現在スペインのグランカナリア島でトレーニングキャンプを行うデンマークのUCIプロチーム「ティンコフ・サクソ」が2014年のチームジャージを発表した。新ジャージにはティンコフクレジットシステムの黄色が大きく使われている。コンタドール、ロッシュ、クロイツィゲルのインタビューもお届けする。



グランカナリアでトレーニングキャンプ中のティンコフ・サクソが新ジャージを披露グランカナリアでトレーニングキャンプ中のティンコフ・サクソが新ジャージを披露 photo:Tinkoff Saxo

新ジャージに身を包んだアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)新ジャージに身を包んだアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tinkoff Saxoサクソ・ティンコフがティンコフ・サクソに、チームカラーが青色から黄色に。ティンコフクレジットシステムがメインスポンサーにつくデンマークチームは、同社のコーポレートカラーである黄色に姿を変える。胸元に入るのはもちろんティンコフクレジットシステムのロゴだ。

腹部にはサクソバンクのロゴと、同社の青色がアクセントとして入る。2013年までのジャージと比べると、黄色と青色の比率が逆転している。

「チームの雰囲気はファンタスティック。密に連係がとれたチームであり、同じ方向に向かってそれぞれが明確な目標に取り組んでいる」と語るのは、エースを務める31歳のアルベルト・コンタドール(スペイン)。過去に5回グランツールで総合優勝を果たしているコンタドールの目標は3度目のツール・ド・フランス制覇だ。同時にコンタドールはブエルタ・ア・エスパーニャも視野に入れる。

また、アイルランドで開幕するジロ・デ・イタリアでは、昨年11月に受けた膝の手術から回復中のニコラス・ロッシュ(アイルランド)がエースを担う。アルデンヌ・クラシックではロマン・クロイツィゲル(チェコ)らが主戦力となるだろう。

今回発表されたのは27名の布陣。クレンブテロール陽性が発覚したジャパンカップ覇者のマイケル・ロジャース(オーストラリア)はメンバーリストに入っていない。装い新たに、チームは1月19日に開幕するツアー・ダウンアンダーでシーズンインする。



インタビュー
アルベルト・コンタドール「第一目標はツール。そしてブエルタにも出場」


ー 2014年シーズンのゴールは?
第一のゴールはツール・ド・フランス。そして、8月にはブエルタ・ア・エスパーニャにも出場する。
レースシーズンをスタートさせるのは2月のツアー・オブ・アルガルベで。そしてティレーノ・アドリアティコ、カタルーニャ一周、バスク一周を4月に。6月のドーフィネに戻る前に少し休養をとって、ツールとブエルタにつなげる。

ー 今現在の調子について
とてもいい感触だね。頭と体が良く働いている状態。チームとしてもいい方向に向かっているから、このままの状態を続けられれば今年は楽しみだね。

ー ティンコフ・サクソについて
雰囲気がとてもいい。皆がいい感触を得ていると思う。僕たちは皆が親密な関係で、今年の目標が何であるかを皆が明確に理解している。そしてチームユニフォームもとても美しいと思う。とても良く目立つんだ!(笑)。

ー グラン・カナリアについて
ここグラン・カナリアと今滞在しているリゾートホテルは完璧な場所だね。いい天気にいい道。11月にトレーニングにここに来た時は疲れていたけれど、1月のトレーニングは最高だね。今の時点でヨーロッパではベストな場所じゃないかな。



ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) photo:Tinkoff Saxoニコラス・ロッシュ「ジロ・デ・イタリアへの挑戦」

膝はだんだんだが良くなってきている。膝頭から大腿四頭筋にしていたギプスを外したんだ。11月のビーチでのアクシデントだったけど、トレーニングをやめたばかりのタイミングだったのは良かったんだ。徐々にリハビリしていくよ。

ー ジロ・デ・イタリアへの挑戦について
今までそんなに早く体調を仕上げたことはなかったから新しい挑戦になるね。これまでの5、6年はツールとブエルタに焦点を当ててきたから、年の序盤は体調のピークにはなかった。すごく楽しみだね。

ー アイルランドのレースについて
ここ4、5年でアイルランドはすごい自転車ブームになっている。若者たちが選手になりたがっているし、ベルファストやダブリンあたりではすごい歓迎を受けるんだ。アイリッシュファンたちのツールでの応援もすごいよ。アイルランドをレースで走るのが楽しみで仕方ないね。

