縮小した集団によるスプリントで頭一つ抜き出たスピードを見せたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)が大会3勝目をマーク。ツアー・オブ・ターキーは翌日にイスタンブールでクライマックスを迎えます。



総合リーダージャージとポイント賞ジャージを有するランプレ・メリダ総合リーダージャージとポイント賞ジャージを有するランプレ・メリダ photo:Kei Tsuji
出走サインに向かう山本元喜と黒枝士揮(NIPPOヴィーニファンティーニ)出走サインに向かう山本元喜と黒枝士揮(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsujiジャックナイフを決めるマッティア・ポッツォ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)ジャックナイフを決めるマッティア・ポッツォ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji


総合首位クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)総合首位クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji前日のフィニッシュ地点「聖母マリアの家」の麓に位置するセルチュクをツアー・オブ・ターキー第7ステージはスタートする。

逃げグループを率いるショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)逃げグループを率いるショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsujiレース後に直線距離で400kmほど離れたイスタンブールへの移動が控えているため、スタート時間はいつもよりかなり早めの午前9時40分。柔らかい朝陽を浴びながら選手たちは出走サインを済ませ、ローマ時代の遺跡に別れを告げて168kmコースに繰り出した。

チームメイトに守られるターコイズジャージチームメイトに守られるターコイズジャージ photo:Kei Tsujiこの日は53km地点で2級山岳カラベル峠、136km地点で1級山岳サブンクベリ峠を越える、カテゴリー的には中級山岳ステージ。大会初登場の1級山岳サブンクベリ峠からフィニッシュまでは29kmしかないが、21秒の総合リードを有するクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)は「ライバルたちが動くだろうけど、総合が動くような難易度ではない」と予想する。

ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)、ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)、ムハメット・アタライ(トルコ、トルク・セケルスポール)の3名逃げが7分近いリードを築いて最初の2級山岳カラベル峠をクリアし、メイン集団はランプレ・メリダが淡々とコントロールする展開。レース中盤に差し掛かると、ステージ優勝に意欲を見せるチームによる集団ペースアップが始まった。

MTNキュベカやユナイテッドヘルスケア、オリカ・グリーンエッジが集団を率いて逃げを追撃する。ペースが上がった集団の後方ではセルゲイ・グレチン(ウクライナ、トルク・セケルスポール)が激しく落車し、救急車で病院に搬送されている(肋骨5本を骨折)。

無理矢理とも言うべきコース取りで大会スポンサーの一つであるトルコの家電大手ヴェステル社の巨大工場を通過し、最後の1級山岳サブンクベリ峠に向かうメイン集団。登りが始まる頃にはタイム差が1分を下回り、先頭で粘ったアニョーリとデビーも結局は吸収された。



ランプレ・メリダがメイン集団をコントロールするランプレ・メリダがメイン集団をコントロールする photo:Kei Tsuji
MTNキュベカやユナイテッドヘルスケアが牽引するメイン集団MTNキュベカやユナイテッドヘルスケアが牽引するメイン集団 photo:Kei Tsuji集団内で走る山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)ら集団内で走る山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)ら photo:Kei Tsuji
ドクターによる応急処置を受けるセルゲイ・グレチン(ウクライナ、トルク・セケルスポール)ドクターによる応急処置を受けるセルゲイ・グレチン(ウクライナ、トルク・セケルスポール) photo:Kei Tsujiリーダージャージを着るクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)リーダージャージを着るクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji
イズミルへの道中、何かの記念碑を通過イズミルへの道中、何かの記念碑を通過 photo:Kei Tsuji


1級山岳に向かってアタックするトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)1級山岳に向かってアタックするトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji勾配5%前後が続く登りを進むうちにメイン集団は人数を減らし、頂上まで1kmを残してマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)も脱落。前日のステージで総合首位を奪われたダヴィデ・レベッリン(イタリア、CCCスプランディポルコウィチェ)がトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)らと飛び出すシーンも見られたが、決定的なリードを奪えないまま頂上通過を迎える。

1級山岳で人数を減らしたメイン集団1級山岳で人数を減らしたメイン集団 photo:Kei Tsuji頂上通過の時点で集団は約40名に縮小。カヴェンディッシュは1分もの遅れを喫したが、エティックス・クイックステップのサポートによって下りで挽回する。人口400万人のトルコ第三の都市イズミルに差し掛かる残り12km地点でカヴェンディッシュは無事にメイン集団に復帰した。

