよいですね。ヒルクライムとなると少々厳しいかもしれませんが、ある程度の登りなら十分にこなせる性能はあると思います。

ハンドリングはエアロバイクらしく、フロントにヘビーさを感じますね。コーナリングでバイクを倒そうとした際に、立ち上がろうとする力が強く働いてきます。自然に切れ込んではくれないので、倒しこむきっかけを作る必要があります。同じようにダンシングでも、バイクが寝てくれずに振りにくさを感じるところではあります。

その辺がデメリットでもあるかもしれませんが、同時に乗りこなそうとする楽しさや操縦する楽しさが味わえるとも感じました。ニュートラルなバイクは何も考えずとも操れますが、このフレームは考えながら乗ってあげると、もっといろいろな側面を引き出せるのかなと思います。

バイクの性格を考えると、ホイールはディープリムのものを合わせたいですね。高速で伸びる感じがより強調されると思います。また、ダウンチューブにボリュームがあるため、横風の影響も多少受け易いですが、ハンドルが取られるほどではないと感じました。Team UKYOが実戦で使用していますが、プロユースマシンほどの過剰な硬さではなく、身体へのダメージも抑えられているので、ホビーレーサーも安心して使用できるでしょう。

クリテリウムやヒルクライムというよりは、ロードレース向きのバイクですね。比較的体重があってスプリンター系の走りをしたい人に合っているでしょう。登りはそれなりにこなしつつ、最後の平坦やスプリントで勝負するのにもってこいだと思いました。価格を考慮しても納得のクオリティーです。

「平坦が大好きな人にうってつけのエアロロード」佐藤淳(カミハギサイクル)

エアロロードらしく平坦向けな味付けが色濃く表れている1台でしたね。バイクがすんなり倒れてくれないため、コーナリングはあまり得意ではないかもしれませんが、その分真っ直ぐなコースでは、空力の良さを活かした高速巡航が武器になると思います。トライアスロン等でも問題なく使っていけるでしょう。

「平坦が大好きな人にうってつけのエアロロード」佐藤淳(カミハギサイクル)「平坦が大好きな人にうってつけのエアロロード」佐藤淳(カミハギサイクル) やはりシッティングで淡々と踏んでいく乗り方が合っていると思います。ゼロ発進も問題なく、そこから徐々にスピードに乗せていくのは素直に伸びてくれますね。ただ、急に大きな出力で踏んでみるとスピードのかかりが遅れてくる感覚がありました。速度維持に長けるものの、急激な速度変化への反応は少々もたつきがありそうです。

シッティングは問題ありませんが、エアロフレーム特有のダンシングのしにくさはありますね。その形状のためか、車体全体をひねる様な動作にはあまり強くない印象です。また、直進安定性が高く、バイクを振ろうとすると垂直方向に戻される感覚がありました。

一般的なロードバイクと比べると、重心位置が前にある感覚で、慣れないと手を離した時にふらつく感じがありました。滑らかな路面を走るのは問題ありませんが、ちょっと荒れた部分を走るとハンドルを取られますね。取られた方向にそのまま向かおうとする挙動を見せるため、自分で戻すアクションが必要になります。ハンドリングは特徴的なので、ある程度テクニックがあるライダー向けかもしれません。

単純な乗り心地自体はエアロフレームの中では良い方だと感じました。足への負担も気にならない剛性感で、乗っていて苦にならない快適性があるバイクではないでしょうか。エアロバイクではどうしても縦方向への突き上げが気になってしまいますが、このバイクではオールラウンド系のフレームと比較しても抑えられていると思います。

今回のテストでは、風の強いコンディションでしたが、横風に煽られてラインを乱すようなことはありませんでした。風に対してはよくできた扱いやすいエアロ形状で、横風の影響が強い海沿いやサーキットレースでも大いに効果を発揮してくれそうです。

緩い登りならその高いエアロ効果や巡航性を活かして問題なくこなせそうです。アップダウンのあるロードレースでもガンガン使っていけるでしょう。反面、ハンドリングにはコツがいるバイクで、クリテリウム等コーナリングが多いシーンでは多少使いづらいかもしれませんね。平坦かつテクニカルなコーナーが少ないコースで気持ちよくスピードを出したい人に向いている、ルーラーやトライアスリートにはぴったりな一台でしょう。

ガノー GENNIX A1ガノー GENNIX A1 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
ガノー GENNIX A1 フレームキット
フレーム:RTCC2カーボン、NVM2 MONOCOQUE TECHNOLOGY
フォーク:RTCC2フルカーボン
BB規格:386 EVOプレスフィットBB
サイズ:450、480、510、530
付属品:専用シートポスト
価格:298,000円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

山本朋貴(ストラーダバイシクルズ滋賀本店)山本朋貴(ストラーダバイシクルズ滋賀本店) 山本朋貴(ストラーダバイシクルズ滋賀本店)

滋賀県草津市にあるストラーダバイシクルズ滋賀本店の店長。2011、2012年の全日本マウンテンバイク選手権クロスカントリーマスタークラスチャンピオン。ストイックに自転車競技に取り組んできたが、ストラーダに入社後は、ビギナーライダーのライド初体験の笑顔に魅せられエントリーのお客様にバイクの楽しさを伝えることが楽しみ。最近はトライアスロンに挑戦中。

ストラーダバイシクルズ滋賀本店(CWレコメンドショップ)
ストラーダバイシクルズHP


佐藤淳(カミハギサイクル)佐藤淳(カミハギサイクル) 佐藤淳(カミハギサイクル FIT&RIDE STORE)

愛知県豊山町に店舗を構えるカミハギサイクルのスペシャライズド専門店「FIT&RIDE STORE」にて、メカニックから接客まで幅広く担当する。自転車にのめり込んだきっかけは何の気なしに購入したMTB。購入後すぐに3日間のツーリングで550kmを走り切ったことでその道に進んだロングライド派。常にビギナー目線での接客を心掛け、対話の中からお客様の本当に求めているものを探り、提案していくことを心がけている。

CWレコメンドショップページ(緑店)
CWレコメンドショップページ(小牧本店)

ウェア協力:Rapha

text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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