世界最大の自転車ショー「ユーロバイク」。次期新製品が明らかになると同時にバイク界の潮流がつかめる展示会でホットなニューモデルを探した。Part.5ではデローザ、コラテック、エディ・メルクス、ファブリック、ブルックス、カーボンTi、チャレンジの7ブランドをピックアップします(記事インデックスはこちらから)。



デローザ(イタリア)

水素燃料を用いたピニンファリーナのレーシングカー「H2 SPEED」をモチーフとした「SK PININFARINA H2 SPEED」水素燃料を用いたピニンファリーナのレーシングカー「H2 SPEED」をモチーフとした「SK PININFARINA H2 SPEED」 photo:Makoto.AYANO
こだわりの三層ペイントによるラグジュアリーモデル「SK PININFARINA LUXURY」のこだわりの三層ペイントによるラグジュアリーモデル「SK PININFARINA LUXURY」の photo:Makoto.AYANO「SK PININFARINA LUXURY」にはオレンジ/ブラック仕様も「SK PININFARINA LUXURY」にはオレンジ/ブラック仕様も photo:Makoto.AYANO


イタリアの老舗レーシングブランド「デローザ」は、ブランド初のエアロロード「SK PININFARINA」に登場した2種類のスペシャルカラーが話題となった。ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)がジロ・デ・イタリアより使用する「SK PININFARINA H2 SPEED」は、水素燃料を用いたピニンファリーナのレーシングカー「H2 SPEED」をオマージュしたカラーリングを纏う。

「SK PININFARINA LUXURY」は、こだわりの三層ペイントによるラグジュアリーモデルで、サテン地とポリッシュが織りなすコントラストが見る者を惹き付ける。販売は完成車で行われ、コンポーネントはカンパニョーロSUPERRECORD EPS V3、ホイールはピニンファリーナのロゴのみが添えられたカンパニョーロBORA ULTRA 80。サドルのトップカバーとバーテープは、フェラーリの内装に使われるものと同じ素材を使用しているのだとか。

SK PININFARINAのディスクブレーキ仕様SK PININFARINAのディスクブレーキ仕様 photo:Makoto.AYANO
IDOL DISCはスルーアクスル仕様へとアップデートされたIDOL DISCはスルーアクスル仕様へとアップデートされた photo:Makoto.AYANOKING XSは、パッチのような塗り分けがユニークな新グラフィックを採用KING XSは、パッチのような塗り分けがユニークな新グラフィックを採用 photo:Makoto.AYANO

デローザ伝統のチタンバイク「treduecinque」デローザ伝統のチタンバイク「treduecinque」 photo:Makoto.AYANO深いメタリックブルーが美しいNUOVO CLASSICO深いメタリックブルーが美しいNUOVO CLASSICO photo:Makoto.AYANO


また、「SK PININFARINA」にはディスクブレーキ仕様が追加。数年前よりラインアップされるIDOL Discは、前後のエンドがスルーアクスル対応へとアップデートされている。その他の継続モデルもカラーが施されており、どれもイタリアンブランドらしいハイセンスな仕上がりだ。



コラテック(ドイツ)

カーボンモデルの流れを汲んだフレーム設計により高性能化を果たしたアルミロード「CORONES」カーボンモデルの流れを汲んだフレーム設計により高性能化を果たしたアルミロード「CORONES」 photo:Makoto.AYANO
ジャーマンブランドのコラテックからは、新モデルが多数登場した。アルミの上位グレード「CORONES」はカーボンモデルの流れを汲んだフレーム設計となり、軽量化と高剛性化の一挙に達成。活況を呈しているハイグレードアルミロード戦線に名乗りを挙げた。

国内未展開のTTバイク「C-TIME」国内未展開のTTバイク「C-TIME」 photo:Makoto.AYANO
ロードのフラッグシップモデル「CCT EVO」ロードのフラッグシップモデル「CCT EVO」 photo:Makoto.AYANO双胴式のトップチューブが特徴的なMTBクロスカントリーバイク「SUPER BOW」双胴式のトップチューブが特徴的なMTBクロスカントリーバイク「SUPER BOW」 photo:Makoto.AYANO


写真はないがカーボン製のセカンドグレードの「R.T Carbon」もハイエンドモデルCCT EVOから多くのテクノロジーを受け継ぎフルモデルチェンジ。その他、国内では未展開のTTバイク「C-TIME」や、双胴式のトップチューブが特徴的なMTBクロスカントリーバイク「SUPER BOW」シリーズも展示されていた。



エディ・メルクス(ベルギー)

エディ・メルクスの新型フラッグシップロード「EM-525」エディ・メルクスの新型フラッグシップロード「EM-525」 photo:Makoto.AYANO
525が意味するのは、史上最強のロードレーサーことエディ・メルクス氏のプロ通算勝利数525が意味するのは、史上最強のロードレーサーことエディ・メルクス氏のプロ通算勝利数 photo:Makoto.AYANO数多あるロードバイクの中でも1、2を争う太さのヘッドチューブ数多あるロードバイクの中でも1、2を争う太さのヘッドチューブ photo:Makoto.AYANO


エディ・メルクスの注目は、4年ぶりとなる新型フラッグシップロード「EM-525」の登場だ。先代にあたる「EMX-525」を踏襲し、剛性を更に強化しつつ、エアロ性能や振動吸収性も高め、レーシング性能に磨きを掛けた。また、1モデルであらゆる用途に対応できるよう、2種類のジオメトリーと、ディスクブレーキとリムブレーキという2種類のブレーキ仕様を用意したことも特徴である。



