登りスプリントで締めくくられたブエルタ第7ステージ。勝利したファンへネヒテンや安定感抜群の走りを見せたバルベルデ、落車したコンタドール、リタイアしたクヴィアトコウスキーらのコメントを紹介します。



ステージ優勝を飾ったヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)

シャンパンを開けるヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)シャンパンを開けるヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング) photo:Kei Tsuji
ステージ初勝利を飾ったヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)ステージ初勝利を飾ったヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング) photo:Kei Tsuji今日ステージ優勝できるとは夢にも思っていなかったので大きな驚きと喜びに包まれている。スプリンターのチャンスが少ないブエルタで、その貴重なチャンスを掴むことができた。序盤のステージでも勝負に絡んだけど届かず(第2ステージ5位)。今日は何としても集団から遅れるわけにはいかなかった。

最後の3級山岳では苦しんだもののペースを刻んでクリア。残り数キロは激しいポジション争いが繰り広げられた。(残り500mの)連続コーナーを抜けてフィニッシュラインまでの登りが始まった時点で、自分のポジションはパーフェクトだった。そこからは1秒も無駄にせず、持てるパワーをすべてペダルにぶつけた。

登りスプリントでバルベルデやジルベールといったビッグネームに立ち向かい、彼らに勝ったことがこの勝利の価値を高めている。間違いなくキャリア最大の勝利だ。

連日勝負に絡み、ステージ3位に入ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

連日勝負に絡み、ステージ3位に入ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)連日勝負に絡み、ステージ3位に入ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)bettini集団の中を走るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)集団の中を走るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) (c)www.lavuelta.com先頭でフィニッシュラインに向かうヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)先頭でフィニッシュラインに向かうヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング) photo:Kei Tsuji危険で難しい1日を安全に終えることができた。ステージ優勝を逃したことには失望していない。確かにステージ優勝を狙っていたけど、総合上位につけている今、落車を避けて今のポジションを守ることが優先事項だから。

最後はロハスに頼んでリードアウトしてもらった。彼のリードアウトは完璧だったので3位に入ることができた。大人しい平穏なステージに見えたかもしれないけど、アスタナのペースアップで厳しい展開になったし、レースの強度は高かった。素晴らしい走りを見せた同郷のサンチェスを讃えたい。

レース終盤の数キロはコンタドールのそばで走っていた。残り700mで彼がベンナーティに「スプリントを狙え」と言って下がると、それから姿が見えなくなった。彼の落車は見ていない。

登りスプリントで4位に入ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)

ステージ4位は好成績とは言えない。昨日の落車の影響はなかった。ただ自分の力が足りず、ステージ優勝に届かなかっただけ。でもまだステージ優勝のチャンスは残されている。具体的にどのステージが自分向きなのかチェックしていないけど、明日からは山岳ステージが連続するのでしばらくチャンスはないと思う。今日のようなステージで再び勝利を狙うよ。

ステージ7位に終わったジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)

本当にタフでハイスピードなフィナーレだった。(コンタドールの)落車の影響でブレーキングを強いられ、スピードを失ってしまった。そこから踏み直したけど、先頭のスプリント争いには加われなかった。脚の調子も良く、今日もステージ優勝を狙えると思っていただけに残念でならない。

明日からは山岳ステージの戦いが始まるので、チームメイトのアシストに専念する。チームとして活躍の場はこの先も多く残されている。

残り30km地点でアタックを仕掛けるダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)残り30km地点でアタックを仕掛けるダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji残り30kmでアタックしたダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)

思うような展開に持ち込めなかった。結果にはつながらなかったけど、チームとして存在感ある走りができたと思う。まずチーム全体で集団をペースアップして人数を絞り、そこからルイスレオン・サンチェスと一緒に飛び出す作戦を実行。強力な逃げを作ることができたけど、集団を振り切るには至らなかった。

残り500mで落車したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)

落車したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)がフィニッシュ落車したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)がフィニッシュ photo:Kei Tsuji
残り800mまで良いポジションをキープし、ベンナ(ベンナーティ)にスプリントを狙うよう告げて離脱。残り400mの左コーナーで左を走る選手が急ブレーキをかけて落車した。その選手に衝突されて落車してしまった。ふくらはぎを激しく打ってしまい、左半身の全体に擦過傷を負った。とても痛むけど骨折は免れたと思う。ここからホテルまで120km移動して、しっかりと休んで回復したい。明日の朝に改めて状況を見て判断したい。

