イタリア・ボゴーニョで開かれたUCIパラサイクリング世界選手権ロード最終日の13日、男子ロードレース(CP4)のフィニッシュ手前100m付近のコーナーで石井雅史が落車。救急車で会場付近の病院に運ばれた。

男子ロードレース(CP4)レース序盤、補給地点付近で男子ロードレース(CP4)レース序盤、補給地点付近で photo:Yuko SATO / UCI日本チームへの正式な取材はできていないが、15日現在の関係者の話を総合すると、鎖骨、肩甲骨、肋骨に骨折があり肺に穴があいている模様で、首の骨も固定の必要があるとのこと。意識ははっきりしており会話もできる状態だが、移送が可能になるまで、現地での入院となる見込みだという。

今大会の会場はミラノの西方、人々の交流が深い小さな町、といったおもむきのボゴーニョ。その中心部をスタートし、付近の2つの町スーノとクレッサを通り、ボゴーニョへ戻る1周9.7kmの、ゆるいアップダウンの繰り返しのコースだ。ゴール手前1km付近の最高地点からは下りが中心となり、直角に近いコーナーをいくつか経てフィニッシュへ向かうもの。CP4クラスの男子ロードレースは、7周計67.9kmで行われた。

表彰台の常連のミシェル・アルケン(フランス)やイエリ・ボウシュカ(チェコ)、今大会の男子TT(CP4)で優勝したミケーレ・ピッタコロ(イタリア)らからなる先頭集団に石井は位置し、最終周回を迎えた。

落車が起きたのは、ゴールスプリントのさなか、フィニッシュ手前100m付近の右へ曲がる最終コーナー。現場付近にいた人の話によると、5人ほどからなる先頭集団後方を走っていた石井が、コーナー左外側から前に出ようとしたところ、左にふくらんだ先行選手が、前方をふさぐ形になってしまった。よけようとしたが間に合わず、左肩がコース周囲の格子状のフェンスに接触し、転倒したという。

コースにうつぶせに倒れたまま動かない石井の姿に、現場には大きな緊張が走った。救急車が去ったあとも、観客や各国の選手・スタッフたちは口々に石井の安否を問い、「イシイは意識はあるのか」「イシイは大丈夫か」と心配そうに質問を浴びせた。会場にいる日本人たちは「情報がなく、まだわからない」と首をふるのみだったが、世界チャンピオンである石井を、自分のよきライバルを、そして自分の町を走りに来た遠い国の選手を、人々が本気で心配する気持ちが伝わってきた。

男子ロードレース(CP4)の優勝はピッタコロ、2位はアルケン、3位はボウシュカ。石井はDNF。

石井の状況については、正確な情報が入り次第、随時お伝えする。

text&photo:Yuko SATO
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