ファブリック(イギリス)

ファブリックの次なるプロダクトはライトファブリックの次なるプロダクトはライト photo:Makoto.AYANO写真の「FL150」と「FL300」は前照灯として尾灯としても使えるバーサタイルなライトだ写真の「FL150」と「FL300」は前照灯として尾灯としても使えるバーサタイルなライトだ photo:Makoto.AYANO

金属素材の質感を活かした仕上げのハンディーツール金属素材の質感を活かした仕上げのハンディーツール photo:Makoto.AYANOポリッシュ仕上げが眩しいチェーンカッターポリッシュ仕上げが眩しいチェーンカッター photo:Makoto.AYANO


スタイリッシュなデザインと高い機能性を兼ね備えるサイクルパーツを展開する新興ブリティッシュブランドのファブリックは、ラインアップを順調に拡大中。前照灯として尾灯としても使えるバーサタイルなライト「FL」シリーズや、金属素材の質感を活かした仕上げのハンディーツールなどが登場した。

3Dプリンター製フルカーボンサドル「ALM ULTIMATE」には新色が追加された3Dプリンター製フルカーボンサドル「ALM ULTIMATE」には新色が追加された photo:Makoto.AYANOスタンダードサドル「Scoop」シリーズには女性用モデルが登場スタンダードサドル「Scoop」シリーズには女性用モデルが登場 photo:Makoto.AYANO

ボトルケージの機能を一体化した「Cageless Water bottle」ボトルケージの機能を一体化した「Cageless Water bottle」 photo:Makoto.AYANOボトルケージの機能を一体化したツール缶「TOOL KEG BOTTLE」ボトルケージの機能を一体化したツール缶「TOOL KEG BOTTLE」 photo:Makoto.AYANO


3Dプリンター製フルカーボンサドル「ALM ULTIMATE」や、スタンダードサドル「Scoop」シリーズには新色が追加。ボトルケージを一体化した「Cageless Water bottle」のツール缶バージョン「TOOL KEG BOTTLE」は、晴天の霹靂というべきアイデアプロダクトだ。



ブルックス(イギリス)

「Harrier」はコンペティショナルなフォルムを持つロードバイク用モデルで、カスクが製造を行う「Harrier」はコンペティショナルなフォルムを持つロードバイク用モデルで、カスクが製造を行う photo:Makoto.AYANO
金属製のバッジが輝く金属製のバッジが輝く photo:Makoto.AYANO街並みに溶け込むミニマムなデザインのライトユーザー向けモデル「Island」街並みに溶け込むミニマムなデザインのライトユーザー向けモデル「Island」 photo:Makoto.AYANO


同じイギリスでもファブリックとは対照的に、今年で創業150年の節目を迎えたブルックス。伝統的な革サドルが有名な同社だが、近年は多種多様なプロダクトを展開しており、今年はオリジナルデザインのヘルメットが2種類登場。「Harrier」はコンペティショナルなフォルムを持つロードバイク用モデルで、カスクが製造を行う。フィッティングシステムはカスクの代表モデルであるMOJITOと共通だ。「Island」は、街並みに溶け込むミニマムなデザインのライトユーザー向けモデルである。

トラディショナルな雰囲気を持つパニアバックトラディショナルな雰囲気を持つパニアバック photo:Makoto.AYANOブルックスの担当者によれば、バックパックはメインプロダクトの1つになっていくというブルックスの担当者によれば、バックパックはメインプロダクトの1つになっていくという photo:Makoto.AYANO


ヘルメット以外にもブース内では、ブルックスならではのトラディショナルな雰囲気を持つバックパックやパニアバック、CAMBIUMサドルから着想を得たバーテープなども展示されていた。



カーボンTi(イタリア)

カーボンTiの楕円チェーンリング「CarboCam」は、アウターで81gという強烈な軽さを誇るカーボンTiの楕円チェーンリング「CarboCam」は、アウターで81gという強烈な軽さを誇る photo:Makoto.AYANO
「ぶっ飛んだ」といっては失礼だが、見た目のインパクトも強烈な軽量パーツを展開するイタリアンブランドのカーボンTi。CW編集部が注目したのは「CarboCam」と名付けられたロード用楕円チェーンリングだ。アウターで比較すると、ローターの「Qarbo」が実測117gなのに対して、「CarboCam」はカーボン製のベースに金属製の歯を組み合わせることでは81gという強烈な軽さを実現している。



チャレンジ(イタリア)

シクロクロス用タイヤのラインアップには、砂地に特化した「DUNE」が登場シクロクロス用タイヤのラインアップには、砂地に特化した「DUNE」が登場 photo:Makoto.AYANO男女U23の世界選手権制覇を記念したアルカンシェル仕様のTEAM EDITION男女U23の世界選手権制覇を記念したアルカンシェル仕様のTEAM EDITION photo:Makoto.AYANO

需要が急速に伸びているというグラベルロード用タイヤ需要が急速に伸びているというグラベルロード用タイヤ photo:Makoto.AYANOMTB用タイヤのバリエーションも豊富だMTB用タイヤのバリエーションも豊富だ photo:Makoto.AYANO


イタリアンタイヤブランドのチャレンジは、同社の看板商品とも言うべきシクロクロス用とグラベルロード用のラインアップを拡大。シクロクロス用には、砂地に特化したトレッドパターンの「DUNE」や、世界選手権での男女U23制覇を記念したアルカンシェル仕様のTEAM EDITIONが登場した。



photo:Makoto.AYANO