カーボンを駆使した超軽量パーツを展開するジャーマンブランド、THM-Carbones。アームからアクスルまでのほぼ全てをカーボン製とすることで293gという驚異の軽量性を実現しながら、プロユースにも耐えうる剛性を兼ね備えた新型ロード用クランク「Clavicula SE」を紹介する。



THM-Carbonesより登場した「Clavicula SE」は、剛性を確保しながらも軽量化を追求した新型のロードカーボンクランク。キャニオンやメリダといった複数のバイクメーカーが超軽量コンプリートバイクに採用するスペシャルパーツだ。その特徴は、「スパイダーアーム」と「アクスルと左クランクアームの嵌合部」の2箇所にある。

THM-Carbones Clavicula SE(チェーンリングは別売)THM-Carbones Clavicula SE(チェーンリングは別売) (c)thm-carbones.de
スパイダー部は、5つあるアームの内の3つに大胆な肉抜きを施すことで、徹底的に無駄な部位を排除。同時に、力学的なコンピューター解析の結果に基づき、肉抜きされたスパイダーアームを可能な限り幅広にすることで剛性を確保し、駆動ロスを抑えている。

カーボン製アクスルと左クランクアームの嵌合部は、特許取得技術を用いて強度を確保することで、これまでのTHM-Carbones製カーボンクランクに採用されてきた金属製のインサートを排除し軽量化。同時に音なりの可能性や摩耗を最小限に抑えているという。

アームからシャフトまで全てがカーボン製とされているアームからシャフトまで全てがカーボン製とされている (c)thm-carbones.deアクスルもカーボン製とし、高剛性化と軽量化の両立を図ったアクスルもカーボン製とし、高剛性化と軽量化の両立を図った (c)トライスポーツ

金属製インサートを排除した、アクスルの嵌合部金属製インサートを排除した、アクスルの嵌合部 (c)トライスポーツ左クランクアームの嵌合部もカーボン製とされている左クランクアームの嵌合部もカーボン製とされている (c)トライスポーツ


もちろん、カーボンの素材自体にもこだわっており、詳細は明かされていないものの極めて高品質なものを採用しているという。ユニディレクショナルカーボンを使用する他社のカーボンクランクとは異なり、網目の細かなクロスでフィニッシュされている。

様々なメーカーのクランクとの比較desc様々なメーカーのクランクとの比較desc これらの徹底的な造りこみにより、コンポーネント各社の純正クランクと同様の剛性をマークしながらも、他社製品との比較で200g以上の軽量化に成功。極めて優れた剛性重量比を実現している。

対応するチェーンリングはオーソドックスな5ピン仕様のもので、PCDは130mmと110mmの2種類で展開される。クランクアーム単体重量は130mmPCD仕様で302g、110mmPCD仕様で293g。チェーンリングは別売とされているものの、プラクシスワークス製チェーンリングが推奨されている。

Qファクターとチェーンラインはそれぞれ148mmと43.5mm。専用BBを用いることでBB30、PF30、BB86、BB386EVO、BBright、68mmJIS、70mmITAといった各種規格に対応する。システムウェイト(ライダー+自転車+荷物)は120kgが上限とされている。取り扱いはトライスポーツ。



THM-Carbones Clavicula SE(チェーンリング別売)
素 材:カーボン
クランク長:170mm、172.5mm、175mm
PCD:130mm、110mm
対応BB:68mmJIS、70mmITA、BB30、PF3、BB86、BB386EVO、BBright
Qファクター:148mm
チェーンライン:43.5mm
クランクアーム単体重量(PCD):302g(130mm)/ 293g(110mm)
重量制限:120kg(ライダー+自転車+荷物)
チェーンリング:別売(プラクシスワークスとの組み合わせを推奨)
価 格:178,000円(税別)
※フレームへの取り付けには別途専用BBが必要