リオ五輪のトラックレース4日目。男子スプリントの決勝が行われ、カラム・スキナーとのイギリス人対決を制したジェイソン・ケニーが連覇を達成した。ロードでお馴染みのライダーが多く出場する男子オムニアムは3種目が行われ、エリミネイションレースで窪木一茂が4位に入っている。



身体をぶつけながら競り合うジェイソン・ケニー(イギリス、左)とカラム・スキナー(イギリス、右)身体をぶつけながら競り合うジェイソン・ケニー(イギリス、左)とカラム・スキナー(イギリス、右) photo:Bettini
銅メダルは2連勝したデニス・ドミトリエフ(ロシア)が獲得銅メダルは2連勝したデニス・ドミトリエフ(ロシア)が獲得 photo:Watson/UCIロンドンに続く金メダルを獲得したジェイソン・ケニー(イギリス)ロンドンに続く金メダルを獲得したジェイソン・ケニー(イギリス) photo:Watson/UCI


2日間に渡る予選とトーナメントを経て、決勝を迎えた男子スプリント。金メダル争いに駒を進めたのは、ジェイソン・ケニーとカラム・スキナーの両名で、チームスプリント3連覇を達成したイギリスのチームメート対決となった(3レースで争われ、2勝した方が勝利となる)。

1回目は逃げるスキナーをフィニッシュ前で捉えたケニーが勝利。2回目は逃げるケニーが、スキナーの追撃を振りきって2勝目。ケニーが2大会連続の金メダルを、ケニーが銀メダルを獲得した。3位にはマシュー・グレッツァー(オーストラリア)に2連勝したデニス・ドミトリエフ(ロシア)が入っている。

陸上の10種競技のように、6種目での獲得ポイントを競うオムニアムは、この日男子の前半3種目が行われた。出場する18名の中には、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)など、ロードレースでも活躍するライダーの名前も。日本からは窪木一茂がエントリーしている。

男子オムニアム スクラッチで集団先頭に出る窪木一茂(日本)男子オムニアム スクラッチで集団先頭に出る窪木一茂(日本) photo:Bettini
1種目目は、トラック60周(=距離15km)を走って着順を争うスクラッチ。前回大会覇者のラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク)と、ロードではIAMサイクリングで走るロジェ・クルーゲ(ドイツ)が抜け出しラップに成功し、それぞれ1位と2位に。トマ・ブダ(フランス)とグレン・オシェア(オーストラリア)はラップすることはできなかったものの、集団を抜けだした状態でフィニッシュし、3位と4位に入った。窪木は集団中ほどの13位でスクラッチを終えた。

2種目目は、4kmの個人タイムトライアルで争われるパーシュート。オリンピック新記録となる4分14秒982を叩きだしたノーマンハンセンが1位で、2位はカヴェンディッシュ。窪木は18位に。

3種目目は、エリミネイションレース。2周毎のスプリント周回で一番最後にフィニッシュラインを通過した選手が1人ずつ降ろされ、最後まで残ったライダーが勝者となるこの種目で窪木が健闘する。ここまで2種目を上位で終えたノーマンハンセンやクルーゲが序盤に脱落していく中で窪木が粘り、カヴェンディッシュを上回る4位に。最後はブダをスプリントで下したヴィヴィアーニが1位を獲得した。

男子オムニアム パーシュートでオリンピック新記録を叩き出したラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク)男子オムニアム パーシュートでオリンピック新記録を叩き出したラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) photo:Watson/UCI男子オムニアム エリミネイションレースを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)男子オムニアム エリミネイションレースを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) photo:Bettini

男子オムニアム 3種目を終えて総合首位のトマ・ブダ(フランス)男子オムニアム 3種目を終えて総合首位のトマ・ブダ(フランス) photo:Bettini男子オムニアム 3種目を終えて総合3位につけるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)男子オムニアム 3種目を終えて総合3位につけるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス) photo:Watson/UCI


3種目を終えて106ポイントで男子オムニアム首位に立ったのは、ロードではディレクトエネルジーに所属し、ユーロップカー時代は新城幸也のチームメイトでもあったトマ・ブダ(フランス)。2ポイント差で2位にヴィヴィアーニ、10ポイント差で3位にカヴェンディッシュが続く展開だ。窪木は56ポイントで13位につけている。

トラックレース5日目は、男子オムニアムの後半3種目(タイムトライアル、フライングラップ、ポイントレース)や、塚越さくらが出場する女子オムニアムの前半3種目(スクラッチ、パーシュート、エリミネイションレース)などが行われる。



リオ五輪2016トラックレース4日目 主な結果

男子スプリント決勝
1位 ジェイソン・ケニー(イギリス)
2位 カラム・スキナー(イギリス)
3位 デニス・ドミトリエフ(ロシア)
4位 マシュー・グレッツァー(オーストラリア)

男子オムニアム
・スクラッチ
1位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク)
2位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ) 
3位 トマ・ブダ(フランス)
4位 グレン・オシェア(オーストラリア)
5位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア)
13位 窪木一茂(日本)

・パーシュート
1位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 4'14"982 オリンピック新記録     
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 4'16"878
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)   4'17"453
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ)       4'18"907
5位 トマ・ブダ(フランス)         4'19"918
18位 窪木一茂(日本)            4'39"889

・エリミネイションレース
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)       
2位 トマ・ブダ(フランス)
3位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア)
4位 窪木一茂(日本)
5位 アルチョーム・ザハロフ(カザフスタン)

・オムニアム総合成績(3種目終了後)
1位 トマ・ブダ(フランス)         106pts
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)   104pts
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 96pts
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ)       90pts
5位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア)  90pts
13位 窪木一茂(日本)            56pts

text:Yuya.Yamamoto
photo:Bettini, Watson/UCI

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