2015/07/30(木) - 08:57
ツール・ド・フランスを走った全22チームのバイクを、2チームごとに10回にわけて紹介。第1弾はチーム総合優勝を果たし、キンタナが個人総合2位、バルベルデが個人総合3位でフィニッシュした「モビスター」と、エアロバイク「Foil」の新型を投入した「オリカ・グリーンエッジ」のバイクを紹介します。
モビスター 【キャニオン ULTIMATE CF SLX、AEROAD CF SLX、Speedmax CF Evo(TTバイク)】
モビスターのバイクサプライヤーは、ドイツに本拠を構えるキャニオン。6月末にULTIMATE CF SLXの新型が発表されたが、総合個人2位でフィニッシュし、新人賞に輝いたナイロ・キンタナ(コロンビア)を始めとした多くのツールメンバーが、旧型ULTIMATE CF SLXを選択。また、総合個人3位で念願のツール初表彰台を獲得したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)は、エアロロードのAEROAD CF SLXを駆った。なお、今回はキンタナのマシンにフィーチャーする。
コンポーネントは電子式のカンパニョーロSUPERRECORD EPSで、キンタナのクランク長は172.5mm。ピレネー3連戦の初日にあたる第10ステージのあとに撮影したバイクの歯数は、フロントが53-39T、リアが11-29Tという組み合わせであった。クランクにはカンパニョーロ4アームタイプのPower2maxを組み合わせている。なお、今季よりサイクルコンピューターはO-Synceからガーミンへとスイッチされた。
ホイールは、チームカラーのライトグリーンのデカールに換装されたカンパニョーロのBORA ULTRAシリーズ。コースにあわせて50mmと35mmの2種類のリムハイトを使い分けているが、キンタナは35mmハイトをメインに使用した。タイヤは、市販品よりもソフトなコンパウンドを使用したコンチネンタルのプロ供給モデル「COMPETITION PROLTD」。幅はコースプロファイルにかかわらず25Cで統一している様だ。
ハンドル、ステム、シートポストはキャニオンのオリジナル製品で統一。サドルはチームカラーのフィジークAntaresをやや引き気味にセッティング。なお、表皮にはポジションを出す際に使用したと思われるマークが書かれていた。ペダルはルックKeO Bladeながら、リーフスプリングが中央にある現行型ではなく、サイドにある旧型を使用。その理由は定かでは無いが、フレーム選択とあわせて、キンタナは機材に対して保守的であることが伺える。その他、ボトルケージはエリートCANNIBAL、バーテープはリザードスキンとしている。
TTバイクはいち早くトップチューブと面一の専用ステムなどを投入した「Speedmax CF Evo」を継続して使用する。特に目を引くのが、クランクにスパイダー部分まで円盤状としエアロ効果の向上を図った「BORA ULTRA」クランク。ホイ―ルはフロントがBORA ULTRA 50もしくはBORA ULTRA 80で、キンタナはBORA ULTRA 50を選択。リアは全ライダーともBORA ULTRA TTだった。
オリカ・グーリンエッジ【スコット Foil、Addict、PLASMA 5】
スコットはツール・ド・フランス開幕に合わせて、エアロロード「Foil」の新型を投入。従来モデルから一転して、ヘッド周りやシートチューブの設計からもわかる通り、エアロ性能の比重を高くした設計となっており、軽量モデルAddictとの棲み分けが進んだ印象だ。なお、今回のツールで新型Foilが供給されたのはエースクラスのライダーのみで、旧型FoilやAddictも併用され、コースプロファイルに合わせて使い分けられていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。クランクはDURA-ACE4アーム仕様のSRMとしている。なお新型Foilのブレーキは前後ともダイレクトマウントタイプで、リアはBB下に取り付けるタイプだ。
ホイールも同じくシマノDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズで、24mm、35mm、50mmという3種類のハイトをコースプロファイルや好みに応じて使い分けた。タイヤは市販品よりもソフトなコンパウンドを使用したコンチネンタルのプロ供給モデル「COMPETITION PROLTD」で統一されている。
ハンドル周りはバーテープを含め、PROで統一。ハンドルはVIBEシリーズで、重量と信頼性からか、アルミ製が取り付けられたバイクはほとんどであった。ステムはこれまでチームスカイのみが使用していた1mm刻みのプロ供給専用品がオリカ・グリーンエッジにも供給開始となった様子だ。ボトルケージはエリートで、ラインアップの中でも特に保持力に優れるSiorをメインで使用。サドルはフィジークで、ライダーの好みに応じて各モデルを使い分けた。
TTバイクは昨夏フルモデルチェンジし、新型となった「PLASMA 5」。フロントホイールは昨年のツールより開発が進められており、市販開始間近とされている「PRO 3スポークバトン」をメインに、一部ライダーが75mmハイトの「WH-9000-C75-TU」を選択。リアホイールはPROのディスクホイール 「TeXtream Carbon Disc」で統一。表面のディンプルが特徴的なボトルと専用ボトルケージのセットはエリート KIT CHRONOだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
