ブエルタ・ア・エスパーニャはいよいよクライマックス。超級山岳アンカレス峠で頂上決戦を繰り広げたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)やクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)らのコメントをお届けします。



ステージ1位・総合1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

超級山岳アンカレス峠の頂上にフィニッシュするアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)超級山岳アンカレス峠の頂上にフィニッシュするアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waeleクリス・フルームのような選手と張り合い、闘うことはモチベーションになる。輝かしい戦歴と高いポテンシャルをもつ彼に挑戦することは大きなやる気に繋がった。世界最高峰の選手に勝つことはいつだって嬉しい。特に厳しい環境であればなおさらだ。来シーズン以降も一騎打ちを繰り広げることになるだろう。彼と走り、彼に勝つことが自分を突き動かす。

不甲斐ない2013年シーズンを乗り越えてトップレースで優勝争いに返り咲いた。もうピークを過ぎてしまったように感じたシーズンを忘れ去るために、細かなところにまで目を凝らし、モチベーション高く練習に打ち込んだんだ。このシーズンはチャレンジの連続だった。ツール・ド・フランスだけでなく、シーズンを通して成績を残すことが目標で、落車したレースを除いて常に優勝争いに絡むことが出来た。素晴らしいシーズンだったと思う。

決してイージーではなかったけど、フルームのアタックにも身体は小気味良く反応したよ。リズムや強度、ペースの変化に対応しながらライバルの動きに反応する。常に忍耐強くなければならない。

出場選手の豪華さを見ると過去最高のブエルタだった。でも自分にとってはフエンテデで奇襲アタックして総合優勝した2012年のブエルタのほうが特別だ。

仮メンバーに名前が入っていたけど、世界選手権にスペイン代表として出場する予定はない。前から繰り返し言っているように、出場しないことに決めているんだ。すでに代表チーム側にも意向は伝えてある。自分以外の選手たちがチームを組み、良いレースをしてくれるはず。スペインはメダル獲得の有力候補だ。

ステージ2位・総合2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

超級山岳アンカレス峠の頂上を目指すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)とアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)超級山岳アンカレス峠の頂上を目指すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)とアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waeleアルベルトを打ち破るために全てを尽くした。素晴らしいチームワークでタフな展開に持ち込み、アルベルトを危機に追い込むための下地を作ってくれた。そこから先頭に立って全開で攻めたんだ。でも残念ながらアルベルトを引き離すことは出来なかった。何度も何度もアタックしたけど常に後ろには彼の姿があった。出来ることを尽くしたけど、単純に彼のほうが強かった。

開幕時点の目標やコンディションを考えると満足の走りだったと言える。総合トップ10に入れるかどうかも全く確信を持てないまま開幕を迎えたので、総合2位という結果にはとても満足している。将来に向けてのモチベーションを与えてくれるよ。腕の骨折からの復帰直後という難しい状況で、自分にとって総合表彰台は偉大な功績だ。

ステージ3位・総合3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

総合表彰台のポジションをキープ出来たことに満足している。今年のブエルタは気を緩めるポイントが全くなかった。もしナイロ・キンタナが2度落車してリタイアしていなければ違った結果になっていたと思う。でもチームは勝負を続けた結果、ステージ2勝と総合3位。決して悪くない結果だと思う。

ステージ4位・総合4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

超級山岳アンカレス峠で真っ先に動いたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)超級山岳アンカレス峠で真っ先に動いたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de Waele自分よりも強い選手がいた。ただそれだけだ。今日のステージはサプライズが起きる可能性を秘めていたので全開で攻撃を仕掛けた。アンカレス峠は好きな登りの1つ。フルームが追いついてきたとき、何とか食らいついて勝負に持ち込みたいと考えていた。でも彼のアタックに対応出来ずに失速してしまった。

これが現実だ。このブエルタではコンタドールとフルームが最も強かった。世界選手権ではバルベルデがスペイン代表チームのエースを担う。自分はまだ周回コースを試走していないけど、コースは完全にバルベルデ向きだと聞いている。バルベルデこそが世界チャンピオン候補の筆頭だ。

ステージ6位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)

第17ステージでキャノンデールのチームカーと衝突して膝を痛めてしまった。治療を受けたものの今日も痛みがあった。でもモチベーションを絶やさずに挑戦し続けた。1週目には体調を崩していたし、ステージ6位と総合8位という結果に満足しているよ。

敢闘賞を獲得したジェローム・コッペル(フランス、コフィディス)

逃げグループを率いるジェローム・コッペル(フランス、コフィディス)逃げグループを率いるジェローム・コッペル(フランス、コフィディス) photo:Unipublicレース開始直後から逃げに乗るための闘いが始まり、4名の先行が決まってからもタイム差がなかなか広がらなかった。かなり苦しんだよ。タイム差が10分まで広がった時は逃げ切りが現実的になったものの、チームスカイが集団牽引を開始したと聞いて幻想は消えた。総合系のチームに本気で追走されたらひとたまりもない。逃げ切りを果たすには逃げの人数が少なかった。でも逃げのラストチャンスに挑戦出来たので悔いはないよ。

山岳賞獲得のルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)

まさかグランツールで山岳賞に輝く何て思っていなかった。しかもブエルタでだ。今日は山岳賞に危険を及ぼす存在のニエミエツが逃げに乗ったので慌ててカハルーラルが追走を開始。するとランプレのチームカーがやってきて、ニエミエツが山岳賞を狙わないことを約束してくれた。カハルーラルにこのジャージをもたらすことが出来て嬉しいよ。チームはこの山岳賞ジャージとステージ優勝に目標を切り替え、それを実行したんだ。

text:Kei Tsuji

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