標高616mのフィウッジにやってきたのは70名弱の集団。3%ほどの勾配が続く緩斜面のスプリントで、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)がパンチの効いた加速を見せました。アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)は無事に集団フィニッシュしています。



レース序盤は直線的な平坦路が続くレース序盤は直線的な平坦路が続く photo:Tim de Waele
キャリア最長レースに挑む石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)キャリア最長レースに挑む石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsujiチームバスから顔を出す別府史之(トレックファクトリーレーシング)チームバスから顔を出す別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji


ジロ・デ・イタリア2015第7ステージジロ・デ・イタリア2015第7ステージ image:RCS Sportジロ・デ・イタリア第7ステージの難易度は2つ星に過ぎないが、その全長は実に264km。グロッセートから南に向かい、ローマ郊外をかすめ、標高616mのフィウッジにフィニッシュする。残り10kmから5kmにわたって続く勾配4%ほどの緩斜面と、残り500mから始まる勾配3%の最終ストレートが勝負のカギを握った。

逃げるニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)ら4名逃げるニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)ら4名 photo:Tim de Waeleレース時間が7時間を超える今大会最長ステージで逃げたのはマルコ・バンディエラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)、ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)、ニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、CCCスプランディポルコウィチェ)の4名。

この日もティンコフ・サクソがメイン集団を牽引この日もティンコフ・サクソがメイン集団を牽引 photo:Tim de WaeleUCIプロコンチネンタルチーム所属選手で構成された4名逃げは、海から吹く向かい風に苦しめられながらもリードを広げる。フィニッシュまで200kmを残して10分まで広がったタイム差を、先頭4名は数時間にわたってキープした。

スプリントポイントでエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)とジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)がマリアロッサを懸けた動きを見せたことを除いて、レースは淡々と進行する。ヴィヴィアーニはマリアロッサ奪還に成功している。

この日もメイン集団を長時間牽引したのはティンコフ・サクソ。前日に落車したマリアローザのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)は左肩を脱臼したことを感じさせない走りを見せる。レース後半に差し掛かるとBMCレーシングやトレックファクトリーレーシングが集団ローテーションに合流した。

終盤のアップダウン区間が始まると逃げグループは崩壊。粘り強く逃げたミハイロフも残り20kmでカメラに手を振って後退する。ティンコフ・サクソを先頭に、メイン集団がフィウッジへの登坂をスタートさせた。



前日に左肩脱臼を負いながらも走るマリアローザのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)前日に左肩脱臼を負いながらも走るマリアローザのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Kei Tsuji
コースのいたるところで見られるイタリア国旗コースのいたるところで見られるイタリア国旗 photo:Tim de Waele粘り強く逃げるニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、CCCスプランディポルコウィチェ)粘り強く逃げるニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、CCCスプランディポルコウィチェ) photo:Tim de Waele
ジロはトスカーナ州からラツィオ州へジロはトスカーナ州からラツィオ州へ photo:Tim de Waele


マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)がメイン集団を牽引マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)がメイン集団を牽引 photo:Tim de Waeleマイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)らがペースを作るメイン集団からは次々とピュアスプリンターたちが脱落。登りでアタックが生まれないまま、およそ70名に絞られた状態で登坂を終了する。残り5kmからの平坦区間で主導権を握ったのはサイモン・ゲランス(オーストラリア)擁するオリカ・グリーンエッジだった。

集団内で登りをこなすマリアロッサのアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)集団内で登りをこなすマリアロッサのアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele残り500mを切って3%ほどの緩斜面に差し掛かると今度はランプレ・メリダが先頭へ。マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)がサーシャ・モードロ(イタリア)を先導したものの、肝心のモードロはスプリント出来ずに失速してしまう。ちょうど時を同じくして、チームメイトが別ラインから加速を開始した。

登りスプリントを制したディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)登りスプリントを制したディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji後方から勢いよく加速したウリッシが先行する選手たちを次々にパス。ゲランスのスプリントも、フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)の追い上げも届かない。ピュアスプリンターのいない登りスプリントでウリッシが勝利した。

雄叫びをあげてフィニッシュラインを駆け抜け、地面に倒れこみ、叫びながらチームメイトたちと抱き合ったウリッシ。「他にもスプリントに強い選手が揃っていたので今日は優勝候補とは言えなかったけど、とても調子が良かったので挑戦する以外に選択肢がなかった。9位でも10位でもいいから勝負に絡みたいと思っていた。前を塞がれることが怖くて早めにスプリントを開始したんだ」と、ジロのステージ通算4勝目を飾ったウリッシは語る。

ウリッシは2014年ジロ期間中のドーピング検査でサルブタモールの「違反が疑われる分析結果」が発覚。しかしTUE(治療目的使用に関わる除外措置)の許可を得てベントリン(硫酸サルブタモール)を吸引していたと主張し、出場停止処分を受けることなくレースに復帰していた。「困難な年を送った自分にとってこの勝利はスペシャルだ」とウリッシは語っている。

左肩脱臼の影響が心配されたコンタドールは登りで遅れることなく集団内フィニッシュ。総合リードを1秒も失うことなくマリアローザを守っている。総合争いは翌日の1級山岳カンピテッロ・マテーゼ山頂フィニッシュで再び動きを見せる。

現地の様子や日本人選手のコメントなどは現地レポートでお伝えします。



集団内で無事にフィニッシュするアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)集団内で無事にフィニッシュするアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Kei Tsujiポランクと喜び合うディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)ポランクと喜び合うディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji
ステージ通算4勝目を飾ったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)ステージ通算4勝目を飾ったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji


ジロ・デ・イタリア2015第7ステージ結果
1位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)            7h22’21”
2位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
3位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
5位 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニCSF)
6位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニCSF)
7位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
8位 グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディポルコウィチェ)
9位 ケヴィン・レザ(フランス、FDJ)
125位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)            +10’22”
180位 石橋学(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)              +18’56”

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)        27h48’00”
2位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)                     +02”
3位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)               +20”
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)             +22”
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)                    +28”
6位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)          +37”
7位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)             +56”
8位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)                    +1’01”
9位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ガーミン)         +1’15”
10位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)             +1’18”

マリアロッサ ポイント賞
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)

マリアアッズーラ 山岳賞
ヤン・ポランク(スロベニア、ランプレ・メリダ)

マリアビアンカ ヤングライダー賞
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

チーム総合成績
アスタナ

text&photo:Kei Tsuji in Fiuggi, Italy
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