スペイン北部のカスティーリャ・イ・レオン州で開催された3日間のステージレース。ステージ2勝のアレハンドロ・バルベルデが総合優勝し、モビスターはカルロスアルベルト・ベタンクールの勝利と合わせてレースを完全に掌握してみせた。



第1ステージ 集団をコントロールするモビスター第1ステージ 集団をコントロールするモビスター photo:www.vueltacastillayleon.es/第1ステージ マッチスプリントを制したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)第1ステージ マッチスプリントを制したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) photo:www.vueltacastillayleon.es/第2ステージ アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)第2ステージ アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) photo:www.vueltacastillayleon.es/1985年に初開催され、今年で開催31回目を迎えるブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオンは、その名の通り、スペイン北部のカスティーリャ・イ・レオン州を舞台にしたステージレースだ。2011年までは5日間開催だったものの、翌年から3日間に縮小されている。

第2ステージ 市街地の激坂区間も登場した第2ステージ 市街地の激坂区間も登場した photo:www.vueltacastillayleon.es/UCI2.1クラスのブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン。スペインチームを筆頭に15チームがエントリーした中で、UCIワールドチームはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア)、ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、モビスター)、ホセホアキン・ロハス(スペイン)らを揃えたモビスター1チーム。

オープニングステージは歴史あるアルカニセスの街をスタートし、大きな周回コースを辿って緩やかな登りゴールへと至る166km。冷たい雨に濡れたこの日、勝負はゴールまで距離を残した段階で抜け出したベタンクールとペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)の二人に委ねられ、先に仕掛けたベタンクールが先着。モビスターは幸先良くリーダージャージを手に駒を動かした。

山岳地方を進み、ゴール直前に2級山岳フェルモセッレが登場する第2ステージでは、吹き荒れる強風がレースを大きく動かした。逃げを追うメイン集団ではモビスターが組織だったペースアップを敢行したため、大幅に人数が削られる事態に。逃げを飲み込むとフェルモセッレの麓からバルベルデが攻撃を仕掛け、見る間に50秒以上のリードを稼ぎ出してフィニッシュ。前日の遅れを取り返し総合2位にジャンプアップしたため、モビスターは総合ワンツーと盤石の布陣を敷いてみせる。

そして1級山岳アルト・デ・プラタフォルマへとゴールする最終ステージ。カハルーラルとモビスターが争いながら登坂へと到達し、ハイペースに総合リーダーのベタンクールが脱落してしまう。しかし落ち着いて集団内で走り勝機を伺っていたバルベルデがゴール手前で加速。伸びやかなスプリントでライバルを圧倒し、同時に個人総合優勝も達成。終わってみれば、ステージ3勝と個人総合優勝とモビスターが圧倒的な強さを見せつけるレースとなった。

「これ以上望めない最高の結果でレースを終えることができた。楽しみにしているジロ・デ・イタリアを前にした、チームとして最高の前哨戦ともなった。全スケジュールを通してサポートし尽くしてくれたチームメイトに感謝したい」とは、リーダージャージに袖を通したバルベルデ。

「最後の山岳ではアタックが無数に掛かっていたので、一定の高速ペースで集団を牽くことで攻撃を防ぎつつ、ベタンクールをサポートすることが第一目標だった。でも彼が遅れてしまったので、自分のチャンスを狙うことにした。最後はブランダオらカハルーラル勢を相手にうまく位置取りができ、スプリントに持ち込むことができたんだ。今からはフレーシュとリエージュに集中する。勝てるかって?それはレースになってみないとわからない。レースの相手も今週とは全く違う。毎年楽しみにしているアルデンヌクラシックだけれど、最大の目標はシーズン序盤最大の目標であるジロのために、安全に走り切り調子を上げることにある」と、次戦に向けて意気込みを語った。



第2ステージ 山岳で独走したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が1勝目第2ステージ 山岳で独走したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が1勝目 photo:www.vueltacastillayleon.es/第3ステージ スプリントで圧勝したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)第3ステージ スプリントで圧勝したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:www.vueltacastillayleon.es/

総合優勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)総合優勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:www.vueltacastillayleon.es/


4月15日(金)第1ステージ アルカニセス〜ブラガンサ(166.3km)
1位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)          4h27’02”
2位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
3位 カルロス・バルベロ(スペイン、カハルーラル)                   +46”
4位 ドミトリ・ソコロフ(ロシア、ロコスフィンクス)
5位 ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、モビスター)



4月16日(土)第2ステージ ブラガンサ〜フェルモセッレ(170.6km)
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)               4h21’28”
2位 カルロス・バルベロ(スペイン、カハルーラル)                   +51”
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
4位 ヨニ・ブランダオ(ポルトガル、エファペル)
5位 ラファエル・レイス(ポルトガル、W52-FC)



4月17日(日)第3ステージ サラマンサ〜アルト・デ・プラタフォルマ(151.4km)
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)               4h15’51”
2位 ヨニ・ブランダオ(ポルトガル、エファペル)                    +01”
3位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)                    +03”
4位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)                    +08”
5位 ヤイメ・ロソン(スペイン、カハルーラル)                     +16”



個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
2位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
3位 ヨニ・ブランダオ(ポルトガル、エファペル)
4位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
5位 ヤイメ・ロソン(スペイン、カハルーラル)
6位 ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、モビスター)
7位 ラファエル・レイス(ポルトガル、W52-FC)
8位 ガリコイツ・ブラーヴォ(スペイン、エウスカディ)
9位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)
10位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームストルティング)
13h04’55”
+30”
+1’06”
+1’10”
+1’32”
+1’43”

+2’23”
+2’51”



text:So.Isobe
photo:www.vueltacastillayleon.es/

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