カリフォルニアは相変わらず絶好の天気。ワイン生産で栄えるローダイ中心街でのスプリントで、イエローのリーダージャージを着用したマーク・カヴェンディッシュがペーター・サガンを僅差で下し、開幕2連勝を達成した。



ネヴァダシティからローダイへと至る丘陵地帯を走り抜ける第2ステージネヴァダシティからローダイへと至る丘陵地帯を走り抜ける第2ステージ photo:www.amgentourofcalifornia.com


スタート前に戯れるペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)スタート前に戯れるペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:www.amgentourofcalifornia.comネバダシティからスタートしていくプロトンネバダシティからスタートしていくプロトン photo:www.amgentourofcalifornia.comリーダージャージを擁するエティックス・クイックステップが集団をコントロールするリーダージャージを擁するエティックス・クイックステップが集団をコントロールする photo:www.amgentourofcalifornia.comワイン農場の家族が日影で観戦中ワイン農場の家族が日影で観戦中 photo:www.amgentourofcalifornia.com現在開催中のツアー・オブ・カリフォルニア(UCI2.HC)第2ステージ。プロトンは150年以上前のカリフォルニア・ゴールドラッシュの際に繁栄したネバダシティから一路南下し、当地方のワイン生産中心地でもあるローダイまでの193.7kmを駆け抜けた。

標高およそ900mのネバダシティからアップダウンを刻みながら高度を下げ、中盤以降は昨日に引き続き完全なフラットコース。この日も集団スプリントに持ち込まれるものと予想されていたが、序盤からダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)、マルケル・イリサール(スペイン、トレックファクトリーレーシング)、ルイスロメロ・アマラン(キューバ、ジェイミス・ハーゲン)、ロビン・カーペンター(アメリカ、ヒンカピーレーシング)の4名が逃げを打った。

リーダージャージのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)を従えるエティックス・クイックステップが牽く集団に対し、逃げる4名のタイムギャップはおよそ4分弱。この日は3つの中間スプリントと1つのKOMポイントを全てカーペンターが1位通過し、ボーナスタイム(3秒×3=-9秒)を荒稼ぎしてみせる。

結果的にカーペンターはこのステージ終了時点で山岳賞とヤングライダー賞1位、そして総合でも3位へと急浮上している。

アップダウンで100名ほどに減った集団では、ペーター・サガン(スロバキア)を勝たせたいティンコフ・サクソも牽引に加わる。その後方では山岳ステージでの活躍が期待されていたワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)がレースから降りている。

ローダイの周回コースに突入する頃には先頭からアマランが脱落し、スプリントに向けてスピードを上げ続ける集団が迫り来る。残り3kmでスタートから190kmに渡って逃げたオス、イリサール、カーペンターを飲む込むと、ドラパックやBMC、ティンコフ・サクソ、エティックスが入り乱れるようにして最終コーナーに突入した。

どのチームも支配的なトレインを組むことができない状況下、ティンコフ・サクソのアシストの背後から真っ先に仕掛けたのはアジア・オセアニアのレースで強い存在感を見せるワウテル・ウィッパート(オランダ、ドラパックプロサイクリング)。

勢い良く先頭をキープしたウィッパートだったが、その両側からカヴェンディッシュとサガンが抜き去り、2人はゴールライン上でハンドルを投げながらフィニッシュ。ごく僅差の末、軍配は最後に伸びたカヴェンディッシュに上がった。



ゴールラインぎりぎりまで競り合ったスプリントゴールラインぎりぎりまで競り合ったスプリント photo:www.amgentourofcalifornia.com
2連勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)2連勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:CorVosポイント賞ジャージの袖に腕を通すマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)ポイント賞ジャージの袖に腕を通すマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:www.amgentourofcalifornia.com




「かなりナーバスだった。エティックス・クイックステップは今日一日を通してコントロールを担い、最後は(マッテオ)トレンティン、(ジュリアン)アラフィリップ、(マーク)レンショー、そして僕の4人しか残すことができなかった。8人を残していたフレッシュなチームに対してはどうしても分が悪く、最終局面ではかなりハードに走らざるをえなかったんだ」とはカヴ。

「最後はサガンが僕の前に入ってきたけれど、向かい風だったためむしろ好都合だったんだ。ちらりと振り返るとドラパックの選手(ウィッパート)が上がってきて、彼の動きに合わせようと思ったが少しだけ囲まれてしまった。でも諦めずに加速すると、サガンがウィッパートの番手に入っているのを見たので"これはハードなフィニッシュになる"と思った。ゴールライン上では勝ったかどうか分からなかったけれど、チームの働きの結果、勝利できて良かった」と加えた。



ツアー・オブ・カリフォルニア2015第2ステージ結果
1位  マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ワウテル・ウィッパート(オランダ、ドラパックプロサイクリング)
4位 ジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
5位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
6位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
7位 セバスティアン・アエド(アルゼンチン、ジェイミス・ハーゲン)
8位 タイラー・ファラー(アメリカ、MTNキュベカ)
9位 ユーレ・コチャン(スロベニア、スマートストップ)
10位 ジーコ・ワイテンス(ベルギー、ジャイアント・アルペシン)
4h47'02"











個人総合成績
1位  マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ロビン・カーペンター(アメリカ、ヒンカピーレーシング)
4位 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパックプロサイクリング)
5位 マルケル・イリサール(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
6位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
7位 ワウテル・ウィッパート(オランダ、ドラパックプロサイクリング)
8位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)
9位 ジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
10位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
9h30'09"
+08"
+11"

+14"
+16"


+20"



ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)

山岳賞
ロビン・カーペンター(アメリカ、ヒンカピーレーシング)

ヤングライダー賞
ロビン・カーペンター(アメリカ、ヒンカピーレーシング)

チーム総合成績
ティンコフ・サクソ

text:So.Isobe
photo:CorVos


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