ー 新ジャージについて
好きだね。アグレッシブな感じがして、日焼けした肌にはよく似合うんじゃないかと思う。多くのチームがシンプルなデザインを選択する傾向があるけど、もっと目立つ色でいることも大事だと思うんだ。

ー スペシャライズドのバイクについて
僕はターマックSL4に乗るけど、ダウンヒルでも反応がクイックで快適。それはとても大事な性能なんだ。下りでタイムを何秒か稼げることが大事なんだ。チームの大きなアドバンテージだね。

ー ティンコフ・サクソで走ることについて
2013年には満足しているよ。チームの雰囲気もとても好きだ。多くのカントクやコーチ、そして選手たちから多くのことを学んだ。このチームに移籍したタイミングはベストだったね。それが結果として出てきている。



ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) photo:Tinkoff Saxoロマン・クロイツィゲル「アムステル&ツール・ド・スイスに向けて」

ー トレーニングキャンプについて
ファンタスティックだ。天気が悪かったのはたった一日だけ。あとは日がさんさんと降り注いでいる。チームは1週間の滞在だけど、僕は2週間半滞在するんだ。チェコの天気はこことは比べ物にならないくらい良くないからね。妻も来て滞在している。毎日練習できるね。ツアー・オブ・オマーンとティレーノ・アドリアティコのためには最高の準備ができる。

ー 2014年の目標について
目標は昨年と同じく、シーズン前半のクラシック。もちろん、ツール・ド・スイスが大きな目標になる。そしてアルベルトのためにツールを走る。そしてできれば昨年より少し良い結果が残せるといいと思う。

ー チームについて
充実したスタッフのいる最高のグループ。このようなチームでなら良い走りをするのは簡単だ。このチームのことを家族のように感じているけれど、それは選手にとって大切なことなんだ。レースでは苦しい思いをしなくてはいけないけれど、バイクを降りたら楽しむことも必要なんだ。このチームならその両方ができるね。



ビャルヌ・リース監督「チームスポンサー決定に至るティンコフ氏の行動に敬意」

ー 今年のチーム、そしてコンタドールについて
たくさんの条件が揃った。アルベルト(コンタドール)が頂点を極める準備はできていると思う。彼に関してはすべて順調で、昨年よりずっと強いだろう。ツールとブエルタが楽しみだね。サポートするチームも万全だ。

ー クラシックに向けて
春の北のクラシックに向けてはたくさんの選手が居ない状態だ。でも我々には優秀なアウトサイダーとしてダニエーレ・ベンナーティとロマン・クロイツィゲルがいる。どれだけのことが達成できるかはわからないが、アルデンヌクラシックに向けては、我々は強いチームだ。勝利を含む「いい結果」を期待している。いま膝を怪我をしているロッシュの代わりには、とくにロマンがいいだろう。

ー 最近のチーム買収について
本当に良かった。チームにとってもオレグ(ティンコフ)にとっても良かったと思う。その過程において、オレグは偉大だったと言わざるをえないね。そのことについて私は多大な尊敬の念を抱いているし、このパートナーシップに大きく期待している。当初私が予想していたことと違う形にはなったが、彼がチームのためにベストを尽くしてくれたことは素晴らしいことだ。



ティンコフ・サクソ2014チームメンバー

アルベルト・コンタドール(スペイン)
ロマン・クロイツィゲル(チェコ)
イワン・ロフニー(ロシア)
オリバー・ツァウグ(スイス)
マッテーオ・トザット(イタリア)
ブルーノ・ピレス(ポルトガル)
パウェル・ポルヤンスキー(ポーランド)
ラファル・マイカ(ポーランド)
ニキ・セレンセン(デンマーク)
ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)
ミカエル・モルコフ(デンマーク)
マッティ・ブレシェル(デンマーク)
ニコラス・ロッシュ(アイルランド)
エフゲニー・ペトロフ(ロシア)

マヌエーレ・ボアーロ(イタリア)
カルステン・クローン(オランダ)
マルコ・クンプ(スロベニア)
ジェスパー・ハンセン(デンマーク)
セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル)
ヘスス・エルナンデス(スペイン)
ロリー・サザーランド(オーストラリア)
クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク)
ジェイ・マッカーシー(オーストラリア)
ミカエル・ヴァルグレン(デンマーク)
ミカエル・コラー(スロバキア)
ニキ・セレンセン(デンマーク)
ニコライ・トルソフ(ロシア)





text:Kei Tsuji,Makoto.AYANO
thanks to Global Cycling Network