次世代スプリンターとして注目を集めるカレイブ・イワン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)の勝利に終わったブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ。サガンやドゥムラン、ケイセらのコメントを紹介します。



初勝利を飾ったカレイブ・イワン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

サガンとデゲンコルブを下したカレイブ・イワン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)サガンとデゲンコルブを下したカレイブ・イワン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tim de Waele人生で一番幸せな日だ。サガンやデゲンコルブといった世界のトップスプリンターに登りスプリントで勝ったなんて。彼らと一緒に走るだけでも栄誉なことなのに、彼らに勝つなんて非現実的だ。

タフなフィニッシュだったけど、チームメイトの力を借りて集団前方で最終ストレートに到着。そこから力を使ってポジションを上げる必要はなく、むしろ少しポジションを下げる余裕まであった。チームメイトの助け無しには勝てなかった。

これまでUCIワールドツアーレースでも勝ったことがなかったので、この勝利は予想していなかった。それでもチームは自分を信頼し続けてくれたし、100%コミットしてくれたことが自信にも繋がった。

3週間のブエルタを完走する予定ではないので、自分にとって今日が最後のチャンスだった。それだけにプレッシャーはあったし、勝負への執着心は人一倍強かった。

ステージ3位に終わったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)

まず始めに、最終スプリントに向けてポジションをキープしてくれたチームメイトたちのファンタスティックな働きに感謝したい。難易度の高いフィニッシュで、今日は勝つための力がなかった。ポジション自体は良かったものの、昨日のハードなステージのツケが回ってきたんだ。決して自分向きではない昨日のステージで力を使い切った代償を払うことになった。

それでも毎日ステージ優勝を狙う。ハードなコースが設定された明日は力を温存して、チームリーダーのラファル(マイカ)に託す。チームとして彼のために働くよ。

総合首位に立ったトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)

マイヨロホに袖を通したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)マイヨロホに袖を通したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Tim de Waele総合順位が入れ替わることを予想していなかったので、レッドジャージに袖を通すのは少し変な気分だ。今日はジョン(デゲンコルブ)のステージ優勝狙いで、自分の役目は残り2kmからチームを率いることだった。でも混乱のフィニッシュ前でチームメイトから逸れてしまったので、タイムを失わないように自分もスプリントした。ステージ優勝を逃したという残念な気持ちでチームバスに向かっていたら、突然無線で呼び出され、総合逆転が起こったことを知ったんだ。

イエロージャージ獲得のチャンスがあったツール・ド・フランスを落車でリタイアしたことは心底残念だった。落車から回復まで2週間を要したけど、必ずもっと強くなって戻って来ると意気込んでいた。それからトレーニングに打ち込み、良い状態でブエルタに出場。今はこのリーダージャージを楽しみながら走りたい。

当初は3週目の個人タイムトライアルが一番の目標だったけど、今はこのリーダージャージを出来る限り長く守りたい。これから厳しい登りが登場するけど、諦めることなく戦うよ。

残り9kmまで逃げ続けたイーリョ・ケイセ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)

逃げるイーリョ・ケイセ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)ら3名逃げるイーリョ・ケイセ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)ら3名 photo:Tim de Waele今日は数少ない自分向きのステージだった。スプリンターではない自分は違う突破口を見つけないといけない。でも逃げが3人で決まってしまった時点で望みは少ないと思ったよ。数少ないスプリンター向きのステージでもあったので、多くのチームが全開でメイン集団を牽引した。

でもレースでは何が起こるか分からない。例えば集団落車が発生したり、急に追い風が吹いたり、自分に抜群の脚があれば、スペシャルなことが起こる可能性はある。実際にキャリアの中で何回かスペシャルなことが起こっているし、自分はそれを達成出来る数少ない選手だと自負している。

挑戦しなければ何も起こらない。でもやっぱり今日は逃げ向きではなかった。最初に飛び出して前半から飛ばしすぎた選手(グルメイ)はすぐに力尽きてしまい、後半にかけて協力しなくなった。そして独走に持ち込んでからは向かい風で登り基調。ベストは尽くしたけど、良いテンポを刻めずに吸収された。敢闘賞を獲得出来たのが報い。またチャンスがあれば逃げたいと思う。

第6ステージで逃げる意気込みの新城幸也(ユーロップカー)

チームカーまで下がる新城幸也(ユーロップカー)チームカーまで下がる新城幸也(ユーロップカー) photo:Tim de Waeleこのステージはコースプロフィールを見る限りでは今年のヴェルタで1番優しいステージだと思ったが、それなりにアップダウンしてて、序盤は風もあり注意が必要だった。終盤にかけて風は緩くなった。チームとしては街を通過するポイントで良い位置で走ることが出来て良かった。明日は予定通りに逃げを試みたいと思う。

アシストに徹するクリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ)

今日は誰も逃げに乗りたがらないような変なスタートだった。選手が1名(グルメイ)飛び出したものの、単独逃げになるのを嫌がったのでペースを落として後方からの合流を待っていた。2名(ケイセとデュシェーヌ)が追いついてようやくペースが上がり始めた。

少し横風が吹いていたので、ジャイアント・アルペシンが集団ペースアップを開始したところで集団はナーバスになった。決して強い風ではなかったけど、危険な動きになることを恐れた選手たちが競り合うように集団先頭に上がろうとしていた。

クリス(フルーム)に力を使わせないように、チームスカイは終始落ち着いて集団前方をキープ。フィニッシュ前で集団が分裂したけど、クリスは前方でフィニッシュしたので結果的にライバルたちからタイムを奪った。明日以降も今日のような完璧なレース運びをしたい。

text:Kei Tsuji

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