2014/06/28(土) - 00:39
1周目から快調にペースを刻んだのは、一昨年まで5年連続チャンピオンだった萩原麻由子(Wiggle HONDA)。優勝を有望視された與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)は差を広げられ、ゴール時には50秒の大差が付いていた。女子ジュニアは期待の新人梶原悠未(筑波大付属坂戸高)が優勝。
6月27日(金)に行われた全日本選手権個人タイムトライアル。10時30分にスタートした女子エリートはその他のカテゴリーと同じ1周13.4kmのコースを2周、計26.8kmで争われた。
その長い手脚から繰り出されるしなやかなペダリングと変わらない深い前傾姿勢。「とにかく下りでペースを乗せ、登りはペースでこなしていこうと考えていた」と言う萩原は、スタートからゴールまでフォームを崩すことなく走りきった。序盤から最終走者の與那嶺との差をスタートから5km地点で早くも10秒ほどつけ、以降は距離を進めるほどにその差は30秒以上に広がっていく。
いっぽうで2012年のジャパンカップオープン以降1年半に渡ってロードレースに限らずTT、MTBなど日本女子最強自転車選手として短いキャリアながらもトップを走ってきた與那嶺。その圧倒的な勝ち方から、個の力が試されるこの個人TTでは優勝最有力候補だった。しかし結果はこれで6回目の優勝となる萩原に軍配が上がった。
萩原は「2周目にはエンジンが掛かってきたので、とにかく下りで踏みこみました。すぐに後ろ(與那嶺)に追いつかれると思っていましたが、逆に前の選手に追いついたので、それが良い目標となったんです。チームのスケジュールにワールドカップのチームTTがあり、勝てばメンバー入りできるかもしれないので頑張りました。凄く嬉しいです。清々しい気持ちですね。これでヨーロッパに日の丸を持って帰れます」と充実した表情で語っていたことが印象的だった。
與那嶺は「勝てなかったのはたしかに残念ではありますが、データの上では進歩し、自己ベストを更新した走りでした。ですので自分としては満足行く走りでした。相手のほうが一枚上手だった。強かったという他ありません。しかし、私もその先の目標に一歩近づけたレースでした。良いレースをしたと思っています」とコメントしている。
女子3位は萩原の後輩である鹿屋体育大院の上野みなみ。2往復するコースの1往復半まではTTバイクで走り、最後の上り区間は軽量のノーマルバイクに交換して走った。「それまで金子広美さんと接戦だったが、バイク交換をしてから上りで上野は金子さんとの差を広げることができた」とは黒川剛鹿屋体育大監督。当日の全選手を通じて、予定してバイク交換をしたのは上野ひとりだけだった。
萩原が強くなったのか、それとも與那嶺にワット数に表れないタイトルホルダーとしてのプレッシャーなどがあったのか。おそらくそれは両方だろう。再びそれを検証するレースは29日(日)に行なわれる。
また、1周で争われた女子ジュニア+U17は、昨年から頭角を現した梶原悠未(筑波大付属坂戸高)が優勝。5月のアジア選手権では3人逃げで梶原が2位、坂口聖香(日本体育大)が3位だった。この日のTTも梶原が優勝、17秒差で坂口聖香が入っており、3位には聖香の妹、坂口楓華(パナソニックレディース)が入った。
結果 女子エリート 26.8km
結果 女子ジュニア 13.4km
結果 女子U17 13.4km
text:Hideaki.Takagi
photo:Hideaki.Takagi,Makoto.Ayano
6月27日(金)に行われた全日本選手権個人タイムトライアル。10時30分にスタートした女子エリートはその他のカテゴリーと同じ1周13.4kmのコースを2周、計26.8kmで争われた。
その長い手脚から繰り出されるしなやかなペダリングと変わらない深い前傾姿勢。「とにかく下りでペースを乗せ、登りはペースでこなしていこうと考えていた」と言う萩原は、スタートからゴールまでフォームを崩すことなく走りきった。序盤から最終走者の與那嶺との差をスタートから5km地点で早くも10秒ほどつけ、以降は距離を進めるほどにその差は30秒以上に広がっていく。
いっぽうで2012年のジャパンカップオープン以降1年半に渡ってロードレースに限らずTT、MTBなど日本女子最強自転車選手として短いキャリアながらもトップを走ってきた與那嶺。その圧倒的な勝ち方から、個の力が試されるこの個人TTでは優勝最有力候補だった。しかし結果はこれで6回目の優勝となる萩原に軍配が上がった。
萩原は「2周目にはエンジンが掛かってきたので、とにかく下りで踏みこみました。すぐに後ろ(與那嶺)に追いつかれると思っていましたが、逆に前の選手に追いついたので、それが良い目標となったんです。チームのスケジュールにワールドカップのチームTTがあり、勝てばメンバー入りできるかもしれないので頑張りました。凄く嬉しいです。清々しい気持ちですね。これでヨーロッパに日の丸を持って帰れます」と充実した表情で語っていたことが印象的だった。
與那嶺は「勝てなかったのはたしかに残念ではありますが、データの上では進歩し、自己ベストを更新した走りでした。ですので自分としては満足行く走りでした。相手のほうが一枚上手だった。強かったという他ありません。しかし、私もその先の目標に一歩近づけたレースでした。良いレースをしたと思っています」とコメントしている。
女子3位は萩原の後輩である鹿屋体育大院の上野みなみ。2往復するコースの1往復半まではTTバイクで走り、最後の上り区間は軽量のノーマルバイクに交換して走った。「それまで金子広美さんと接戦だったが、バイク交換をしてから上りで上野は金子さんとの差を広げることができた」とは黒川剛鹿屋体育大監督。当日の全選手を通じて、予定してバイク交換をしたのは上野ひとりだけだった。
萩原が強くなったのか、それとも與那嶺にワット数に表れないタイトルホルダーとしてのプレッシャーなどがあったのか。おそらくそれは両方だろう。再びそれを検証するレースは29日(日)に行なわれる。
また、1周で争われた女子ジュニア+U17は、昨年から頭角を現した梶原悠未(筑波大付属坂戸高)が優勝。5月のアジア選手権では3人逃げで梶原が2位、坂口聖香(日本体育大)が3位だった。この日のTTも梶原が優勝、17秒差で坂口聖香が入っており、3位には聖香の妹、坂口楓華(パナソニックレディース)が入った。
結果 女子エリート 26.8km
1位 萩原麻由子(Wiggle HONDA)
2位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)
3位 上野みなみ(鹿屋体育大)
4位 金子広美(イナーメ信濃山形)
5位 米田和美(Ready Go JAPAN)
2位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)
3位 上野みなみ(鹿屋体育大)
4位 金子広美(イナーメ信濃山形)
5位 米田和美(Ready Go JAPAN)
39分04秒66
39分55秒53
41分57秒53
42分22秒30
42分57秒91
39分55秒53
41分57秒53
42分22秒30
42分57秒91
結果 女子ジュニア 13.4km
1位 梶原悠未(筑波大付属坂戸高)
2位 坂口聖香(日本体育大)
3位 坂口楓華(パナソニックレディース)
2位 坂口聖香(日本体育大)
3位 坂口楓華(パナソニックレディース)
20分28秒95
20分46秒41
22分00秒35
20分46秒41
22分00秒35
結果 女子U17 13.4km
1位 細谷夢菜(浦和工高)
22分01秒05
text:Hideaki.Takagi
photo:Hideaki.Takagi,Makoto.Ayano
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