2011年にジロ・デ・イタリアの総合ディレクターに就任したミケーレ・アックアローネ氏に、1300万ユーロ(約18億円)横領の疑いが浮上。内部調査を行ったレース主催者RCSスポルトはアックアローネ氏らを解雇した。



ミケーレ・アックアローネ氏ミケーレ・アックアローネ氏 photo:Kei Tsuji
RCSスポルトの口座から消えたのは、1300万ユーロ(約18億円:1ユーロ=139円換算)もの大金だった。横領が発覚した今年10月の時点で、アックアローネ氏はCOO(最高執行責任者)ならびにジロ総合ディレクターの職を解かれている。

1999年、イタリアを代表する一大メディアグループであるRCSグループに入社し、2011年にアンジェロ・ゾメニャン氏の後を引き継ぐ形で総合ディレクターに就任したアックアローネ氏。10月に職を失った同氏は、個人のTwitterなどを通して潔白を主張し続けてきた。

コースプレゼンテーションを欠席したアックアローネ氏は、10月11日に以下の声明を出している。「ジロのディレクターとして、イタリアの伝統であるレースの品位を高めるとともに、世界中のファンの心をつかむために尽力した。結果を見ると、その努力が実を結んだと言っていいだろう。自分の中で最高の創造物である2014年ジロのプレゼンテーションを欠席することは誠に遺憾だ。これまで、公平さと尊重、対話を重視し、常に透明性と誠実さをもってRCSグループに身を捧げてきた。真実が早く解き明かされることを望んでいる」。

後任に就くと見られるマウロ・ヴェーニ氏後任に就くと見られるマウロ・ヴェーニ氏 photo:Kei TsujiRCSグループによる内部調査と並行して、11月にはミラノの治安判事が横領の調査を開始。アックアローネ氏の直接的な関与は明らかにされていないが、執行責任者としての管理責任が問われての解雇という見方もある。アックアローネ氏の他にも、元CEOのジャコモ・カターノ氏、広報渉外担当のマッテーオ・パストーレ氏も同様に解雇されている。

アックアローネ氏の後任には、現在レースディレクターを務めるマウロ・ヴェーニ氏が就くとガゼッタ紙は報じている。

text:Kei Tsuji