7日間のツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)が開幕。ゴール前でアタックしたダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)がキャリア初のワールドツアー勝利を挙げた。



小雨の中、ツール・ド・ポローニュが開幕小雨の中、ツール・ド・ポローニュが開幕 photo:tourdepologne.plヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)ら6名の逃げヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)ら6名の逃げ photo:tourdepologne.plカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)が集団前方に位置取るカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)が集団前方に位置取る photo:tourdepologne.plゴールを目指すダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)ゴールを目指すダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:CorVosドイツ、チェコ、スロバキア、ウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、ロシアと国境を接する国ポーランド。同国最大のロードレースであり、1928年に第1回大会が開催されたツール・ド・ポローニュが開幕した。その歴史はグランツール最終戦ブエルタ・ア・エスパーニャ(1935年〜)よりも長い。2005年からUCIプロツアー(現UCIワールドツアー)に組み込まれているステージレースだ。

毎年ジロ・デ・イタリアやブエルタを見据えツール・ド・フランスを見送ったメンバーが集うことでも知られ、昨年大会ではヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)が最終個人TTで、それまで首位に立っていたセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)を逆転して総合優勝に輝いた

1週間の会期中には超級山岳こそ含まれないが、長短を含めた登りフィニッシュが3つ用意されているため、スプリント力のある総合系選手やパンチャーにも等しく総合優勝のチャンスがある。ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)、やペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)、ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)と過去の優勝者リストの顔ぶれも様々だ。

今年はボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール)、ライダー・ヘシェダル(カナダ、トレック・セガフレード)、ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)といった総合勢、ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)らクラシックハンターが集結。日本からは別府史之(トレック・セガフレード)が3年連続となる出場し、計200名の選手が顔を揃えた。

ポーランドの首都ワルシャワを目指すコースは短めの138km。スタート地点からワルシャワ市内に入ると、2つのループを組み合わせた1周13.8kmの八の字コースを8周回し、最後は緩い登りを経てゴールに飛び込むスプリントコースだ。

この日は序盤から、ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)を含む6名の逃げグループが先行したが、距離が短いこともあって3分以上のタイム差を得ることはできず。フェルナンド・ガヴィリア(コロンビア)での勝利を狙うエティックス・クイックステップや、カチューシャ、オリカ・バイクエクスチェンジらが率いる集団が終盤に余裕を持って吸収した。



ワールドツアー初勝利を飾ったダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)ワールドツアー初勝利を飾ったダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:CorVos


リーダージャージを纏うダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)リーダージャージを纏うダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:tourdepologne.pl最終盤になるとクヴィアトコウスキーのアタックを皮切りに、スティバルやジルベールも相次いで攻撃を仕掛けたため、集団は集団スプリントの体制を崩してしまう。しかしどれも決定打を欠く中、不意を突いてマルティネッリがダッシュ。スプリンターやアタッカーが一瞬牽制したことで得た10mほどのリードは最後まで失われず、そのままマルティネッリが先着。2位には集団の頭を獲ったガヴィリアが入り、エティックス・クイックステップはステージワンツーを達成した。

「肩越しに2度振り返った時、十分なリードを得ていることに気づいた。勝てると分かったよ。初のワールドツアー勝利を飾れたなんて素晴らしい思い出になった」と語るマルティネッリは、今年チームに加入した23歳のネオプロ。父に現在アスタナで監督を務める名選手、ジュゼッペ・マルティネッリ氏を持つサラブレッドで、活躍に大きく期待が持たれていた。



ツール・ド・ポローニュ2016第1ステージ結果
1位 ダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)   3h01’10”
2位 フェルナンド・ガヴィリア(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
3位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
4位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)
5位 モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
7位 ケヴィン・レザ(フランス、FDJ)
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
9位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
10位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)

個人総合成績
1位 ダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
2位 フェルナンド・ガヴィリア(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
3位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
4位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)
5位 モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
7位 ケヴィン・レザ(フランス、FDJ)
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
9位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
10位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3h01’00”
+04”
+06”
+10”








ポイント賞
1位 ダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)

山岳賞
1位 ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)

チーム総合成績
1位 エティックス・クイックステップ

text:So.Isobe

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