現在開催中のツール・ド・フランスにワイルドカードとして出場中のネットアップ・エンデューラ。その走りを支えるアメリカンバイクブランド、FUJI(フジ)より新型エアロロード「TRANSONIC」が登場。トラックバイクやTTマシンを開発する過程で得たフィードバックを注入し空力性能を追求した1台だ。


フジ TRANSONIC SL(Mat Black / Red)フジ TRANSONIC SL(Mat Black / Red) (c)アキボウ
リアブレーキにもフロント用ダイレクトマウントキャリパーを搭載するリアブレーキにもフロント用ダイレクトマウントキャリパーを搭載する (c)アキボウハイエンドモデルSLはC10カーボンを使用するハイエンドモデルSLはC10カーボンを使用する (c)アキボウ


音速領域に突入する瞬間という英単語を冠した「TRANSONIC(トランソニック)」は、これまでラインナップされてきた「SST」シリーズの後継となるカーボンエアロロードバイク。トラックバイク「TRACK ELITE」やTTバイク「NORCOM STRAIGHT」を開発する際に繰り返し行った風洞実験で得られたフィードバックを注入することで優れたエアロダイナミクスを実現したことが特徴だ。

フレーム形状は翼断面チューブを用いた、エアロロードバイクとしてはオーソドックスなフォルムとなっている。しかしながら、フォーククラウンとヘッドチューブ下部の一体化、ダイレクトマウントブレーキの採用、ブレーキ本体をすっぽりと覆うシートチューブとシートステーの接合部、ケーブルの内装化、リアタイヤに沿うシートチューブ形状など細部を煮詰めることで徹底的に空気の乱れを抑制。結果、300wで40kmの平坦路を走行する際にSSTシリーズに対して65秒、オールラウンドモデルのAltamiraに対して55秒のタイム短縮に成功した。

同時に、ネットアップ・エンデューラの選手達によるテストを経て走行性能も追求。各チューブ接合部の鋭角側のRを大きくとることでバランスを最適化し、大口径チューブやアシンメトリックチェーンステー、PF30規格の採用によって剛性を強化。素材に積層を工夫することで軽さと強度を両立しつつ、適度な剛性感を実現したフジ独自のCシリーズカーボンを組み合わせることで優れた乗り味を実現している。

ジオメトリーは理想のトレイル値を実現するためにヘッドチューブアングルとフォークオフセットを細かく調整することで、安定感を重視しつつ俊敏さを兼ね備えたハンドリング特性を目指した。

フロントブレーキは制動力とエアロダイナミクスを兼ね備えるダイレクトマウントタイプフロントブレーキは制動力とエアロダイナミクスを兼ね備えるダイレクトマウントタイプ (c)アキボウPF30規格を採用したBBシェルPF30規格を採用したBBシェル (c)アキボウエアロロード然としたリアトライアングルエアロロード然としたリアトライアングル (c)アキボウ


また、扱いやすさに配慮したことも特徴の1つ。リアブレーキにはフロント用ダイレクトマウントキャリパーを採用し制動力とメンテナンス性を確保。フロントフォーク及びリアトライアングルはワイドプロファイルのエアロホイールや幅28mmのタイヤが装着可能な設計に。フロントディレーラー付近にはチェーンウォッチャーが標準装備される。

ラインナップはC10カーボンを採用したプロユースモデル「TRANSONIC SL」とセカンドグレード「TRANSONIC 2.4」の2種類。販売パッケージはSLがフレームセットのみ、2.4が新型シマノ105をメインとした完成車のみとなる。サイズは共に46cm、49cm、52cm、54cm、56cmの5種類が揃う。カラーは両グレード共にブラックとレッドの組み合わせとなる。取り扱いはアキボウ。

ネットアップ・エンデューラが使用するフジ TRANSONICネットアップ・エンデューラが使用するフジ TRANSONIC (c)Makoto.AYANO


ネットアップ・エンデューラの選手のコメント

既に現在開催中のツール・ド・フランスに投入されている既に現在開催中のツール・ド・フランスに投入されている (c)www.fujibikes.comダビ・デラクルス(スペイン)
「ダウンヒルでもとても安心して下れるバイク。正確にラインをトレースし、手放ししても挙動が安定している。とにかく安心を感じるということは僕にとって重要なんだ。平地での高速巡航性もずば抜けていて、50kmを僅か1時間で走ることも可能。これはロードバイクでは本来とても難しいことだが、TRANSONICなら簡単にできる。」

ザッカリ・デンプスター(オーストラリア)
「ダウンヒルを高速で下る時、エアロダイナミクスは大きな差を生み出す。それによる、このバイクの恩恵は多岐に亘る。剛性の高さは不安を感じさせず、例えばバイクが不安定だとしっていればブレーキを多くかけがちだが、このバイクが高剛性で速いと知っているので、ブレーキングを減らすことができる。自分にとってこのバイクのデメリットは見当たらない。たとえ登りで攻めている時でも、私にとって最も重要なことはエースをサポートする時に彼らの風よけになることである。このバイクがこれから毎レース結果を出して最高の仕事をこなすため良い機会を与えてくれたことにとても興奮を覚えるよ。」


フジ TRANSONIC 2.4(Carbon / Red)フジ TRANSONIC 2.4(Carbon / Red) (c)アキボウ
フジ TRANSONIC SL(フレームセット)
フレーム素材:C10 ultra high-modulus carbon
BBシェル:PF30
フォーク:FC-330 carbon monocoque w/ tapered carbon steerer
ヘッドセット:FSA 1-1/8"upper, 1-1/2" lower, integrated w/ carbon top cap
シートポスト:Transonic aero carbon, 300mm(46-52cm), 350mm(54-61cm)
サイズ:46cm、49cm、52cm、54cm、56cm
カラー:Mat Black / Red
価 格:230,000円(税抜)

フジ TRANSONIC 2.4(完成車)
フレーム素材:C5 ultra high-modulus carbon
BBシェル:PF30
フォーク:FC-770 carbon monocoque w/ tapered alloy steerer
メインコンポーネント:シマノ 105 11s
ホイール:オーヴァル 327 aero alloy clincher, 20/24h
ハンドル、ステム、サドル:オーヴァルコンセプト
シートポスト:Transonic aero carbon, 300mm(46-52cm), 350mm(54-61cm)
カラー:Carbon / Red
価 格:240,000円(税抜)