フランスを代表する兄弟と言えば、ツール・ド・フランスで活躍したブリースとロメンのフェイユ兄弟(フランス)だろう。今年限りでスポンサーが撤退するアグリチュベル離脱を決めた2人は、オランダ登録のプロコンチネンタルチーム、ヴァカンソレイユへの移籍を決めた。

独走でアルカリスの頂上ゴールに飛び込むブリース・フェイユ(フランス、アグリチュベル)独走でアルカリスの頂上ゴールに飛び込むブリース・フェイユ(フランス、アグリチュベル) photo:Cor Vos初出場のツールで超級山岳アンドラ・アルカリスの頂上ゴールで優勝するという鮮烈なデビューを飾ったブリース・フェイユ。昨年のツールでマイヨジョーヌを着た兄ロメン・フェイユとともに、チーム移籍を決めた。

レキップ紙が伝えたところによると、2人の移籍先はUCIプロコンチネンタル登録のヴァカンソレイユで、契約は2010年から2011年までの2年間。ヴァカンソレイユはラボバンクとスキル・シマノに次ぐオランダ第3のチームで、8月29日に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャ初出場を決めている。

契約を済ませたフェイユ兄弟とチームマネージャーのダン・ルイクス氏契約を済ませたフェイユ兄弟とチームマネージャーのダン・ルイクス氏 photo:Cor Vos現在ヴァカンソレイユには、ツール・ド・ポローニュ開幕ステージを制したボルト・ボジッチ(スロベニア)や、2003年ツールでマイヨヴェールを獲得したバーデン・クック(オーストラリア)、昨年ツール・ド・北海道総合6位のジョニー・フーガーランド(オランダ)らが所属しており、今シーズンの勝利数は12勝。

現在フェイユ兄弟が所属するアグリチュベルは、スポンサー撤退に伴う今シーズン限りでのチーム解散が決定。すでに多くの選手が離脱を発表している。チームリーダーのクリストフ・モロー(フランス)は、ツール期間中にケースデパーニュへの移籍を発表。他にもフレディ・ビショ(フランス)がBboxブイグテレコム、マキシム・ブエ(フランス)とダヴィ・ルレイ(フランス)がアージェードゥーゼル、ケヴィン・イスタ(ベルギー)がコフィディスに移籍予定だ。

24歳の弟ブリースがクライマーで、25歳の兄ロメンがスプリンターという対照的な2人。ヴァカンソレイユのチームマネージャーを務めるダン・ルイクス氏はチーム公式サイトの中で「メンバー補強が成功したことに喜びを感じている。ブリースとロメンはまだ若いが、すでに成績を残しているから即戦力として期待が掛かる。2人の加入によってチームのバランスが向上するだろう。メインスポンサーのヴァカンソレイユ社はフランス市場拡大を見据えているため、フランスを代表する2人の獲得は大きな意味があるんだ」と語っている。ツール出場権獲得を目指すチームは、今後さらなる補強を敢行するだろう。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos