吉本興業株式会社(本社大阪市)がすすめる”ふるさとアスリート制度”に、このほど辻善光(TeamZenko)が登録、2015年から活動を開始した。



”ふるさとアスリート制度”に登録し活動開始の辻善光”ふるさとアスリート制度”に登録し活動開始の辻善光 photo:So ISOBEシクロクロス東京2015を走る辻善光シクロクロス東京2015を走る辻善光 photo:So ISOBE公式ホームページによれば、吉本興業は1912年の創業以来、才能ある人材が活躍できる場を作ることに尽力してきた。そして2014年8月からはアスリートの持つ優れた資質を活かす”ふるさとアスリート制度”をスタートさせた。これは同社が2011年から始めた「あなたの街に住みますプロジェクト」で得た経験やネットワークを活かし、才能あふれるアスリートたちがスポーツの力で社会に地域に貢献できる場を提供することを目的とする。

スポーツ選手にとってはプロ・アマあるいは現役・引退問わず優れた資質、可能性を活かせるメリットがある。そして自治体や学校、団体などにとっては子どもたちあるいは地域を盛り上げるために適切な人材に依頼することができる。この両者の思いを繋げるのがこの制度だ。

具体的な活動内容は、まず子どもたちのために課外授業のゲスト講師、クラブ活動の臨時コーチ、地域の大会へ参加や指導など。健康を守るために地元企業や社会人チームなどで講演や講習などがある。スポーツ教室での指導、イベントを盛り上げる、スポーツで地域を活性化、未来を担う才能の発掘の手伝いが行なえる。(以上、吉本興業HPより)
ツール・ド・熊野2010(UCI2.2)第1ステージ優勝ツール・ド・熊野2010(UCI2.2)第1ステージ優勝 photo:Hideaki TAKAGIプロ・ロード選手としての引退レースとなったJBCFいわきクリテリウム2014プロ・ロード選手としての引退レースとなったJBCFいわきクリテリウム2014 photo:Hideaki TAKAGI
「自転車を通じて子どもから大人まで楽しく安全な環境を作りたい」辻善光

このほど私、辻善光は吉本興業株式会社のすすめる”ふるさとアスリート制度”に登録し活動を開始します。昨年にロード選手としての引退を決めた頃に、テレビでふるさとアスリートという制度が始まったことを知り、応募してみたことがきっかけです。自転車というツールを通じて子どもから大人まで楽しく安全な環境を作っていきたいということを面接のときに話したら共感してもらえました。もちろんこれからこの環境づくりに取り組みます。

一例を挙げるならば、子供たちにはただ事故に注意することを伝えるだけでなく、もしものためのバイクコントロールを学んでもらいたいですね。これは調べたらわかったことなのですが、今の子どもたちは後輪をロックしてドリフトしながら危険を回避することや、段差を飛び降りることなどをしたことがないのです。

自分が子どものころに自転車を壊しながら学んだことを、今の子どもたちは周囲から止められ、こういう経験をしたことがないのですね。ですので事故を目の前で見せる安全講習を、そして事故しそうになったときにどう回避するかという講習に発展させるきっかけを作りたいですね。

私は昨年にプロロード選手を引退しましたが、これからのふるさとアスリートとしての活動を通じて出会った人にレースを見てもらいたいと強く思っています。今後もホビーレースや、トラック、シクロクロス、トライアスロンなどの大会に出場したいですね。レースを観戦するきっかけ作りをたくさん作りたいと考えています。



辻 善光(つじ よしみつ)プロフィール

1984年生まれ、奈良県奈良市出身
京都府立北桑田高校から立命館大学へ進学。卒業後はマトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、チーム右京、湘南ベルマーレ、現在はTeamZenkoで活動
全日本学生クリテリウム優勝2回、2006年ツール・ド・北海道(UCI2.2)山岳賞ジャージ着用(大学生初)、2008年大分国体ロード優勝、2010年ツール・ド・熊野(UCI2.2)第1ステージ優勝、JBCF白浜クリテリウム連覇(2011、2012)、同2012年湾岸クリテリウム優勝

text:高木秀彰