厳しい山岳ステージに重点が置かれた2010年のジロ・デ・イタリア。リクイガスのロベルト・アマディオ監督は「ペッリツォッティ向きのコースだ。彼がチームのキャプテンになるだろう」と語った。10月28日付けのガゼッタ紙が伝えた。

フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) photo:Kei.Tsujiモルティローロ峠やガヴィア峠、モンテ・ゾンコラン、プラン・デ・コロネスなど、名だたる難関山岳が多数登場する2010年ジロ・デ・イタリアのコース。リクイガスは2009年大会総合3位のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)がエースの座に就き、国内最大レースを闘う考えだ。

アマディオ監督はガゼッタ紙の中で「(バッソよりも)ペッリツォッティ向きのコースであり、ジロでは彼がエースを担うことになる。そしてツールでは総合狙いの選手のアシストを務める」とコメントした。

イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Kei Tsujiペッリツォッティは2008年ジロのプラン・デ・コロネス山岳個人タイムトライアルで優勝。今年のジロではレース中盤からエースの座を託され、頂上ゴールで優勝して総合3位でフィニッシュ。ツールではその登坂力を活かしてマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞ジャージ)を獲得した。

リクイガスには、ペッリツォッティの他にも、同じ31歳で2006年ジロ覇者のイヴァン・バッソ(イタリア)や、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)、ロマン・クロイツィゲル(チェコ)らが揃っている。

ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) photo:Cor Vos「2010年のジロはチームタイムトライアルがあるので、可能な限り強いメンバーを揃えて、ライバルチームからリードを稼がなければならない」。アマディオ監督は、エース級選手を多数揃えたアスタナチームがツールで猛威を振るったことを例に出し、ペッリツォッティ=バッソ=ニーバリのトリプルエースでジロに挑むことも示唆している。

その一方で、流動的なのがツールのメンバーだ。2009年ツール山岳賞のペッリツォッティに続き、バッソも久々のツール出場を視野に入れている。更には2009年ツール総合7位のニーバリや、2008年ツール・ド・スイス総合優勝のクロイツィゲルも揃う。アマディオ監督はこの4名と意見を交わし、グランツールに向けてじっくり作戦を練ることになりそうだ。

バッソはジャパンカップ後のインタビューで「まだ来シーズンについて語るのは時期尚早」と語りながらも「(ドーピングによる出場停止期間後の)2009年は、2010年に向けての準備段階だった。2010年こそが復活の年になる。ジロとツールに出場したい」と、来るシーズンに向けて意気込みを語っていた。

text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Cor Vos