地中海に浮かぶコルシカ島を舞台にした、2日間3ステージのクリテリウム・アンテルナシオナル(UCI2.HC)。個人TTと超級山岳フィニッシュで2勝したティボー・ピノ(フランス、FDJ)が文句なしの総合優勝を射止めた。



第3ステージ 風光明媚なポルトヴェッキオの沿岸部をスタートする第3ステージ 風光明媚なポルトヴェッキオの沿岸部をスタートする photo:A.S.O.


第1ステージ コルシカ島内陸部を走る逃げグループ第1ステージ コルシカ島内陸部を走る逃げグループ photo:A.S.O.第1ステージ ゴール前で競り合うサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)ら第1ステージ ゴール前で競り合うサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)ら photo:A.S.O.第2ステージ 4位に入ったモレノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)第2ステージ 4位に入ったモレノ・モゼール(イタリア、キャノンデール) photo:A.S.O.ツール・ド・フランスと同じA.S.O.(アモリー・スポール・オルガニザシオン)が主催するクリテリウム・アンテルナシオナル(UCI2.HC)。2日間という短い日程ながら、バリエーションに富んだ3ステージが詰め込まれているステージレースだ。

初日は90kmのロードレースと7kmの個人タイムトライアル。2日目に標高956mのコル・ド・ロスペダル(オスペダル峠)の山頂フィニッシュが設定されており、ジャンクリストフ・ペロー(2015、2014年)クリス・フルーム(2013年)、カデル・エヴァンス(2012年)、フランク・シュレク(2011年)などそうそうたるメンバーが昨今の優勝者リストに並ぶ。

第2ステージ フランスTT王者のジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)はステージ2位第2ステージ フランスTT王者のジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)はステージ2位 photo:A.S.O.今年は6つのワールドチームを含む16チームが参加し、ペローやアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ピエール・ローラン(フランス、キャノンデール)らフランスを代表するオールラウンダー達が顔を揃えた。

第3ステージ ジャンクリストフ・ペローとピエール・ラトゥール(共にフランス、AG2Rラモンディアール)が攻撃を仕掛ける第3ステージ ジャンクリストフ・ペローとピエール・ラトゥール(共にフランス、AG2Rラモンディアール)が攻撃を仕掛ける photo:A.S.O.初日の午前中に行われた第1ステージは、コルシカ島東海岸のリゾート地であるポルトヴェッキオ周辺を巡るコースで争われた。レース後半に難易度の低い山岳が用意されているものの、基本的にはスプリンター向け。予想通り勝負はゴールスプリントに持ち込まれ、昨年HCレースで4勝を挙げている25歳のサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)がロメン・フェイユー(フランス、HP BTPオベール93)らを抑えて勝利した。

トロフィーを掲げるティボー・ピノ(フランス、FDJ)トロフィーを掲げるティボー・ピノ(フランス、FDJ) photo:A.S.O.続いて午後からは7kmの個人タイムトライアルで争われる第2ステージが行われ、コッペルを2秒、アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ)を3秒、モレノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)を4秒抑えて勝利。総合首位にはピノが立ち、3連覇を目指すペローも5秒差の5位と好位置に付けたまま初日を終了する。

レース2日目、つまり最終日の第3ステージに登場するコル・ド・ロスペダル山頂フィニッシュは、登坂距離14km/平均勾配6.2%という難易度を誇るもの。序盤から逃げていた逃げグループ(ゴティエ、モゼール、ヴォクレール、ディグレゴリオ)はオスペダル峠の麓でキャッチされ、人数を減らしたメイン集団はFDJトレインを先頭に高速で登坂を駆け上がった。

最初に動いたのはAG2Rラモンディアール。ピエール・ラトゥール(フランス)とペローの2名が飛び出したものの、調子の上がらないペローは脱落。残り2km地点で勝負の行方は先頭ラトゥールと、追う精鋭グループ(ピノ、アルノー・ジャヌソン、ローソン・クラドック、サム・オーメン、ヴィエルモ)に委ねられる。

すると残り1.4kmの急勾配区間でいよいよリーダージャージが攻撃を開始。ピノはすぐさまラトゥールを追い抜くと独走態勢を築き、後続の追随を許さない。ラトゥールやジャヌソンを大きく引き離し、総合優勝を決めるステージ2連勝を飾った。

「決して簡単な勝利では無かった。序盤も逃げが決まるまではハイペースでキツかったが、チームが完璧な勝利に導いてくれたんだ」とはピノ。「彼らの働きに報いるためにも勝つ必要があったし、かなり自分自身を追い込んだよ。このレースには総合優勝という目標を持って挑み、それを叶えることができた。昨年はチームとして4月まで勝利が無かったけれど、今年は今回の勝利や、デマールのミラノ〜サンレモ制覇など、非常に調子が良いんだ。以降もこのペースを維持していきたい」と加えた。



3月26日(土)第1ステージ ポルトヴェッキオ〜ポルトヴェッキオ(90.5km)

第1ステージ サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)がスプリント勝負を制する第1ステージ サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)がスプリント勝負を制する photo:A.S.O.
1位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)              2h03’15”
2位 ルディ・バルビエ(フランス、ルーベ・リールメトロポール)
3位 ロメン・フェイユー(フランス、HP BTPオベール93)
4位 ステファン・プーリー(フランス、エキップシクリスト・アルメー)
5位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)

3月26日(土)第2ステージ ポルトヴェッキオ〜ポルトヴェッキオ(7km)

第2ステージ ティボー・ピノ(フランス、FDJ)がトップタイムでステージ優勝第2ステージ ティボー・ピノ(フランス、FDJ)がトップタイムでステージ優勝 photo:A.S.O.
1位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
2位 ジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)
3位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ)
4位 モレノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
9’11”
+02”
+03”
+04”
+05”


3月27日(日)第3ステージ ポルトヴェッキオ〜コル・ド・ロスペダル(171.5km)

総合優勝を手中に収めたティボー・ピノ(フランス、FDJ)総合優勝を手中に収めたティボー・ピノ(フランス、FDJ) photo:A.S.O.
1位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
2位 ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアール)
3位 アルノー・ジャヌソン(フランス、コフィディス)
4位 アレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 サム・オーメン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
4h34’18”
+07”
+12”
+23”
+26”


個人総合成績
1位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
2位 ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアール)
3位 サム・オーメン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
4位 アルノー・ジャヌソン(フランス、コフィディス)
5位 アレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)
6h46’36”
+37”
+46”
+48”
1’02”


text:So.Isobe
photo:A.S.O.