スキーリゾートとして有名なレ・ジェでクリテリウム・ドゥ・ドーフィネが開幕。マイヨジョーヌ候補が勢ぞろいする中、平均勾配9.7%の急登坂を最速で駆け上がったのはアルベルト・コンタドールだった。



ダンシングを多用したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)がトップタイムダンシングを多用したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)がトップタイム photo:Bettini


ステージ2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)ステージ2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:CorVosステージ3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ステージ3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:CorVosステージ4位、ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)ステージ4位、ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) photo:Bettiniファビオ・アル(イタリア、アスタナ)は1分以上遅れるファビオ・アル(イタリア、アスタナ)は1分以上遅れる photo:Bettini157位でレースを終えた別府史之(トレック・セガフレード)157位でレースを終えた別府史之(トレック・セガフレード) photo:CorVosジロ・デ・イタリアを終え、いよいよプロトンは次なるグランツールに向けて動きだした。1か月先のツール・ド・フランスの前哨戦として位置付けられるクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)の開幕地は、スキーリゾートとして有名な、スイス国境に近い山間の町レ・ジェ。4kmの1級山岳モンシェリーを駆け上がる登坂プロローグがいきなり総合優勝候補を選り分ける。

つづら折れが続くモンシェリーの平均勾配は9.7%で、後半は15%ほどの急勾配が続くタフなコース。トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が「こんなプロローグはロードレースではなくサーカス」と不満を漏らすこの急登坂では、序盤にスタートしたジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)が、最終的に5位に入る好走で暫定トップに付けた。

その後にスタートしたティボー・ピノ(FDJ)やロメン・バルデ(AG2Rラモンディアール)らフランス勢はまずまずの滑り出し。そして60番台と早めのスタートを切った優勝候補筆頭クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がアラフィリップを11秒上回るトップタイムをマークした。

「長らくレースから離れていたけれど、この結果には満足している」と振り返るフルームは長らくホットシートを維持したが、最後から3番目、2番目にスタートしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)とリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が持ち前の登坂力を見せつけることになる。

ツール初出場を予定しているファビオ・アル(イタリア、アスタナ)が失速する一方、「20%超え区間の前にペースを上げておく必要があった」と言うコンタドールはフルームを13秒上回ってフィニッシュ。続いたポートもフルームを7秒上回ったが、コンタドールには6秒届かない。フルーム、ポート、コンタドールという三強の登坂対決はコンタドールに軍配が上がった。

「良い結果を出せるとは予想していたけれど、スピードは遅かったし、心拍もクレイジーなほど高い数値が出ていたのでステージ優勝に届くかは分からなかった」と振り返るコンタドール。「チームスカイは総合力が高く、今日の差も大きくない。この先も難しいステージが続くので注意深く動く必要がある」と慎重だ。

好調な滑り出しを見せたポートは「今日はリラックスしてスタートできた。全選手が全力で走ったステージだけに自分の結果に満足しているよ。レース後は立つことができないほどに追い込んだ。」と語っている。

またこの日、序盤にスタートを切った別府史之(トレック・セガフレード)は3分11秒遅れの157位でフィニッシュ。チームリーダーのバウク・モレマ(オランダ)は48秒遅れのステージ15位に入っている。



クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2016プロローグ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)
5位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
6位 ワウト・ポエルス(オランダ、チームスカイ)
7位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)
10位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
157位 別府史之(トレック・セガフレード)
11’36”
+06”
+13”
+21”
+24”
+25”
+29”
+31”
+37”
+39”
+3’11”


個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)
5位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
6位 ワウト・ポエルス(オランダ、チームスカイ)
7位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)
10位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
11’36”
+06”
+13”
+21”
+24”
+25”
+29”
+31”
+37”
+39”


ポイント賞
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)

山岳賞
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)

ヤングライダー賞
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)

チーム総合成績
1位 チームスカイ

text:So.Isobe
photo:CorVos,Bettini


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