スプリントで他を圧倒したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)スプリントで他を圧倒したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji約90名にまで人数を増やした集団がイズミルのフィニッシュ地点にやってきた。ランプレ・メリダやロット・ソウダル、バルディアーニCSFが集団先頭を固め、追走に力を使ったエティックス・クイックステップは控えめに集団中程でタイミングを待つ。

スプリント3勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)スプリント3勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji残り1kmでのブリース・フェイユ(フランス、ブルターニュ・セシェ)のロングスパートは決まらず、ロット・ソウダルがリードする形でスプリントへ。するとフィニッシュまで500mを残した抜群のタイミングでマーク・レンショー(オーストラリア)が先頭に立ち、カヴェンディッシュを解き放つ。ビッグスプリンターを欠く小集団スプリントでカヴェンディッシュの敵はいなかった。

余裕のスプリントで3勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)余裕のスプリントで3勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsujiスプリント3勝目を飾ったカヴェンディッシュは「仮に無理して集団先頭のペースに合わせて走って、集団に食らいついて頂上をクリアしていれば結果は違っていたと思う」と語る。

「ピュアスプリンターの多くが登りで脱落していたので、スプリントの観点から言うと簡単な勝利だった。ライバルチームのペースアップは想定内で、チームの力があれば集団に復帰出来ると思っていた。だからリミットまで追い込むことなくテンポで登りをこなして、そこからチームメイトの素晴らしい走りが始まったんだ。今日最大の収穫はチームが常に固まって走ったこと。フィニッシュラインを先頭で駆け抜ける瞬間よりも、チーム一丸となって走っていた瞬間の満足度は大きかったよ」。経験に裏打ちされた熟練の走りで3勝目を掴んだカヴェンディッシュは、すでにターキッシュエアラインズのマイレージ60万マイル(ステージ1勝=20万マイル)を手にしている。

スプリントでずば抜けた力を見せているカヴェンディッシュだが、ポイント賞ジャージは連日ステージ上位フィニッシュしているダニエーレ・ラット(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)の手に。カヴェンディッシュは2ポイント差の2位で続いており、ポイント賞争いは最終日まで持ち込まれる。総合順位に変動はなく、デュラセックがターコイズジャージを守った。

午後2時前にレースを終えた選手たちは足早に会場を後にし、15kmほど離れたイズミル空港に直行。空港近くのホテルでシャワーを浴び、報道陣や大会関係者とともにイスタンブール空港に向けて1時間に満たない空の旅を楽しんだ(チームカーや大会関係車両はイスタンブールまで6時間前後の陸路移動中)。


チームメイトを笑顔で迎えるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)チームメイトを笑顔で迎えるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji総合首位を守ったクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)総合首位を守ったクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji
第7ステージ結果、2位ピエケーレ、1位カヴェンディッシュ、3位ズバラーリ第7ステージ結果、2位ピエケーレ、1位カヴェンディッシュ、3位ズバラーリ photo:Kei Tsuji


ツアー・オブ・ターキー2015第7ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) 3h59’49”
2位 アンドレア・ピエケーレ(イタリア、バルディアーニCSF)
3位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
4位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
5位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ダニエーレ・ラット(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
7位 アルマンド・フォンセカ(フランス、ブルターニュ・セシェ)
8位 ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
10位 バフティアール・コザタイェフ(カザフスタン、アスタナ)
145位 山本元喜(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)             +11’35”
151位 黒枝士揮(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)

個人総合成績
1位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)       28h21’23”
2位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、CCCスプランディポルコウィチェ)       +21”
3位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)        +32”
4位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)         +1’14”
5位 アレックス・カノアルディラ(コロンビア、コロンビア)            +1’30”
6位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、MTNキュベカ)               +1”32”
7位 ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)        +2’05”
8位 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)            +2’08”
9位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)            +2’18”
10位 トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、トルク・セケルスポール)      +2’20”

ポイント賞
ダニエーレ・ラット(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)

山岳賞
フアンパブロ・バレンシア(コロンビア、コロンビア)

ビューティーズオブターキースプリント賞
ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)

チーム総合成績
カハルーラル

text&photo:Kei Tsuji in Izmir, Turkey

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