落車の影響で勝負に絡めなかったファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

昨日のハードなステージの影響で疲労が残っていたけど、チームがフルサポートしてくれたので、彼らの働きに応えないわけにはいかなかった。落車したコンタドールの数人後ろを走っていたので、フルブレーキングして衝突を回避。落車は免れたものの、追突された影響でリアホイールが壊れてしまった。

毎日すべてが上手く行くわけじゃない。結果は出せなかったものの、何よりもチームの働きに感謝している。チームは互いに支え合い、モチベーションを高めあっている。チームメイトたちに感謝だ。

落車によってリタイアを強いられたレイン・ターラマエ(エストニア、カチューシャ)

何が起こったのか分からなかった。集団から脱落して単独で走っていると、気づいたら地面に横たわっていた。しばらくして、後ろからチームカーに衝突されたんだと分かった。バイクは粉々になったけど、幸い骨折は免れた。落車の後、チームカーを運転していた(コフィディスの)監督に謝られたよ。すべて彼の責任だと言っていた。

総合3位で激坂フィニッシュに挑むクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)総合3位で激坂フィニッシュに挑むクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) (c)CorVos総合3位で激坂フィニッシュに挑むクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

クヴィアトコウスキーのリタイアはチームにとって大きな損失。彼はここまで調子が良く、チームに馬力を加えてくれる存在だった。彼のリタイアを本当に残念に思うし、メンバーが1人減ったことは戦略に影響する。最後まで戦い抜く力がチームに残っていることを願う。

明日の激坂フィニッシュは2014年に経験済み。とにかくタフなフィニッシュなので、ポジションをキープしながら脚の状態を見ながら走りたい。コンディションは理想的な状態にあり、ここまでトラブルなく走れている。この数日のいわゆるトランスファーステージ(移動ステージ)はストレスフルだったので、再び山岳の戦いが始まることに安堵感を覚えている。

背中の痛みによりリタイアしたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)

昨日のステージを終えたところで背中の腰のあたりに痛みが走った。レース後には動くのもやっとの状態だった。この数日間サドルの股ずれに悩まされ、色んなポジションを試しながら走っていた影響かもしれない。今朝起きた段階で痛みは治まっておらず、レースの継続が困難な状態になった。クリス(フルーム)が成功に向けて良い位置につけている状況でのリタイアは無念だ。

新城幸也(ランプレ・メリダ)

第7ステージのスタートを迎えた別府史之(トレック・セガフレード)と新城幸也(ランプレ・メリダ)第7ステージのスタートを迎えた別府史之(トレック・セガフレード)と新城幸也(ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji
今日はいまいち体が動かず、普段なら残れそうな先頭集団にとどまることが出来なかった。こういう日もある。特にレースの感想はありません。

別府史之(トレック・セガフレード)

昨日とは打って変わって、6人の逃げはすぐに決まった。道も大きな通りだし、フィードゾーンまで向かい風基調だったので、今日の逃げはNo chanceな展開だった。

レース途中で突然チームメイトのボニファツィオがレースを降りた。昨日から調子が悪くて今日も彼のためのステージだったのに残念。体調不良は仕方がない。チームオーダーは連日2位、3位に入っているフェリーネでスプリント勝負することに急遽変更された。

ペースが一旦落ち着いたときに、強力なメンバーがアタック。集団は慌てガンガン追いつめて何とかフィニッシュ前まできた。その間、フェリーネのためにエティックスのジャニ(ジャンニ・メールスマン)の後ろに陣取り走っていた。無線からの情報だと残り2kmから道が一気の狭くなって、うねって登ってフィニッシュ。警戒して走っていると高速で曲がった先の橋で、アルベルト(・コンタドール)が落車。影響を受けて自分はスプリントも何もせずにフィニッシュまで走った感じ。

自分としてはコンディションも上がり調子だし、まだ疲れていない。でもまだまだ我慢が続きそう。明日はずっと平坦で最後が激坂山頂フィニッシュなので、多分お休みだけど、横風が強ければ動きたい

text&photo:Kei Tsuji in Benavente, Spain