超級山岳モルティローロを駆け上がるクイーンステージ。登りで抜け出したマーラ・アボットが落車でリードを失いながらもマリアローザを獲得。與那嶺恵理と萩原麻由子のコメントと合わせてレポート。



独走でフィニッシュするマーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ) 独走でフィニッシュするマーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ)  photo:CorVos


スタート前の與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント) スタート前の與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)  photo:Hiroyuki.Azumaモルティローロを登る萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)  モルティローロを登る萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)   photo:Sonoko.Tanaka3人でフィニッシュに戻ってきた與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント) 3人でフィニッシュに戻ってきた與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)  photo:Hiroyuki.Azumaマリアローザを獲得したマーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ) マリアローザを獲得したマーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ)  photo:Sonoko.Tanakaイタリアで開催中のジロ・ローザは6日目を迎え、いよいよクイーンステージへと直面。この日の走行距離自体は80km弱と短いものの、中盤からは登坂距離12.4km、平均勾配10.48%、最大勾配18%という超級山岳モルティローロを登り、ダウンヒルをこなした先にフィニッシュが設けられている。予想通り総合争いが大きく動いた。

果たしてモルティローロでは「麓から全開で踏んでいった」というマーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ)が独走態勢を築き、頂上では後続に5分差を付けてみせる。下りでの落車でペースを落とし、後続に37秒差に詰め寄られながらも先着。イヴリン・スティーブンス(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)からマリアローザを奪い取り、2010年、2013年に続く3度目の大会制覇に向けて大きく前進した。ウィグル・ハイファイブにとっては今大会3つ目のステージ優勝だ。

萩原は「今日も大きなタイム差でゴールしましたが、頂上付近までは良いテンポで登ることができました。頂上付近と頂上の尾根、下りで大失速し、随分離れてゴールしましたが、数字には全く残っていませんが、毎日のレースで働くなかで、調子が戻りつつあることを実感できています。自身としてもチームがマリアローザを持つのは初めての経験となります。明日からがリアルレースの幕開けとなるので、心身共にしっかり準備して臨みます!」とコメント。

また全日本王者の與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)はモルティローロの登りで遅れ、およそ9分差の28位でフィニッシュ。自身のFacebookで以下のようにコメントしている。

「今日は上り口で良いポジションで入って、あとはどこまで耐えることができるか、トップがどれくらいのスピードで上っていくのかを見ることを目標にしてスタートしました。

チームメイトのスコッティと前での位置どりをキープして、コーナーで空いた隙間に入っては少しずつ前に上り、上り口では伸びきった集団の15番目付近で入ることができました。初めてこの目でレースの重要なパートで前で何が起こっているのか、どうすればここに自分が居られるのか、を感じることができました。

13km平均勾配10%の上り始めで位置どりでこんな脚を使うんですか?!っていうようなスピード。それでもつけるところまでついて前で何が起こっているのかを見たかったので躊躇はしませんでした。

という訳で、先頭集団はものすごいスピードで上り続け、私は上って1kmほどで千切れました。これが今の私の実力。トップとの差は大きいですが、苦手なことに挑戦して、最後まで諦めずに一つでも前のパックでゴールしようと気持ちを切らさずに走れたステージだった。日に日にレースの流れを感じながら、ポジションが上手くできていることが自分の中でとても大きな収穫です!」(與那嶺恵理公式Facebookページより抜粋)



ジロ・ローザ2016第5ステージ結果
1位 マーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ)       2h40’23”
2位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)     +37”
3位 タチアナ・グデルゾ(イタリア、ハイテックプロダクツ)
4位 メーガン・グアルニエ(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)
5位 クラウディア・リヒテンベルグ(ドイツ、ロット・ソウダル)
28位 與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)         +9’11”
33位 萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)                +12’49”

個人総合成績
1位 マーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ)
2位 メーガン・グアルニエ(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)
3位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)
4位 クラウディア・リヒテンベルグ(ドイツ、ロット・ソウダル)
5位 タチアナ・グデルゾ(イタリア、ハイテックプロダクツ)
22位 與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)
54位 萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)
13h02’52”
+10”
+15”
+33”
+38”
+11’53”
+21’30”


text:So.Isobe
photo:CorVos