7月15日と16日の2日間に渡り、「3回JICFインターナショナルトラックカップ」が、長野県の松本市美鈴湖自転車競技場で開催された。オムニアムの模様を中心に、併催された全日本学生トラックレースシリーズ第3戦の結果と併せてレポートする。



2日目 朝から良く晴れた松本市美鈴湖自転車競技場2日目 朝から良く晴れた松本市美鈴湖自転車競技場 photo:Satoru.Kato


オムニアム スクラッチはサイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)が、逃げていた中村龍太郎(イナーメ信濃山形)を捉えて1着オムニアム スクラッチはサイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)が、逃げていた中村龍太郎(イナーメ信濃山形)を捉えて1着 photo:Satoru.Katoオムニアム エリミネイションは中村龍太郎(イナーメ信濃山形)と渡邊翔太郎(朝日大学)の勝負オムニアム エリミネイションは中村龍太郎(イナーメ信濃山形)と渡邊翔太郎(朝日大学)の勝負 photo:Satoru.Katoオムニアム 1㎞タイムトライアルとフライングラップでトップタイムを出した新村穣(CS Slinger)オムニアム 1㎞タイムトライアルとフライングラップでトップタイムを出した新村穣(CS Slinger) photo:Satoru.Kato日本学生自転車競技連盟が主催するJICFインターナショナルトラックカップは、UCIトラック国際大会2クラスの大会。会場となる松本市美鈴湖自転車競技場で始めて開催される国際大会となった。

種目は、スプリント、チームスプリント、1kmタイムトライアル、ケイリン、マディソン、オムニアムの6種目。オムニアムは、スクラッチ、個人追抜き、エリミネイション、1kmタイムトライアル、フライングタイムトライアル、ポイントレースの6種目で争う。前週に伊豆ベロドロームで開催された「ジャパントラックカップ」に出場した外国人選手や男子エリートの選手も出場した。

オムニアム 橋本英也が優勝

初日はスクラッチ、4km個人追抜き、エリミネイションの3種目が行われた。スクラッチで2位、4km個人追抜きで3位、エリミネイションで1位になった中村龍太郎(イナーメ信濃山形)が、114点で総合首位。4点差の総合2位に、4km個人追抜きとエリミネイションで2位に入った渡邊翔太郎(朝日大学)。10点差の3位に、4km個人追抜きで1位、スクラッチで3位に入った橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト)が続く。

2日目は、1kmタイムトライアル、フライングラップ、ポイントレースの3種目。1kmタイムトライアルでは渡邊が3位、フライングラップでは橋本が2位に入る。総合順位は中村178点、渡邊と橋本が共に174点で並び、最終種目のポイントレースへ。

「調子が全く良くないので、ポイントレースで逆転する事を今回の課題としました」と言う橋本が、序盤から1位通過を重ね、後半にはラップポイントを加算。さらに終盤にも単独で逃げて1位通過を重ね、61pを獲得して圧勝。逆転で総合優勝も勝ち取った。



オムニアム 個人追抜きでトップタイムを出した橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト)オムニアム 個人追抜きでトップタイムを出した橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト) photo:Satoru.Kato
オムニアム・ポイントレース レース前半に飛び出した橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト)がポイントを稼いでいくオムニアム・ポイントレース レース前半に飛び出した橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト)がポイントを稼いでいく photo:Satoru.Katoオムニアム ポイントレースで逆転総合優勝を決めた橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト)オムニアム ポイントレースで逆転総合優勝を決めた橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト) photo:Satoru.Kato



スプリント決勝 ルイス・オリヴァ(イギリス)がサイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)を下すスプリント決勝 ルイス・オリヴァ(イギリス)がサイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)を下す photo:Satoru.Kato1kmタイムトライアル優勝 宮本隼輔(中央大学)1kmタイムトライアル優勝 宮本隼輔(中央大学) photo:Satoru.Kato橋本は3月のトラック世界選手権のレース中に落車して負傷。その後回復してきているが、好調時に比べるとまだまだの状態だと言う。「ここからスタートとして、次の目標に向けてやっていきたいと思っています。今日の方が先週(ジャパントラックカップ)よりも走れているので、感覚も自信も戻ってきています。やはりレースは最高の練習だという事を実感しています。」と、トラックレース連戦の手応えを語った。

スプリント、ケイリンでは外国人選手が強さを見せる

スプリントの予選の200mタイムトライアルで、ルイス・オリヴァ(イギリス)が、トラックレコードとなる9秒918で予選首位通過。その後も順調に勝ち上がり、決勝まで1本も落とす事なく優勝してみせた。

ケイリンには、ロンドンオリンピック銅メダリストのサイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)が出場。実績に違わぬ強さを見せて優勝した。3位に宮本隼輔(中央大学)が入る健闘を見せた。マディソンでは、序盤から飛び出した早稲田大学チームと法政大学チームの争いとなり、早稲田大学チームが優勝した。



