8月に入り、来シーズンへ向けたストーブリーグが早くも加熱。そんな中、ローハン・デニスが8月4日付けでガーミン・シャープからBMCへ電撃移籍。ナセル・ブア二は噂通りコフィディスへの加入が決定した。またツールを制したアスタナはLLサンチェスとラース・ボームを獲得し、チーム力強化を押し進めている。



2013年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネではマイヨジョーヌを着用したローハン・デニス(オーストラリア)2013年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネではマイヨジョーヌを着用したローハン・デニス(オーストラリア) photo:Riccardo Scanferlaプロロードレースシーンでは異例となるシーズン途中の電撃移籍でガーミン・シャープからBMCレーシングへと加入したのは、24歳のローハン・デニス(オーストラリア)。5月のツアー・オブ・カリフォルニアでは超級山岳ステージを制し総合2位でフィニッシュするなど頭角を表しつつあるオーストラリア期待の若手オールラウンダーだ。

タイムトライアルのスペシャリストとして期待されるローハン・デニス(オーストラリア)タイムトライアルのスペシャリストとして期待されるローハン・デニス(オーストラリア) photo:Cor.Vosこの移籍はガーミン・シャープの元監督で、現在はBMCレーシングの監督を務めるアラン・パイパーをデニスが慕ってのこと。デニスは「最初にプロとしてパイパーの元で走った(2年前の)ツール・ダウンアンダーの活躍を認められてガーミン・シャープへ加入できたんだ。僕にとってパイパーは最良の監督の1人。再び彼の元で走れること、そしてBMCレーシングの一員になれることが楽しみで仕方ない。」と語る。

一方で古巣とジョナサン・ヴォーターズGMへの感謝の弁についても述べている。「ヴォーターズ、チームメイト、スタッフの大きなサポートがあったからこそ沢山の好成績を出すことができ、この移籍が実現したんだ。だから、この1年半に渡って僕を支えてくれた彼らには感謝したい。」

デニスは8月23日に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャへの出場が既に決定している。なお、ジム・オショヴィッツGMはデニスについて「タイムトライアルやプロローグにおいてはチームをリードする存在だ。1週間程のステージレースではコースプロフィールによってエースを任せることにもなるだろう。グランツールとワンデイレースでは強力なアシストとしての働きを期待している。」とコメントした。



コフィディスへの加入が決定したナセル・ブアニ(フランス、現FDJ.fr)コフィディスへの加入が決定したナセル・ブアニ(フランス、現FDJ.fr) photo:Kei Tsujiフランスのプロコンチネンタルチーム、コフィディスはジロ・デ・イタリア期間中から噂されていたナセル・ブアニ(フランス、現FDJ.fr)の移籍を発表した。契約期間は2年。ジロでポイント賞を獲得しながらもツール不出場の憂き目にあい、待遇面でも不満をあらわにしていたブアニは新天地で単独スプリントエースとして勝利を量産することが期待されている。

石畳が取入れられたツール第5ステージを独走で制したラース・ボーム(オランダ、現ベルキン)石畳が取入れられたツール第5ステージを独走で制したラース・ボーム(オランダ、現ベルキン) (c)CorVos同時にリードアウト要員として、ブアニと同じく現FDJ.frのジョフレ・スープ(フランス)、ストゥヴ・シェネル(フランス、現AG2Rラモンディアール)、かつてブアニのアシストとして走りながらも今シーズンは契約が無く引退を余儀なくされたドミニク・ロラン(フランス)の加入が決定している。

ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)によるツール・ド・フランス総合優勝を成し遂げたアスタナは、早速チーム力の強化を開始。エース級のライダーでは、石畳が取入れられた今年のツール第5ステージを独走で制したラース・ボーム(オランダ)をベルキンから、1週間程度のステージレースで多くの総合優勝経験をもつルイス・レオン・サンチェスをカハルーラルから獲得した。

その他、ファビオ・アル(イタリア)のアシストとしてディエゴ・ローザ(イタリア、現アンドローニジョカトリ)とダヴィデ・マラカルネ(イタリア、ユーロップカー)が加入。また、ユースチームのアスタナコンチネンタルからはツアー・オブ・チンハイレイクを制したイリヤ・ダビデノク(カザフスタン)ら3名の昇格が決定している。

text:Yuya.Yamamoto