強風吹き荒れた旧白浜空港滑走路。平均時速46.85kmでその中を駆け抜けたのはマトリックスパワータグ。今シーズンの初勝利はチームTTでの初勝利だ。女子は坂口聖香が男子選手上位陣並みのタイムで圧倒した。



1位 マトリックスパワータグ 機関車佐野淳哉が向かい風区間を引く1位 マトリックスパワータグ 機関車佐野淳哉が向かい風区間を引く photo:Hideaki TAKAGI
旧白浜空港跡地滑走路を使うタイムトライアルは今年も強めの風との闘いに。一直線で2回の折り返し、緩やかな傾斜のある1周2.0kmのコース。P1は7周する14.0km、3人以上6人以下の編成で3人目ゴールを計時する方式のチームタイムトライアル。チームポイント下位から3チームが1分毎にスタート、上位6チームは2チームずつで計8組、21チームが参戦した。

女子は坂口聖香(パナソニックレディース)が別格の強さ

会場は朝から快晴だが風速10mほどの強い風が終日吹き、風との戦いとなり、直線往復コースは追い風と向かい風のみに。昼に行われた女子では坂口聖香(パナソニックレディース)5分59秒20と、男子のE3クラスタならば2位相当の好タイムで優勝。別格の強さを見せた。

F 1位 坂口聖香(パナソニックレディース)5分59秒20の好タイムF 1位 坂口聖香(パナソニックレディース)5分59秒20の好タイム photo:Hideaki TAKAGI
P1クラスタはチームポイントの低い順にスタート。イナーメ信濃山形を皮切りに、12チーム目以降はすべてトップ10に入る。愛三工業レーシングチームが18分22秒のトップタイムを出すと次の組のマトリックスパワータグが18分を切るタイムをマーク。最終組の宇都宮ブリッツェンそしてチーム右京はこのタイムを上回れず、マトリックスパワータグの優勝が決まった。

マトリックスパワータグがトップタイム

マトリックスパワータグはアイラン・フェルナンデス、ホセ・ビセンテ・トリビオ、佐野淳哉、土井雪広、吉田隼人、安原大貴の6人で臨み、序盤から佐野を中心にハイペースを維持した。中盤でラップタイムがやや落ちたものの、最終周回はフェルナンデス、トリビオそして佐野の3人で回し再びペースを上げてフィニッシュ。ここまでこのチームTTのためにバンクへ入って練習を重ねてきたという。過去にチームTTでは上位に食い込むもののミスやアクシデント等で実力を発揮しきれずにいた。

2位 宇都宮ブリッツェン2位 宇都宮ブリッツェン photo:Hideaki TAKAGI3位 チーム右京3位 チーム右京 photo:Hideaki TAKAGI

安原昌弘監督は「今まで思うようにいかなかったこのチームTTでようやく勝てて本当にうれしい。近谷は日本記録を出してチャンピオンにもなれたし」と喜ぶ。この日は伊豆ベロドロームで行われた全日本選手権トラックの個人パーシュートで、近谷涼が4分26秒116の日本記録を樹立し優勝しており、そのニュースも会場に届いていた。チームは1週間前の伊吹山では攻撃を仕掛けたものの誰も先頭集団に残れなかったが、チームワークを早速修正することに成功した。

2位の宇都宮ブリッツェンは終盤へ向けて上げていくペース配分で、最終ラップ2分30秒05はすべてのチームの周回の中でのベストラップだった。チーム右京は5周目にマトリックスパワータグの途中タイムと1秒ほどの差だったが6周目に隊列が乱れて一気に8秒ロスし3位に。

4位 愛三工業レーシングチーム4位 愛三工業レーシングチーム photo:Hideaki TAKAGI5位 シマノレーシング5位 シマノレーシング photo:Hideaki TAKAGI

6位 シエルヴォ奈良レーシングチーム6位 シエルヴォ奈良レーシングチーム photo:Hideaki TAKAGIP1クラスタ 表彰P1クラスタ 表彰 photo:Hideaki TAKAGI

P1クラスタ全21チームラップタイム表P1クラスタ全21チームラップタイム表 image:JBCF
結果

P1クラスタ 14.0km

F 表彰 F 表彰  photo:Hideaki TAKAGIE1 1位 松木健治(クラブシルベスト)5分35秒20E1 1位 松木健治(クラブシルベスト)5分35秒20 photo:Hideaki TAKAGI1位 マトリックスパワータグ 17分55秒76 46.85km/h
2位 宇都宮ブリッツェン +04秒
3位 チーム右京 +08秒
4位 愛三工業レーシングチーム +26秒
5位 シマノレーシング +43秒
6位 シエルヴォ奈良レーシングチーム +1分06秒
7位 那須ブラーゼン +1分07秒
8位 ニールプライド南信スバルサイクリングチーム +1分15秒
9位 イナーメ信濃山形 +1分21秒
10位 レオモベルマーレレーシングチーム +1分29秒

Jプロツアーリーダー ベンジャミ・プラデス(チーム右京)
U23リーダー 田窪賢次(マトリックスパワータグ)

Fクラスタ 4.0km
1位 坂口聖香(パナソニックレディース)5分59秒20
2位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)+18秒
3位 イ・ミンヒ(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)+19秒

Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)

E1クラスタ 4.0km
1位 松木健治(クラブシルベスト)5分35秒20
2位 設楽彗斗(ネクストリーム・うどん棒)+0.66秒
3位 山藤祐輔(アーティファクトレーシングチーム)+01秒
4位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)+02秒
5位 和田山尚史(侵略!!!)+03秒
6位 吉原健太郎(DESTRA)+04秒

E2クラスタ 4.0km
1位 海老名歩(アーティファクトレーシングチーム)5分42秒34
2位 中田拓也(VC Fukuoka)+05秒
3位 岡本康太郎(TEAM SANREMO)+06秒
4位 岩本将平(アーティファクトレーシングチーム)+07秒
5位 中川直樹(SPADE・ACE)+09秒
6位 松本龍介(ZIPPY CYCLE CLUB)+14秒

E3クラスタ 4.0km
1位 原拓(FAST LANE Racing)5分54秒79
2位 森下大剛(イナーメ信濃山形-EFT)+07秒
3位 関拓真(フィッツ)+10秒
4位 武中研太(TEAM AMUSE)+11秒
5位 戸梶創(CWASP RAVITAILLEMENT)+13秒
6位 須崎尚樹(ACQUA TAMA)+14秒

photo&text:高木秀彰