ライプハイマーがランス率いるレディオシャックと2年契約を結ぶ

2010年、ランス・アームストロング（アメリカ）が立ち上げる「チームレディオシャック」の全貌が徐々に明らかになってきた。フランスのレキップ紙によると、ヨハン・ブリュイネール監督に続いて、アスタナからリーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ）ら5名が新チームに移籍する。

ツアー・オブ・カリフォルニアで3連覇中のリーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、アスタナ） photo:Cor Vos2007年のツール・ド・フランスで総合3位に入り、昨年ブエルタ・ア・エスパーニャで総合2位。身長170cmの小柄なカラダながら、タイムトライアルでスペシャリストを打ち破る弾丸ライプハイマーが、来季チームレディオシャックに加わる。

レキップ紙の中でライプハイマーは「来シーズンに向けていくつかの選択肢があったが、世界最高のチームと契約することにした」とコメント。来季もランス＝リーヴァイの強力なタッグが見られることになった。

ライプハイマーは現在ツアー・オブ・カリフォルニアで前人未到の3連覇中。開催時期が2月から5月に移動する2010年のカリフォルニアでは、もちろん大会4連覇を狙っていく。そして6月のドーフィネ・リベレで調子を上げ、7月のツールに挑む予定だ。ライプハイマーは「カリフォルニア、ドーフィネ、ツールの3つが、来季の最大の目標」と語っている。

今年のツールでライプハイマーは第12ステージのゴール前で落車し、手首の舟状骨（しょうじょうこつ）を骨折。総合4位の好位置につけていたが、翌日の第13ステージをスタートすることなくレースを去った。来年のツールでは、大会8勝目を目指すランスを強力にサポートすることになるだろう。

手首骨折でツールをリタイアしたリーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、アスタナ） photo:Cor Vosすでにチームレディオシャックは、現アスタナ監督のヨハン・ブリュイネールを獲得。ライプハイマーの他にも、セルジオ・パウリーニョ（ポルトガル）、グレゴリー・ラスト（スイス）、トーマス・ヴァイクス（リトアニア）、ホセルイス・ルビエラ（スペイン）の4名がランスを追ってアスタナから新チームに加わる。

更にクイックステップ所属のセバスティアン・ロセレル（ベルギー）がチームと2年契約を結び、クラシックシーズンを見据えて戦力を強化。まだ正式なアナウンスは無いが、カチューシャを離脱したヘルト・ステーグマン（ベルギー）との交渉が進んでいると、レキップ紙は伝えている。

すでにチームレディオシャックはUCIプロツアーライセンスを申請しており、チーム結成1年目から多くのトップレースに出場することになるだろう。デビュー戦は、2010年1月17日〜24日に開催されるツアー・ダウンアンダーの予定だ。


text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos