スイスのBMCより、従来モデルを置き換える新型のエンデュランスロードバイク「Roadmachine」が登場。走り、快適さ、外観と全てを欲するユーザーのために生まれた次世代機だ。



BMC Roadmachine 01 Ultegra Di2(83万円)BMC Roadmachine 01 Ultegra Di2(83万円) photo:So.Isobe
世界屈指の戦力を誇るワールドツアーチームを所有し、そこからのフィードバックを生かした高性能バイクをリリースするBMC。ハイエンドのみならず、エントリーグレードのスモールパーツまで手を抜かない姿勢はメイドインスイスならではであり、多くのファンから愛されているブランドだ。

従来BMCのエンデュランスロードバイクと言えば、パリ〜ルーベを制するために生み出されたGFシリーズがその役を担ってきた。しかし一般ユーザーが「北のクラシック」ほどの悪路を高速で走ることは稀。そこでBMCは、GFシリーズ特有の高い柔軟性をやや落とし、よりSLRシリーズに近い軽快な走りを楽しめるモデルをリリースした。それが2017年モデルとして今回登場したRoadmachineシリーズである。

トップチューブに輝くスイス国旗。スイスエンジニアリングの象徴だトップチューブに輝くスイス国旗。スイスエンジニアリングの象徴だ 直線を多用したデザイン。振動吸収性とねじれ剛性のバランスを高める「TCC(tuned compliance concept)」を一から再設計している直線を多用したデザイン。振動吸収性とねじれ剛性のバランスを高める「TCC(tuned compliance concept)」を一から再設計している

反応性を高める、非常にコンパクトなリアバック反応性を高める、非常にコンパクトなリアバック 曲線を多用した、TMRシリーズにも共通するヘッドチューブのデザイン曲線を多用した、TMRシリーズにも共通するヘッドチューブのデザイン


BMCの強みの一つは独自の研究開発施設「Impec lab」を使ってインハウス開発を行うことができることであり、そのメリットを最大限に活かして生まれたというRoadmachineシリーズ。フラットマウントディスクブレーキ対応、前後12mmスルーアクスルという最先端の規格を盛り込みつつ、BMCならではの独自色を強く打ち出していることが特徴だ。

BMCならではのシートポスト下のデザインや、非常にコンパクトなリア三角、肩下から細くなるフロントフォークなどのフォルムはGFシリーズの特徴を受け継いだもの。フレームのデザインやカーボン積層を緻密にコントロールして振動吸収性とねじれ剛性のバランスを高める「TCC(tuned compliance concept)」を一から再設計し、新しいジオメトリーとの組み合わせによって、高バランスかつ快適なフレームが生み出されたという。

振動吸収性を更に高めるD型コンプライアンスシートポスト。クランプも内装される振動吸収性を更に高めるD型コンプライアンスシートポスト。クランプも内装される BMCのアイコンでもある、シートポスト下のデザインBMCのアイコンでもある、シートポスト下のデザイン

大きなボリュームを誇るダウンチューブ大きなボリュームを誇るダウンチューブ 油圧ディスクブレーキのオイルラインが露出するのはこの部分のみ。非常にスマートなルックスだ油圧ディスクブレーキのオイルラインが露出するのはこの部分のみ。非常にスマートなルックスだ


ラインナップ中最高峰モデルに当たる「Roadmachine 01」のフレーム重量は930g。SLR01とGF01の中間値であり、各剛性値に関してもバランスを重視した調整が行われている。

厳密にエアロを謳ったモデルではないが、流線型断面のフロントフォーク上部〜ヘッドチューブ周辺のデザインなどTMRシリーズに近いフォルムを各所に見て取れる。ブレーキのオイルラインとDi2ケーブルをフル内装する専用ステム(Roadmachine 01のみ。機械式変速用ワイヤーは外出し式)、ディスクブレーキのマウントを装着した際にフォークデザインが一体化するよう用意された切り欠き、振動吸収性を更に高めるD型コンプライアンスシートポストの内装式クランプ、一体式チェーン落ちガードなど、BMCのロードバイク史上最もインテグレートデザインが推し進められたモデルと言えよう。

ハンドル、ステム、フォーク連動型インテグレーション。トップカバーの高さは2種類が用意される(完成車の場合はオプション対応予定)ハンドル、ステム、フォーク連動型インテグレーション。トップカバーの高さは2種類が用意される(完成車の場合はオプション対応予定) 専用のICS 01インテグレートステム。ケーブル/オイルラインの取り込み口を裏側に設けている専用のICS 01インテグレートステム。ケーブル/オイルラインの取り込み口を裏側に設けている

ステムの構造を見る。上側を引っ掛け、下側でボルト止めするステムの構造を見る。上側を引っ掛け、下側でボルト止めする ヘッドチューブ内部にケーブル/オイルラインを通すためにコラム断面は長方形。強度低下を防ぐために硬質のフォームを注入しているヘッドチューブ内部にケーブル/オイルラインを通すためにコラム断面は長方形。強度低下を防ぐために硬質のフォームを注入している


一般的にハンドル周りに専用パーツを使う場合ポジショニングの範囲が狭まることがあるが、Roadmachineでは高さが異なる2種類のトップカバーを付属させる「デュアルスタックシステム」を使って解決する上、更にスペーサーを増減させることで細やかな調整が可能だ。高いトップカバーを使用するとGFシリーズ同等、低いトップカバーではSLRシリーズよりも微妙にアップライトなポジションとなる。専用ステムは90mm、100mm、110mm、120mm、130mmという5種類が用意される。

販売パッケージは「01」グレードのフレームに2種類の完成車(アルテグラDi2、アルテグラ)とフレームセットが用意されるほか、カーボンのグレードを下げた弟分「02」グレードのフレームには機械式アルテグラと105という2種類の完成車が、更にアルミフレームの末弟分モデル「03」には105とティアグラという2種類の完成車が用意される。「02」と「03」はフェンダーを取り付けできる台座が用意され、「03」は32cタイヤまで対応するクリアランスなど、マルチパーパスロードとしての意味合いがより強くなっている。

フラットマウント台座がスムーズに収まるように、フォーク側に凹みを設けているフラットマウント台座がスムーズに収まるように、フォーク側に凹みを設けている リアエンド幅は142mm、スルーアクスル径は前後共に12mmリアエンド幅は142mm、スルーアクスル径は前後共に12mm

BMC Roadmachine 01 Ultegra Di2完成車にセットされる、3T Discus C35 team StealthホイールBMC Roadmachine 01 Ultegra Di2完成車にセットされる、3T Discus C35 team Stealthホイール ディスクブレーキ専用の、オフセットしたカーボンリムディスクブレーキ専用の、オフセットしたカーボンリム


Roadmachineシリーズのデリバリーは早くも8月初頭から開始される予定で、取り扱いショップでは順次受注を開始しているという。取り扱いはフタバ商店。



BMC Roadmachineシリーズ スペック/販売パッケージ
Roadmachine 01
フレーム:iSCフルカーボン、TCC/angle、カーボンドロップアウト、BB86
フレーム重量:930g(54サイズ)
サイズ:47、51、54、56
フォーク:専用フルカーボンフォーク、ディスク専用、1-1/8、1-1/2
フォーク重量:390g
シートポスト:専用フルカーボンD型コンプライアンスポスト、15mmオフセット、160g
販売パッケージ:
アルテグラDi2+3T Discus C35 team Stealth, carbon(89万円)
アルテグラ+DTスイス R32 Spline db(64万円)
フレームセット(54万円)

Roadmachine 02
フレーム:iSCフルカーボン、TCC/angle、カーボンドロップアウト、BB86
フレーム重量:1100g(54サイズ)
サイズ:47、51、54、56
フォーク:専用フルカーボンフォーク、ディスク専用、1-1/8、1-1/2
フォーク重量:430g
シートポスト:専用フルカーボンD型コンプライアンスポスト、15mmオフセット、160g
販売パッケージ:
アルテグラ+DTスイス R32 Spline db(48万円)
105+ノヴァテック 30 SL(38.9万円)

Roadmachine 03
フレーム:Al-13トリプルバテッド、ハイドロフォームド、スムーズウェルドアルミ、TCC/アングルコンプライアンス、BB86
フレーム重量:1270g(54サイズ)
サイズ:47、51、54、56
フォーク:専用フルカーボンフォーク、ディスク専用、1-1/8、1-1/2
フォーク重量:420g
シートポスト:BMC RSP 03(27.2mm径)
販売パッケージ:
105+ノヴァテック 30 SL(38.9万円)
ティアグラ+ノヴァテック 30(25.8万円)

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