7つもの山岳が待ち受けるブエルタ・ア・ブルゴス最終日。山頂フィニッシュを前に抜け出したセルジオ・パルディーリャがステージ優勝を挙げ、追走したアルベルト・コンタドールが1秒差で総合優勝を達成した。



7つのカテゴリー山岳が詰め込まれたブエルタ・ア・ブルゴス最終ステージ7つのカテゴリー山岳が詰め込まれたブエルタ・ア・ブルゴス最終ステージ (c)www.vueltaburgos.com


チームに守られて走るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)チームに守られて走るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) (c)www.vueltaburgos.comルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)が牽く追走グループルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)が牽く追走グループ (c)www.vueltaburgos.com逃げ切り優勝をつかんだセルジオ・パルディーリャ(スペイン、カハルーラル)逃げ切り優勝をつかんだセルジオ・パルディーリャ(スペイン、カハルーラル) (c)www.vueltaburgos.com1秒差で総合優勝に輝いたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)1秒差で総合優勝に輝いたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) (c)www.vueltaburgos.com最終ステージは今大会の最難関ステージ。カレルエガから163kmを走るブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.HC)第5ステージ中にはなんと3級、3級、2級、2級、1級、2級、超級と7つものカテゴリー山岳が盛り込まれ、最後は急勾配が待ち受けるタグナス・デ・ネイラの登りをこなし、頂上へとフィニッシュする。

この日は序盤からオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)を含む6名がエスケープを敢行し、フライレはチームメイトで山岳賞リーダーのレイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ)に代わって山岳ポイントを荒稼ぎし、大会終了時点での山岳賞獲得に成功してみせる。

残り30km付近でメイン集団が崩壊しつつあった逃げグループを視界に捉えると、フライレは逃げを続行し、集団からジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)がブリッジを仕掛けて合流。総合上位のブランビッラを逃すまいと、総合4位のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)とジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)もここにジョイン。やがてフライレが力尽きて遅れたが、残る3名は逃げ切りを目指して先行を続けた。

そして最後のタグナス・デ・ネイラと突入すると、チームスカイが先導するプロトンは最大50秒ほどあったタイム差を埋め戻し3名を吸収する。次いだルイス・マス(スペイン、カハルーラル)の攻撃も失敗に終わり、精鋭グループのみに絞られた状態で残り5kmを通過した。

攻撃の手を緩めないカハルーラルは次いでセルジオ・パルディーリャ(スペイン)を先行させ、残り2kmでタイム差を50秒にまで開いてみせる。一方でアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)ら取り残された追走グループ内には動きが掛からず、このままパルディーリャの逃げ切りと総合優勝が達成されるかと思われた。

そしてパルディーリャが残り1kmを切った50秒後ろで、ようやくベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)の加速を皮切りに争いが勃発。同調したコンタドールはヘルマンスを千切り、パルディーリャのガッツポーズから17秒遅れでフィニッシュ。総合タイムで僅か1秒を上回り、パルディーリャを下して優勝を決めてみせた。

「ツールからの回復を優先してあまりトレーニングせずにブルゴスへと参戦したが、今日のステージまでには幾つかプランを持つまでに体調が整うだろうと思っていた。そして僕はやり遂げたんだ。嬉しく思っているよ。ブルゴスは落車を繰り返してリタイアした2006年以来の参加で、家族に参加を伝えた時もあまり歓迎されなかった。でも参戦してみて、観客のみんなから素晴らしく暖かい応援を毎日のようにもらうことができて本当に良かった。今は素晴らしい気持ちに満ち溢れているよ」ブエルタ・ア・エスパーニャを目指す第38回大会覇者はそのように語っている。

またこの日、NIPPOヴィーニファンティーニの小林海は14分9秒遅れでフィニッシュし、総合78位で初のトップクラスレースを終えている。山本元喜は体調不良を押して走っていたものの、途中でレースを降りている。



ブエルタ・ア・ブルゴス2016第5ステージ結果
1位 セルジオ・パルディーリャ(スペイン、カハルーラル)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
3位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
4位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)
5位 イゴール・アントン(スペイン、ディメンションデータ)
6位 ペーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
7位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
10位 マトベイ・マムキン(ロシア、カチューシャ)
DNS 山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
3h13’34”
+17”
+22”
+24”
+31”
+34”
+43”
+1’00”
+1’03”
+1’16”



個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
2位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
3位 セルジオ・パルディーリャ(スペイン、カハルーラル)
4位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)
5位 ペーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
6位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
7位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
8位 マトベイ・マムキン(ロシア、カチューシャ)
9位 イゴール・アントン(スペイン、ディメンションデータ)
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
78位 小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ)
15h50’50”
+01”

+04”
+11”
+16”
+36”
+57”
+1’04”

+22’05”


ポイント賞
1位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ) 

山岳賞
1位 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)

ヤングライダー賞
1位 マトベイ・マムキン(ロシア、カチューシャ)

チーム総合成績
1位 モビスター

text:So.Isobe