自転車競技史上最多の525勝を誇るベルギーの英雄エディ・メルクスのバイクブランド「EddyMerckx」。そのラインナップに登場したブランド初のフルカーボンCXバイク「eeklo70」を紹介しよう。あまりの強さからカンニバル(人喰い)と称され、シクロクロスでも数多くの勝利を挙げた氏のスピリットが宿る1台だ。



エディ・メルクス eeklo70ディスクブレーキ仕様エディ・メルクス eeklo70ディスクブレーキ仕様 photo:Yuya.Yamamoto
エディ・メルクスのラインナップにおいて久々に登場したシクロクロスバイク。それが今回紹介する「eeklo70」だ。シクロクロスの盛んなベルギーのブランドだけに金属フレーム全盛期こそ多くのCXバイクをラインナップしていたが、最近はめっきりと減少。しかしメルクス氏が70歳を迎えた2015年、同社初のフルカーボン製バイクが遂にデビューを飾った。

車名の由来は「eeklo」というベルギーのCXレースにあり、メルクスは1970年の同大会でCX世界選手権6連覇の偉業を誇るエリック・デフラミンクを破り優勝。ダウンチューブにはその際の開催日時とレース距離、フィニッシュタイムが刻まれている。

メルクスが勝利した伝説的なレースを車名に冠しているメルクスが勝利した伝説的なレースを車名に冠している ダウンチューブにはメルクスが1970年のeekloシクロを勝った際の記録が記されているダウンチューブにはメルクスが1970年のeekloシクロを勝った際の記録が記されている

BBはトラブルのリスクが少ないトラディショナルなネジきりタイプBBはトラブルのリスクが少ないトラディショナルなネジきりタイプ ディスク仕様のリアブレーキ台座はチェーンステーに設けられているディスク仕様のリアブレーキ台座はチェーンステーに設けられている (c)www.eddymerckx.be


フレーム素材には300GPaクラスとあえてミドルグレードのカーボンを使用。ハイエンドモデルでも採用されるCL+という独自テクノロジーによってカーボンシートのレイヤリングを最適化することで、加速性や強度、耐久性、振動吸収性、トラクション性などCXバイクに求められる様々な性能を兼ね備えることに成功したという。

ジオメトリーはメルクスの経験やノウハウを基に、俊敏さとスタビリティの両立を目指したものに。直進安定性を重視してヘッドアングルを寝かせ気味にする一方で、シートアングルを立たせることで反応性を向上。泥詰まりを軽減するためにクリアランスも十分だ。

エディ・メルクス eeklo70カンチブレーキ仕様エディ・メルクス eeklo70カンチブレーキ仕様 (c)深谷産業
販売パッケージは制動力に優れ雨や泥に強いディスクブレーキ仕様と、トラディショナルなカンチブレーキ仕様の完成車が2タイプ用意される。

蛍光グリーンの差し色がスポーティーなディスクブレーキ仕様は、メインコンポーネントにシマノ6800系アルテグラを、STIレバーにメカニカルシフトと油圧ブレーキを組み合わせたシマノST-RS685を採用。ハンドル周りにデダ・エレメンティのプロユースモデル「Zero100」シリーズを取り入れるなど、上級者でも満足できる実戦仕様な1台だ。サイズは48、50、52の3種類が揃う。

ブラックとホワイトのシンプルなグラフィックのカンチブレーキ仕様は、後々のアップグレードが容易なリア11速のシマノ105ブラックをメインコンポーネントに採用する。雨や泥に対するシーリングを強化したフルクラム製ホイールを装備し、ハンドル周りはデダ・エレメンティ製で統一。サイズは48、50、52、54の4種類が揃う。



エディ・メルクス eeklo70ディスクブレーキ仕様(完成車)
フレーム素材:CL+300
メインコンポーネント:シマノ 6800系ULTEGRA
ブレーキレバー:シマノST-RS685
ホイール:シマノ RX31 Disc
ハンドル、ステム、シートポスト:デダ・エレメンティ Zero100
サドル:プロロゴ Zero II T2.0
サイズ:48、50、52
カラー:グリーン/ブラック/ホワイト
価 格:350,000円(税抜)

エディ・メルクス eeklo70カンチブレーキ仕様(完成車)
フレーム素材:CL+300
メインコンポーネント:シマノ 5800系105
ブレーキ:シマノ CX50
ホイール:フルクラム Racing Sport CX
ハンドル:デダ・エレメンティ RHM01
ステム:デダ・エレメンティ Zero1
シートポスト:デダ・エレメンティ RSX1
サドル:プロロゴ Kappa Evo STN
サイズ:48、50、52、54
カラー:グリーン/ブラック/ホワイト
価 格:245,000円(税抜)