モビスター 【キャニオン ULTIMATE CF SLX、AEROAD CF SLX、Speedmax CF Evo(TTバイク)】
モビスターのバイクサプライヤーは、ドイツに本拠を構えるキャニオン。6月末にULTIMATE CF SLXの新型が発表されたが、総合個人2位でフィニッシュし、新人賞に輝いたナイロ・キンタナ(コロンビア)を始めとした多くのツールメンバーが、旧型ULTIMATE CF SLXを選択。また、総合個人3位で念願のツール初表彰台を獲得したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)は、エアロロードのAEROAD CF SLXを駆った。なお、今回はキンタナのマシンにフィーチャーする。
コンポーネントは電子式のカンパニョーロSUPERRECORD EPSで、キンタナのクランク長は172.5mm。ピレネー3連戦の初日にあたる第10ステージのあとに撮影したバイクの歯数は、フロントが53-39T、リアが11-29Tという組み合わせであった。クランクにはカンパニョーロ4アームタイプのPower2maxを組み合わせている。なお、今季よりサイクルコンピューターはO-Synceからガーミンへとスイッチされた。
ホイールは、チームカラーのライトグリーンのデカールに換装されたカンパニョーロのBORA ULTRAシリーズ。コースにあわせて50mmと35mmの2種類のリムハイトを使い分けているが、キンタナは35mmハイトをメインに使用した。タイヤは、市販品よりもソフトなコンパウンドを使用したコンチネンタルのプロ供給モデル「COMPETITION PROLTD」。幅はコースプロファイルにかかわらず25Cで統一している様だ。
ハンドル、ステム、シートポストはキャニオンのオリジナル製品で統一。サドルはチームカラーのフィジークAntaresをやや引き気味にセッティング。なお、表皮にはポジションを出す際に使用したと思われるマークが書かれていた。ペダルはルックKeO Bladeながら、リーフスプリングが中央にある現行型ではなく、サイドにある旧型を使用。その理由は定かでは無いが、フレーム選択とあわせて、キンタナは機材に対して保守的であることが伺える。その他、ボトルケージはエリートCANNIBAL、バーテープはリザードスキンとしている。
TTバイクはいち早くトップチューブと面一の専用ステムなどを投入した「Speedmax CF Evo」を継続して使用する。特に目を引くのが、クランクにスパイダー部分まで円盤状としエアロ効果の向上を図った「BORA ULTRA」クランク。ホイ―ルはフロントがBORA ULTRA 50もしくはBORA ULTRA 80で、キンタナはBORA ULTRA 50を選択。リアは全ライダーともBORA ULTRA TTだった。
オリカ・グーリンエッジ【スコット Foil、Addict、PLASMA 5】
スコットはツール・ド・フランス開幕に合わせて、エアロロード「Foil」の新型を投入。従来モデルから一転して、ヘッド周りやシートチューブの設計からもわかる通り、エアロ性能の比重を高くした設計となっており、軽量モデルAddictとの棲み分けが進んだ印象だ。なお、今回のツールで新型Foilが供給されたのはエースクラスのライダーのみで、旧型FoilやAddictも併用され、コースプロファイルに合わせて使い分けられていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。クランクはDURA-ACE4アーム仕様のSRMとしている。なお新型Foilのブレーキは前後ともダイレクトマウントタイプで、リアはBB下に取り付けるタイプだ。
ホイールも同じくシマノDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズで、24mm、35mm、50mmという3種類のハイトをコースプロファイルや好みに応じて使い分けた。タイヤは市販品よりもソフトなコンパウンドを使用したコンチネンタルのプロ供給モデル「COMPETITION PROLTD」で統一されている。
ハンドル周りはバーテープを含め、PROで統一。ハンドルはVIBEシリーズで、重量と信頼性からか、アルミ製が取り付けられたバイクはほとんどであった。ステムはこれまでチームスカイのみが使用していた1mm刻みのプロ供給専用品がオリカ・グリーンエッジにも供給開始となった様子だ。ボトルケージはエリートで、ラインアップの中でも特に保持力に優れるSiorをメインで使用。サドルはフィジークで、ライダーの好みに応じて各モデルを使い分けた。
TTバイクは昨夏フルモデルチェンジし、新型となった「PLASMA 5」。フロントホイールは昨年のツールより開発が進められており、市販開始間近とされている「PRO 3スポークバトン」をメインに、一部ライダーが75mmハイトの「WH-9000-C75-TU」を選択。リアホイールはPROのディスクホイール 「TeXtream Carbon Disc」で統一。表面のディンプルが特徴的なボトルと専用ボトルケージのセットはエリート KIT CHRONOだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto