トラック世界選手権で橋本英也(鹿屋体育大学・NIPPO)が男子ポイントレースで終盤に落車して骨折しながらも、日本人選手過去最高位の5位となった。



序盤に2選手で先行する橋本英也。この後、集団のラップに成功した序盤に2選手で先行する橋本英也。この後、集団のラップに成功した
満員の観客の大声援を受けて走る橋本英也満員の観客の大声援を受けて走る橋本英也 イギリス・ロンドンで開催中のUCIトラック世界選手権3日目。男子ポイントレースに出場した橋本英也(鹿屋体育大学・ NIPPO)は、序盤から積極的に走り、途中で落車するアクシデントがありながらも、日本人選手過去最高位となる5位でゴール。レース後に病院で診察を受けた結果、右鎖骨の骨折と診断された。NIPPO Racing Projectがレポートする。

暫定5位につけていた橋本英也は、もう一度勝負を仕掛けようと積極的に動き始める暫定5位につけていた橋本英也は、もう一度勝負を仕掛けようと積極的に動き始める 男子ポイントレースには世界各国から21名の選手が出場しました。ポイントレースは現在はオリンピック種目ではありませんが、長い歴史をもち、トラック中距離の人気種目です。

世界選手権では、1周250メートルのバンクを160周回する40kmで競われ、10周回ごとにポイント周回が設定され、その周回の着順によって上位4選手にポイントが付きます。最終的な着順ではなく、獲得ポイントにより勝者が決まるルールです。

残り10周回を前に先頭交代のさいに単独で落車するアクシデントに見舞われる残り10周回を前に先頭交代のさいに単独で落車するアクシデントに見舞われる レースがスタートすると、橋本が開催国イギリスのジョナサン・ディッベン選手(チームウィギンス)と先行しました。二人とも22歳、果敢な走りで攻め続け、集団のラップに成功し、序盤にボーナスポイントを20点獲得、一時、橋本は暫定2位につけます。その後、他の3選手がラップし、また満員の観客の大声援を受けて、ディッベン選手がポイントを稼いでいきます。

終盤になり、暫定5位につけていた橋本は、もう一度勝負を仕掛けようと積極的に動き始めましたが、残り10周回を前に、先頭交代のさいに単独で落車するアクシデントに見舞われます。ニュートラル走行ののち、無事にレースに復帰しましたが、落車の影響があり、惜しくも最後の局面で本来の力は出せずに終わりました。しかし結果は5位。これまでの日本人選手の記録を塗り替える歴代最高位でゴールしました。優勝は、橋本と先行したディッベン選手。

レース後に日本ナショナルチームの飯島誠・中距離ヘッドコーチは「最初に一番強い選手と逃げられたことは良かった。中盤は少し苦しい展開が続き、後半もう一度追い上げようとしたところで落車してしまった。優勝までは少し差が開いてしまっていたが、3位に入る可能性はあったので、そういう意味では残念に思う」と話しました。

骨折した右鎖骨のレントゲン骨折した右鎖骨のレントゲン 橋本英也本人提供そして、痛みを堪えながらフィニッシュした橋本。鎖骨骨折が疑われたためレース後に病院でレントゲンを撮り、右の鎖骨骨折と診断されました。帰国後に、日本で手術を受ける予定です。

橋本英也のコメント
「初出場のポイントレースを5位で終えました。過去のレースを分析して、ラップしたメンバーでの争いだと読んでいたので、良いタイミングでラップして、後半に逆転することが作戦でした。終盤に落車こそあったものの、自分らしい積極的なレースを展開することができました。応援して頂いたみなさま、ありがとうございました!」

Photo&Report:NIPPO Racing Project