休息日空けの第10ステージは様々な思惑を残すステージに。逃げ切り勝利を挙げたニコラ・ボエムや、パンクとペナルティーによってタイムを失ったリッチー・ポートらのコメントを紹介します。



逃げ切り勝利とマリアロッサ獲得に成功したニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)

祝福のキスを受けるニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)祝福のキスを受けるニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF) photo:Tim de Waele
飛び出したマランゴーニを追撃するニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)飛び出したマランゴーニを追撃するニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF) photo:Kei Tsuji信じられない!今の時点で何といっていいか言葉が見つからない。今日は誰もがスプリントになると思っていたし、僕はチームやスポンサーアピールのために逃げていた。チームとしてはステージ優勝を狙っていたが、それが完全なフラットステージで叶うとは思わなかった。

最大4分46秒までリードを広げたオスカル・ガット(イタリア、アンドローニジョカトリ)ら最大4分46秒までリードを広げたオスカル・ガット(イタリア、アンドローニジョカトリ)ら photo:Tim de Waele逃げグループ内では協調して、残り20km地点では十分なリードを稼ぐことができていて、徐々に可能性を信じることができたんだ。1.5kmでマランゴーニがアタックしたが、逃がすわけにはいかなかったので全力で追いかけた。その時は冷静でいられたし、自分で勝てると思っていた。チームメイトや、僕を信じて毎日声援を送ってくれたガールフレンドに感謝したい。

共に逃げ切りを目指したアレッサンドロ・マラグーティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)

シウトソウに引かれてフィニッシュを目指すリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)シウトソウに引かれてフィニッシュを目指すリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) photo:Kei Tsuji素晴しい逃げだったと思う。フィニッシュまで逃げ切れると気づいた瞬間は凄くスリルだった。夢が叶うかもしれないと思っていたし、ゴール後は涙がこぼれてしまった。でも地元のステージで3位に入ったのは素晴しいことだと思うし、すごく特別な気分だ。

リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)

今日は上手くいかなかったが、もっと最悪な結果にもなりえたと思う。ミラノまで戦う準備はできている。スカイのチームメイトをはじめ、サイモン・クラークとマイケル・マシューズ、素早い復帰をサポートしてくれてありがとう。これこそオージーの友情だ。#oweyouabeer(ビールおごる)

チームスカイのデヴィッド・ブレイスルフォードGM

この競技を象徴するような、スポーツマン同士の熱い助け合いがこんな大きなペナルティになるなんて、非常に残念だ。誰も不公平なアドバンテージを得ようとしたわけではないのに。でも、この結果は、チームの結束と勝利への決意をより良くしてくれた。リッチー(ポート)とチームスカイは戦う準備はできているし、まだジロは2週間も残されている。

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

リッチーの件は残念だ。友人のことを助けてあげたかったんだけれど。こうなってしまったことに対して申し訳ない。

アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフサクソ)

マリアローザを守ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)マリアローザを守ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele
昨日はリカバリーに努めたし、今日もそこまでハードなステージではなかった。でも、最後の局面では集団は非常に速かったから注意して走ったよ。本当に簡単なステージというものは無いし、今日のリッチー・ポートのような状況になることだってある。僕らも何度も経験したように、パンクや落車に巻き込まれるというのはどんなステージでも起こりうること。このジロでも僕も既に経験しているし、今日は彼にとってバッドデイだった。

スプリントを狙ったジャイアント・アルペシンのマルク・レーフコーチ

今日は他のスプリンターチームと協調して逃げを泳がせていた。短い登りが続く区間ではペルッキが追走を諦め、残り50kmでのタイム差は2分半。残り30kmからは30秒ごとに縮まっていった。終盤ではカレイブ(フェアリー)と(ジ)チェンを使って差を詰めたが、完全に主導権を握ったわけではなかった。他のチームも同様で、追いつくまでにはならなかった。

メイン集団の先頭をとったジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)

集団先頭はジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)集団先頭はジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waele今日のステージをコントロールするのは簡単だろうと思っていたんが、蓋を開けてみたら全く真逆の状況になっていた。一日中かなりのハイスピードだったし、ラスト1kmの集団は最高速で進んでいたのに追いつけなかったから、正直逃げ集団の粘りには驚かされた。

長時間メイン集団を牽引した別府史之(トレックファクトリーレーシング)長時間メイン集団を牽引した別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waele今日は本当にものすごく調子が良かったから、スプリントに持ち込めなくてすごく残念だ。こんなに脚が回ると感じたステージはここまで無かったほど。だから次のステージでも同じ調子で行けたら良いし、スプリントに持ち込みたい。

集団牽引役を担った別府史之(トレックファクトリーレーシング)

今日はジャコモのスプリントでステージを狙うために逃げ集団を3分から4分の間でコントロール。35km地点から、4人10分交代で130km程、集団を引いて仕事を終えた。そのあと集団が逃げを吸収できなかったのは残念だ。

※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,CorVos