前日とは打って変わって平穏な一日となった美濃。ラスト1周でペースの上がった集団からニコラス・マリーニ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がスプリントで圧倒。プロ初優勝を遂げた。



美濃のうだつの上がる町並み美濃のうだつの上がる町並み photo:Hideaki TAKAGI
うだつの上がる町並み+4賞ジャージ+ニンジャうだつの上がる町並み+4賞ジャージ+ニンジャ photo:Hideaki TAKAGI5月19日(水)第3ステージは岐阜県美濃市でのレース。パレードののち1周21.3kmを6周する139.4kmで標高差80mほどのやや急な山岳ポイントがある。それ以外はおよそ平坦のスピードコース。当日は朝から晴天。美濃ステージで今まで雨が降ったことはないほど好天に恵まれているステージだ。
美濃ステージはいつも晴天。美濃橋にて美濃ステージはいつも晴天。美濃橋にて photo:Hideaki TAKAGIマッティア・ポッツォ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)の山岳ポイントをアシストする山本元喜マッティア・ポッツォ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)の山岳ポイントをアシストする山本元喜 photo:Hideaki TAKAGI
美濃市は国指定重要伝統的建造物群保存地区が中心部にあり、うだつの上がる町並みとして有名。ここがパレード走行のスタート地点で、もう一つの国指定が本美濃紙(和紙)で、この和紙の里会館がフィニッシュ地点だ。朝から立錐の余地もないほどの人で埋め尽くされたスタート地点。選手たちと気軽に触れ合える距離の近さが魅力。
後半のメイン集団は山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)とフェン・チュンカイ(ランプレ・メリダ)が引く後半のメイン集団は山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)とフェン・チュンカイ(ランプレ・メリダ)が引く photo:Hideaki TAKAGI
旧今井家住宅前を9時15分にパレードスタート。正式スタート後すぐにアタックの応酬となるが、いずれもリーダーチームのスカイダイブドバイプロサイクリングチームがコントロールして、ティモシー・ロエ(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)とアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)の2名を逃がしてあとはスカイダイブドバイが完全にメイン集団をコントロールする。

先頭は2周目にはロエ単独となり、メイン集団との差は2分半をキープする。メイン集団後方ではリラックスモードの選手たちが多い。前日のいなべステージがハードだったため、この日は穏やかな展開に。終盤に向けてタイム差が縮まり、ラスト2周でペースが上がってKOMの入り口までにロエをメイン集団は吸収する。この上りはアタックがかからないままクリア。

最終周回に入ると平坦区間でアタックの応酬となり各チームが入り乱れる。しかしタイム差をつけられたくないスカイダイブドバイ、集団スプリントに持ち込みたいランプレ・メリダ、NIPPO・ヴィーニファンティーニ、ドラパック プロフェッショナルサイクリングらが吸収して最後の坂へ向かう。ここでピシュガマン ジャイアントチームやリーダーのラファー・シティウィ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)自身、土井雪広(チーム右京)らが先頭付近で坂をクリアして下りへ。

美濃のゴールスプリントは通常、この上りから下りにかけて長く伸びた集団の前方がまとまり、そのメンバー主体のスプリント勝負になる。ここで各チームのスプリンターが前方に集まりラスト1kmの直線でスプリント勝負が始まる。ロングスプリントを開始したのはブレントン・ジョーンズ(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)。これをラスト100mでニコラス・マリーニ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がかわして優勝。

逃げ続けたティモシー・ロエ(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)がラスト2周で吸収される逃げ続けたティモシー・ロエ(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)がラスト2周で吸収される photo:Hideaki TAKAGIラスト7km、上りに向けて位置取る宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングらラスト7km、上りに向けて位置取る宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングら photo:Hideaki TAKAGI


マリーニは1993年7月生まれの21歳で、2011年世界選手権ロード・ジュニアで8位、昨年まではアマチュアとして活動したスプリンター。今年からプロとなり、プロレースではこのTOJ美濃ステージが初優勝だ。初日の堺国際クリテリウムでも優勝している。

前日のいなべステージのレースがハードだった分、この美濃ステージは穏やかな展開となり集団でのスプリント勝負に。中間ポイントをリーダージャージのシティウィと2位のフランシスコ・マンセボ自身が取りに行き、3位以下とのタイム差をさらに2秒広げた。翌日はハードなコースの南信州ステージ。ここでリーダージャージの行方がおおよそ見通しが付く。シティウィはキープできるか?イラン勢は?日本勢はどの位置にいるか。逆転する動きで激しい展開となるだろう。

ニコラス・マリーニ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がプロ初優勝ニコラス・マリーニ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がプロ初優勝 photo:Hideaki TAKAGI
結果

日本勢は6位土井、7位寺崎、8位黒枝咲哉日本勢は6位土井、7位寺崎、8位黒枝咲哉 photo:Hideaki TAKAGI第3ステージ美濃 139.4km
1位 ニコラス・マリーニ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)3時間32分18秒
2位 ボリス・シュピレフスキー(RTSサンティックレーシングチーム)
3位 アンドレア・パリーニ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
4位 ブレントン・ジョーンズ(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)
5位 ニッコーロ・ボニファツィオ(ランプレ・メリダ)
6位 土井雪広(チーム右京)
7位 寺崎武郎(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
8位 黒枝咲哉(日本ナショナルチーム)
9位 ヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)
10位 ニール・ヴァンデルプローグ(アヴァンティレーシングチーム)

個人総合順位 第3ステージ終了時点
1位 ラファー・シティウィ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)6時間45分36秒
2位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)+19秒
3位 アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)+23秒
4位 ルカ・ピベルニク(ランプレ・メリダ)+26秒
5位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+32秒
6位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)+33秒
7位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+35秒
8位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(タブリーズ ペトロケミカルチーム)+36秒
9位 アミール・ザルガリ(ピシュガマン ジャイアントチーム)+38秒
10位 イリヤ・ゴロドニチェフ(RTSサンティックレーシングチーム)

個人総合ポイント順位 第3ステージ終了時点
1位 ラファー・シティウィ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)27点
2位 ニコラス・マリーニ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)25点
3位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)25点

個人総合山岳順位 第3ステージ終了時点
1位 マッティア・ポッツォ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)13点
2位 ティモシー・ロエ(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)10点
3位 マリオ・コスタ(ランプレ・メリダ)9点

チーム総合順位 第3ステージ終了時点
1位 スカイダイブドバイプロサイクリングチーム 20時間18分32秒
2位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム +29秒
3位 NIPPO・ヴィーニファンティーニ +34秒

photo&text:Hideaki TAKAGI

最新ニュース(全ジャンル)