ケイリン ロンドンオリンピック銅メダリストのサイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)が優勝ケイリン ロンドンオリンピック銅メダリストのサイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)が優勝 photo:Satoru.Kato
オムニアム 表彰オムニアム 表彰 photo:Satoru.Katoケイリン 表彰ケイリン 表彰 photo:Satoru.Kato

1kmタイムトライアル 表彰1kmタイムトライアル 表彰 photo:Satoru.Kato女子ポイントレース 表彰女子ポイントレース 表彰 photo:Satoru.Kato




結果
オムニアム

1位 橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト) 255p
2位 渡邊翔太郎(朝日大学) 220p
3位 中村龍太郎(イナーメ信濃山形) 198p

スプリント
1位 ルイス・オリヴァ(イギリス)
2位 サイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド)
3位 クィーシー・ブラウン(トリニダード・トバゴ)

ケイリン
1位 サイモン・バンベルトーヘン(ニュージーランド) 10秒50
2位 クィーシー・ブラウン(トリニダード・トバゴ)
3位 宮本隼輔(中央大学)

1㎞タイムトライアル
1位 宮本隼輔(中央大学) 1分6秒572
2位 小峰 烈(B-soul) 1分7秒651
3位 曽我圭佑(明治大学) 1分9秒343

マディソン

1位 早稲田大学(伊藤・孫崎) 17p
2位 法政大学(渡部・鈴木) 16p
3位 イナーメ信濃山形(中村・北澤) 8p

チームスプリント
1位 オリヴァ・バンベルトーヘン・ブラウン組 1分2秒075

女子 ポイントレース
1位 西島叶子(鹿屋体育大学) 21p
2位 高田奈生(鹿屋体育大学) 9p
3位 八木 梓(愛媛大学) 9p



全日本学生トラックレースシリーズ
男子200mフライングタイムトライアル
1日目

1位 相馬義宗(朝日大学) 10秒560
2位 梶原大地(中央大学) 10秒850
3位 長谷部龍一(朝日大学) 10秒970

2日目
1位 鈴木隼輔(東北学院大学) 10秒703
2位 松本一志(日本大学) 11秒086
3位 緑川裕也(日本大学) 11秒116

男子1㎞タイムトライアル
1日目
1位 小原佑太(朝日大学) 1分4秒195
2位 橋本壮史(中央大学) 1分5秒563
3位 佐々木真吾(朝日大学) 1分7秒122

2日目
1位 坂井 洋(日本大学) 1分5秒589
2位 森口寛己(日本大学 1分8秒201
3位 田村佳大(日本大学) 1分8秒139

男子4㎞個人追抜き
1日目

1位 永田吏玖(朝日大学) 4分54秒105
2位 高原渓人(朝日大学) 5分0秒061
3位 増田遼馬(信州大学) 5分14秒557

2日目
1位 渡部将太(法政大学) 4分47秒197
2位 伊藤大地(東北学院大学) 4分54秒707
3位 佐藤大紀(中京大学) 5分1秒809

男子 タンデム333mフライングタイムトライアル
1位 朝日大学(畝木・栗山) 17秒605
2位 日本大学B(緑川・照井) 18秒040
3位 日本大学A(磯川・田村) 18秒705

男子 4㎞団体追抜き
1位 朝日大A(中村・佐々木・栗山・永田) 4分27秒759
2位 朝日大B(安達・高原・成貞・岡本) 4分38秒267
3位 立教大(関谷・大塚・澤部・橘田) 4分44秒675

男子 チームスプリント
1位 日本大学(緑川・松本・大澤) 1分5秒281
2位 朝日大A(畝木・長谷部・岡崎) 1分5秒934
3位 朝日大B(中川・中村・平田) 1分6秒378

ポイントレース
クラス1

1位 中村賢人(朝日大学) 26p
2位 渡部将太(法政大学) 22p
3位 森口寛己(日本大学) 19p

クラス2

1位 永田吏玖(朝日大学) 12p
2位 成貞琳平(朝日大学) 10p
3位 吉川 澄(朝日大学) 2p

クラス3
1位 山田 颯(明星大学) 25p
2位 逸見帆志(慶応義塾大学) 8p 
3位 平山大生(東京大学) 8p

ケイリン
1位 小原佑太(朝日大学) 10秒89
2位 上野恭哉(法政大学)
3位 鈴木隼輔(東北学院大学)

女子 200mフライングタイムトライアル
1位 高田奈生(鹿屋体育大学) 12秒247

女子 500mタイムトライアル
1位 西島叶子(鹿屋体育大学) 38秒508
2位 内村風羽香(鹿屋体育大学) 38秒638
3位 高田奈生(鹿屋体育大学) 38秒679

女子 3km個人追抜き
1位 宮田菜摘(朝日大学) 4分6秒390
2位 八木 梓(愛媛大学) 4分22秒307

女子 チームスプリント
1位 鹿屋体育大学(高田・西島) 49秒842


text&photo:Satoru.kato