アウトドア用ウェアの生地でお馴染みのゴア社が手掛ける自転車用ウェアが「GORE BIKE WEAR」。急な天候変化に対応する、ポケッタブルタイプのフード付き軽量レインジャケット「RESCUE WS AS Jacket」を紹介しよう。



ゴア・バイクウェア RESCUE WS AS Jacket(ブラック)ゴア・バイクウェア RESCUE WS AS Jacket(ブラック)
世界一有名な高機能メンブレンと言えば、ゴアテックス。アメリカに本拠地を持つゴア社内でゴアテックス素材を使ったサイクリングウェアが最初に製作されたのが1985年のこと。そこから「GORE BIKE WEAR」としてブランド化して以来、高機能製品を世に送り出し続けてきた。

ゴア・バイクウェアのアパレルが、ピーアールインターナショナルから日本国内で販売開始されたのは2013年のこと。今回は最新モデル「RESCUE WS AS Jacket」を紹介しよう。急な天候変化に対応する、ポケッタブルタイプの軽量レインジャケットだ。

RESCUE WS AS Jacketを手にとってまず感じるのは、質量的な存在感が非常に薄いこと。一言「レインウェア」と聞くと厚手でゴワゴワしたモノをイメージしがちだが、この製品はとにかく生地が薄く、そして軽い。その名の通りあくまで「レスキュー」、つまり一時的な使用を想定したアイテムではあるが、ここまで軽量化を突き詰めたレインウェアはなかなかお目にかかれない。実測は125g(Lサイズ)と、実際に数字にしても超軽量だ。

ウィンドストッパーの中でも、最も薄手で高強度の運動に対応する「WINDSTOPPER Active Shell」を採用ウィンドストッパーの中でも、最も薄手で高強度の運動に対応する「WINDSTOPPER Active Shell」を採用 水を垂らしてみたところ十分な撥水性を確認できた水を垂らしてみたところ十分な撥水性を確認できた

着ていることを意識させないほど、生地は軽く柔らかい着ていることを意識させないほど、生地は軽く柔らかい 防水シームテープの幅は一般的なサイズよりも細身防水シームテープの幅は一般的なサイズよりも細身


素材はゴア社が誇るウィンドストッパーの中でも、最も薄手で高強度の運動に対応した「WINDSTOPPER Active Shell」。表生地に冷気をシャットアウトするメンブレンを重ね、内側には肌と触れてもべたつかないようフィルムを貼った2.5層構造を採用した。

軽量化の工夫は素材以外にもまだまだある。例えば裏地の縫い目を覆う防水シームテープの幅が一般的なサイズよりも細身だったり、裾やフードのゴムも最小限に留められていたり。そのため折りたたむと非常にコンパクトになるし、脱いだ際には胸ポケットに全体を押し込むだけで簡単に手のひらサイズに収納できる。

一般的なポケッタブルジャケットはキチンと折りたたむ必要があるが、その煩わしさをカットしているため、特にライド中においては極めて実用的だろう。たためばバックポケットやツールボトルに十分に収まるサイズで、装備をなるべく減らしたい方にとっても負担は少ないはずだ。

フードの上からヘルメットを着用することができるフードの上からヘルメットを着用することができる フードは小さく作られているため、耳や首に入り込む風をほぼ完全にシャットアウトしてくれるフードは小さく作られているため、耳や首に入り込む風をほぼ完全にシャットアウトしてくれる


袖を通してみると、やはり生地の軽さ・柔らかさは着ていることを意識させないほどで、動きが制限されるようなことも無い。肩や胴周り部分はゆとりを持たせたカッティングになっている上、生地自体の伸縮性が高いため、薄いバックバック程度なら背負ったまま着用できてしまう。さすがにハイスピードで走行すればバタついてしまうが、あくまで「レスキュー」であり、そこは割り切って使うべきだろう。

借り受けた期間中は晴天続きだったため、残念ながらレインテストは行うことができなかった。しかし表生地に水を垂らしてみたところ十分な撥水性を確認でき、染み込んでしまっても乾きが速いため、しばらく走れば着用前のコンディションが戻ってくる。正面から隠れ裏側にも当て布をプラスしたフロントジッパー、濡れたグローブでも開閉しやすいジップのつまみ手など、用途に合った作り込みも見逃せない。

非常に薄手だが防風性が高いため、保温性も悪くない。例えば春秋用の長袖ジャージに組み合わせることで、ジャケットを着ているのに近いレイヤリングができる。

折りたたむ際は胸ポケットに収納する折りたたむ際は胸ポケットに収納する 胸ポケットに全体を押し込むだけで、簡単に手のひらサイズに収納できる胸ポケットに全体を押し込むだけで、簡単に手のひらサイズに収納できる

コンパクトなため、ジャージのバックポケットに忍ばせておくことができるコンパクトなため、ジャージのバックポケットに忍ばせておくことができる 実測125gと超軽量だ実測125gと超軽量だ


ボディと違ってフードは小さく作られているため、耳や首に入り込む風をほぼ完全にシャットアウトしてくれ、ヘルメット下に被っても首の動きが制限されることも無く、深い姿勢を取っても快適だった。裾は長めに作られているので、後輪からの跳ね上げにも配慮されているのだろう。

着用上で配慮したほうが良さそうなことは、半袖ジャージと組み合わせる時。これは一般的なことだが、特に濡れた状態で直接素肌に触れて着用すると、裏地が汗や汚れで目詰まりして本来あるべき機能性が落ちてしまう。厚手のレインウェアと比較して保温性は少ないことも含めると、ウォーマー類と組み合わせるのが正解のように感じた。しかし冷え込む早朝でもRESCUE WS AS Jacketをプラスすることで、より余裕を持って走ることができた。28,500円(税抜)と高価だが、それに見合うだけの機能性、そして携行性は十分にあると思う。

「転ばぬ先の杖。転ばぬ先のRESCUE WS AS Jacketだ」「転ばぬ先の杖。転ばぬ先のRESCUE WS AS Jacketだ」 (c)ピーアールインターナショナル
朝晩が冷える季節や、一時的な雨予報が出ている時、夏に高地の峠から下る時。小さくたたんだRESCUE WS AS Jacketをどこかに忍ばせておけば、より一層の安心感を持って走り出すことができるのだ。転ばぬ先の杖。転ばぬ先のRESCUE WS AS Jacketだ。



ゴア・バイクウェア RESCUE WS AS Jacket
生地:ゴア WINDSTOPPER Active Shell
サイズ:S、M、L
カラー:レッド、ブラック
フィット:コンフォート
実測重量:125g(Lサイズ)
価 格:28,500円(税抜)

ゴア・バイクウェア RESCUE WS AS Jacket(レッド)ゴア・バイクウェア RESCUE WS AS Jacket(レッド) (c)ピーアールインターナショナル

text&photo:So.Isobe

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