2007年12月に採取された尿サンプルのEPO(エリスロポエチン)陽性反応がツール・ド・フランス開幕前に発覚し、活動停止状態にあったトーマス・デッケル(オランダ)。この度、Bサンプル再検査の結果が陽性であることが分かり、デッケル自身も事実を認めた。デッケルは出場停止処分後のレース復帰に意欲を見せる。

トーマス・デッケル(オランダ)トーマス・デッケル(オランダ) photo:Cor Vosツール・ド・フランス開幕3日前に2年前の禁止薬物EPO陽性が発覚し、ツールメンバーから離脱したデッケル。それから3ヶ月、デッケルが要求していたBサンプル再検査の結果が出た。

フランスのレキップ紙によると、Bサンプルからも同じくEPO陽性が検出。デッケルはプレスリリースを出し、過去のドーピング使用を認めた。デッケルの弁護士を務めるハンス・ファンオイエン氏はリリースの中で「彼は過ちを認め、悔いている。自分の犯した罪を全面的に償っていくことになる」とコメントしている。

2006年にティレーノ〜アドリアティコ、2007年にツール・ド・ロマンディで総合優勝を飾ったデッケルは、リリースの中で、禁止薬物の使用が一度っきりであることを強調。それまでの成績が彼の能力とチームの協力によるものであることを証明するために、出場停止処分後のレース復帰に意欲を見せている。現在25歳のデッケルは、2年間の出場停止処分を受ける可能性が高い。

また、ドーピング陽性発覚時から「彼がラボバンクに所属していた時のドーピング陽性であることを忘れてはならない」と主張し続けていたサイレンス・ロットのマルク・セルジャン監督は、「今回の再検査陽性の一報を受け、チームは彼を即時解雇した」と発表している。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos